鉄道車両の体験運転 #003
Driving experience of train #003

 鉄道会社名 / 駅名  車両形式 / 番号  所 在 地  訪問年月
若桜鉄道 若桜駅 C12 167 鳥取県若桜町
2016/06
全国的にも珍しい蒸気機関車の体験運転が出来る若桜鉄道。木村鉄道社員旅行の特権?で参加して参りました。 




2016年6月の木村鉄道社員旅行山陰方面。2日目は若桜鉄道を訪問
するという事で、朝の鳥取駅から直通列車に乗り終点の若桜駅に到着。

今日はココでスケジュールの大半を占める感じでしょうか?

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…やはり本日のメインは、圧縮空気によって復活したSLのC12型
ついてでしょうね。我々が訪れるつい先日まで、あるイベントによって
全身ピンク色にされてたという事ですが、元々の黒に戻っておりました。

早速、体験運転に向けての講義を聴きます。

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転車台の奥の車庫スペースに講義室があって、皆さんで移動。
講師は、先程出迎えて頂いた谷口さんです。完全に静態保存状態
だったSLを、1から整備して動くように修理したそうですよ。

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…コレが頂いた教本ですが… 保存されてるSLで、運転席の実物
というのは何度も見る機会があったものの、「運転する」という前提
見てませんから、改めての勉強みたいなもんでしょう。
電車や気動車より動かす部分は多いし、配置や形状も複雑です。

講義の中で、過去に出た質問として 「何故SLは黒いのか?」という
のが紹介されましたが、コレは明確な理由は分からんそうです。


20160623e.JPG…頂いた資料によるとC12型の運転
装備重量
約50t、コレだけのモノ
8人の人力で回転出来るんですね。

テコの原理と、転車台も下部には鉄道
と同じレールと車輪
がありますから、
摩擦係数の少なさもあるんでしょう。

デモなので「いつもより多め」?
360度+1車線分を回して止めます。

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そして汽笛を高らかに鳴らし体験運転の定位置に移動。
圧縮空気で動く機関車なのに、霧状の水滴が降ってくるのは何故?

ともあれ、まずは谷口さんによるお手本運転からスタートです。

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往路はまず、この特設ホーム? から前進引込線の終点…やはり
150m程度の位置まで移動。復路は後進で同じコースを戻ってきます。

…後から思ったんですが、やはり写真のアングルとしては機関車の尻
が写るカットが多くなるので、ココに何かヘッドマーク(テールマーク?)
でもあれば良かったなと。

一通りの講義を聴き模範運転を見学したら、いよいよ運転です。4人1組
で運転台に乗車、コースを1人ずつ片道で運転して2往復で交代ですね。

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このようなバッジ参加証の代わりです。…ピカチュウも本名でした。

まさゆきさんの表情がシブくてカッコ良かったので一枚。

片道ずつの運転だから、往路か復路のどちらかになるのですが、SL
だから運転席は前向きに限定され、復路はバック運転になります。

正方向もイイけど、バックの方が乗り出す感じのポーズが付けれる
のと、外から写真を撮って貰い易いというメリットがありますね。

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…という事で私の番若桜鉄道のC12型圧縮空気で動くので、運転台
に上がっても本物のような暑さは感じません
で空気を圧縮するコンプレッサーが作動してるので、ディーゼルエンジン
らしき音が聞こえるのが面白い所ですね。

乗車すると改めて谷口さんから、機器類の説明と模範運転がありました。
使う所は、左の画像に名称を入れた5箇所です。

逆転機「部品をコノ位置に動かす」というレバーなので、電車のように
スイッチを切り替えるだけではなくぐりぐり回して位置を変える必要が
あります。

加減弁最初はソロソロと操作しないと蒸気が入りすぎて空転する
ブレーキ単行用他の客車にも空気を送る用と2つあるんですね
(今回は単行なので「単弁」だけを使います)。

…って1回聞いただけでは覚えられません日常的な事で言うと
「和服を1人で着れない」
というアレに似てるかも知れん。前の人の
動作
を参考にイメージトレーニングが必要ですな。

谷口さんの解説によると、国鉄時代SLの機関士さん皆40代以上
ソレぐらいの歳になって、やっと一人前に運転出来るぐらいのハードな
メカだったらしいです。

…但し戦時中人手不足から「機関士が18歳、助手が17歳」とか、
今なら高校生のバイトみたいなコンビでやってたケースもあると聞きます。

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ともあれ、谷口さんの指導に従って運転します。私は復路の方でした。
おー!ソレなりに運転してるように見えるじゃないですか。

出してイイ速度時速8kmまで平筑の気動車半分以下ですが
コレだけ小さく見える機関車でも50t以上の重量がありますから、
加速が付くと止めるのにも余計な力が必要になるんでしょう。

…昔はコレより更に大きなヤツが、時速100km近くで走り回ってた
と言う、よくよく考えると恐ろしいハナシでもあります。

カナリ緊張しましたが、停止位置はどうでした?再加速が難しいので、
少し手前になってしまったかも知れません。

という事で、数ある体験運転の中でも稀有な存在であるSLの運転が
出来てしまいました。…私は気動車電車に続いて蒸気も制覇です。

外からの画像まさゆきさんの撮影でした。ありがとうございます



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