2019年4月、京都〜北陸地方の色々を見て回る旅の最後。城端駅の
駅ノートを描き終えたら、帰りの行路がいよいよ今回の旅のメイン
である「べるもんた」ですよ。
…正式名称は「ベル・モンターニュ・エ・メール」と言うらしいのですが、
当のJR西日本が「べるもんた」と略して紹介してるケースが多いので
ソレにしておきましょう。
フランス語で「美しい山と海」と言う意味だそうですが、ヒネりすぎて
認知しにくいのが難点かも知れません。
ソノ名の通り、高岡を中心に概ね土曜日が立山連峰を望む城端線、
日曜日が富山湾に沿った氷見線での運転となりますが、景色より
車両重視で、しかも最も空いてそうな帰路便を選んだ結果、土曜日
最終の「べるもんた城端54号」という事になりました。
…そんな感じで入ってきましたね。城端駅の1番線にも、べるもんた
仕様の駅名票が追加されております。
キハ40の単行ですか。…食事も出る本格的な観光列車で単行て!
丹後「くろまつ」以来の驚きかも知れませんわ。
観光列車としては距離が短かいので日に2往復します。午後便の
「べるもんた城端53号」が到着後約15分で折り返すので、降りた客と
これから乗る客の双方が記念写真とか撮ろうとすると、カナリ忙しい。
…加えて当日は天気が良すぎて矢鱈と濃い人影が入るので、ソレを
避けて撮ってたら変な角度になってしまいました。コレは誤算だわ。
陽射しがキツすぎて露出にムラが出まくるので、以後は途中駅や終点
の高岡で撮った画像も混ぜつつ紹介して参ります。
貫通扉と側面中央に、オリジナルのエンブレムがデザインされてます。
形式はそのままキハ40。…グリーン車でもナイしサロンカー的な7000
番台を振ってあるワケでもナイ、素の製造番号のようです。
同じ金沢支社の「花嫁のれん」は特急列車ですが、こっちは単に快速。
普通車指定券だけで乗れるから、観光列車としては割安でしょう。
定員は102名となってますが、指定席の数を数えると39席でした。
…元からのロングシートや吊革の区画も残ってますが、ココはフリー
スペースという事で指定席の数には含まれません。
そしてまたドアボタン。…「トワイライト瑞風」かと見紛うような豪華な
配色の塗装にコレは。もう慣れたと言えば慣れましたが。
キハ40とは言っても2000番台は暖地向けだからデッキが無く、冬場
は開けっ放しだと素で寒いかも知れませんし。
城端方向に向かって左側が従来の感じのボックスシート。そして右側
が窓を大きく取ったカウンター席になっています。
…カウンター席の側が城端線では立山連峰、氷見線では富山湾に
当たるので、こっちの方が眺めがイイのですよ。私もカウンター席を
取ってます。今回は10時打ちが上手く行きました。
折り返し時間が15分ほどだったので、結構慌ただしく発車しました。
…乗車率は3割程度かな?やはり帰路便を選んだのは正解でしたわ。
引き続き車内を見て行きましょう。天井の照明はレトロ調の電球色に
取り換えられていますが、扇風機はそのままでした。
まぁコレは「調」ではなく天然に古いワケですが。センターの丸い部分
はオリジナルのロゴ入りです。…九州辺りだとまだ国鉄マークでしょ。
ロングシート部分の吊革には、五箇山の集落や砺波のチューリップ
など、沿線の名物がデザインされています。
但しロングシートは補助席なので指定券の数には入ってナイそうな。
ロングシートの端っこの仕切りには、井波彫刻(城端のある南砺市の
工芸品)で、コレも沿線の名物が紹介されておりました。
…和室の欄間みたいなイメージですが、無駄に触られないように
ガラスケースに入っており、反射なく撮るのが難しかったですね。
カウンター席側の窓は2区画分を使った大きなモノです。…こっち側に
城端線では立山連峰、氷見線では富山湾が来るんですが、カウンター
側が優遇されてると言うのは珍しいケースかも知れません。
氷見(高岡)側の運転席直後には販売カウンターがあり、軽食や地酒、
