のと鉄道の「里山里海」から引き続いて、和倉温泉からJR西日本の
「花嫁のれん」に乗車します。
和倉温泉駅の改札を出た所に、謎の大きな構造物がドーンと…
…コレが「花嫁のれん」の実物だそうです。
当地では娘さんが嫁ぐ時に、このような「のれん」を誂(あつら)えて、
ココをくぐってから家を出て行く…。コノのれんに未来の幸せやら
健康を願う気持ちが込められてるそうなんです。
そして「ご自由におくぐり下さい」って。
オッサンがくぐるワケにも行かんので私は遠慮しましたが、周囲の女性の
皆さんはキャッキャウフフ言いながらくぐってました。
…「皆さんもぅ、今更くぐらなくてもイイでしょ?」
と言いたくなるような年季の入った人が多かったですけどね。
…前評判として聞く「花嫁のれん」の、矢鱈と豪華なイメージに
合わせてか、駅名標も無駄にゴージャスな装いに変わっておりました。
あと1駅、七尾まで走る「里山里海」は、金沢から来る「花嫁のれん」
の1号の到着を待っての発車になりますので、一瞬だけツーショット
が撮れるんですよ。…画質上げときゃよかったな。
金沢から和倉温泉まで1号として来た車両が折り返して、私の乗る
2号になるワケで…ホームに居る状態で車内整備が行われます。
コノ間に走り回って、外観を押さえてしまいましょうか。
車両は例によって、各地で余り気味のキハ40系(キハ48)ですね。
昨今の車両ラッピングの技術と言うのには、ホントに感心させられる
所ですが、この列車に関しても、かなりイメージが変わりました。
前照灯は何故か真ん中一灯になり、貫通扉は埋められています。
で、ヘッドマークと言うのかエンブレムと言うのか…のし袋の水引き
みたいですな。
キハ48だから乗降扉は車端部にあり、どっちも運転席側は埋められて
おりますので、乗り降りはココ、編成の中央部からのみになります。
今時の事ですから、恐らくコンピューターでデザインしたモノをそのまま
巨大なシール状のモノに印刷して車体に貼るのだと思われますが、1度
でいいから、こういうデザインの作業をやってみたいもんです。
(…バーチャル模型でなら経験があるのですが。)
…1両の定員は24名ですか。カナリ座席数を減らしましたね。
そして所属は金沢でなく富山。…氷見線&城端線や高山本線の車両と
マトメて「北陸の気動車は全部富山」なのかも知れません。
そして形式は元々の「キハ48」のままです。4と1004の差は、そもそも
のキハ48(47も)がトイレなしが1000番台なだけです。
イベント用として番台を分けるでもなく、「伊予灘ものがたり」みたいに
無理矢理グリーン車にするでもなく、実に潔い話だなあと思いました。
ってか今回、画面全体の雰囲気が急に真っ赤になった事が、我ながら
笑えました。…何と極端なハナシか。
ではそろそろ、車内整備が終って改札が始まったようですので、
乗車して車内の様子も見てみましょう。
和倉温泉1207---金沢1321 特急花嫁のれん2号 金トヤ キハ48×2両
…多様化しすぎてワケが分からなくなってますが、種別は特急です。
キハ48なのに?…快速列車ではあるものの無理矢理グリーン車にした
「伊予灘ものがたり」と、どっちが変なのか?意見が分かれそうだな。
…やっぱり団体さんが多いですよね。
学校の春休み期間がソロソロ終る唯一の平日になる金曜日(4月8日)
を狙ったのですが、老人は年柄年中ヒマであるというのを忘れてたな。
ホームにはオリジナルの乗車目標が付けられ、駅員さんも特製の法被
で改札対応をしていました。
アテンダントさんというより「仲居さん」のイメージの女性乗務員さん
が数名、サービス係として乗務しています。
入った所からしてもぅ、昭和の気動車とは思えないレベルの改造っぷり
ですね。ココは和倉寄りの1号車のデッキ部分、簡単な売店があります。
その1号車は、グループ向けのボックス席がメインの車両です。
やはり目が行く改造遍歴の表示、製造時のも貼っとけば面白いのに。
…なかなか全体が撮りにくい構造なのですが、内装は加賀友禅っぽい
イメージなんでしょうか?そして通路は石畳なんだろうな。
トイレ使用の表示灯も、和風なオリジナルデザインです。
そして私が乗る2号車は、個人客向けのオープンスペースで、
内装は…やっぱりコレ、金箔のイメージ?
落ち着かないぐらいに真っ金金の車