簡単なお土産品などが販売されています。
「ベル・モンターニュ・エ・メール」と言うフランス風の列車名からして
カフェの店員さんみたいな人が乗務してるのかと思ったら、男性は
お寿司の職人さん、ホール係の女性も和食屋風に作務衣でした。
…もしかしたら過去に色々と試行錯誤があったのかも知れません。
やはり観光列車なので、沿線に「手を振る会」の人が居たり、停車駅
ではポスターを持った観光PRの人が居たりします。ボランティアの
案内人の方が乗務しており、沿線風景の解説などもありました。
…沿線風景の解説か。私も万葉まほろば線ぐらいなら出来ますよ。
そもそも観光列車を走らせようと言う気はナイかも知れませんがね。
ではココで、楽しみにしていた車内販売です。…お寿司の職人さんが
乗ってるという事で、車内で握った寿司が頂けるワケですよ。
基本的には予約が必要ですが、余裕があればソノ場でも買えるそうな。
…またJRの窓口とは別の「ツアーコース」扱いで、公式サイトから
予約ページへ飛ばされる仕組みになってました。ソコで席番号も入力
するから、お箸とおしぼりは事前にセットされてます。
お茶が付きますが、ビールはオプションと言うか私が持ち込んだ物。
…かつては東海道線の電車急行で、ビュッフェが寿司スタンドだった
と言う「昔はよかった」自慢をたまに聞くワケですが、コレは確かに
面白い雰囲気ですよ。立山連峰の風景を眺めつつ美味しく頂きました。
検札と併せて車掌さんから乗車証明書が配られました。
…最近は指定券を挟めるホルダー状になってる物を多く見るように
なった気がします。コレだと何となく「持って帰ろう」という気になるな。
車内の扉上には、立山連峰の山並みを解説した写真があります。
…コレは富山湾越しに撮ったモノであり、城端線からの風景とは些か
違うのかも知れませんが、現実の風景はどんな感じなんでしょう?
出来るだけ家並みの少ない所を選んで撮ってみましたが、こんな感じ。
…連続した写真ではありません。
ドノ山がコレで…と言うのは分からんのですが、ソコまで求めてナイ
と言うか、単純に「立山連峰がキレイに見えた」でイイ話でしょ。
ちなみに「べるもんた」の窓は絵画の額縁をイメージしてあると言う
事で、木製と思しき装飾が付いています。…やはり移り行く風景を
鑑賞しつつの旅はイイもんですよ。
そして景色もイイけど飲み食いもしたいのが人情。…新高岡で買って
きた「三色ちらし弁当」を開けてみましょう。
コストは割高になるでしょうが、御飯系の駅弁はベースが酢飯の方が
私は好きかな。車内で買った地ビールと併せて頂きます。
景色一緒に撮るのは難しいけど、窓枠の装飾もバックに入りましたね。
そんな感じで乗車時間としては1時間に満たないので、すぐに新高岡
に戻ってしまった感じです。
氷見線方向の場合は新高岡が始発となり、高岡での停車時間が結構
あるので、距離は同じぐらいでしょうが時間は長く取れますわ。
…ココで北陸新幹線に接続するから、結構な数が降りるのかな?と
期待したのですが、殆どのお客が終点の高岡まで乗ってた感じでした。
勿論私もソノようにします。
もっと乗ってたいのが本音ですよね。城端〜氷見を通して運転する
ぐらいの方が面白そうではありますが、520円では安すぎる?
…だったら種別を急行にしてカネ取っても私は文句は言いません。
閉め切ってあった前部のドアは、職人さんが食材などを降ろすのに
ココでのみ開けられるようです。「業務用」と化してますな。
そんな感じで西日本エリアの観光列車も徐々に埋まってきました。
…ネタを探して乗り続けるには、段々と遠くなるのが当たり前では
ありますが、東海エリアに「車両を大幅に改造した観光列車」が思い
当たらないのが残念かな?とも思います。
飯田線とか、トロッコ車両を走らせても面白そうなんですけどね。
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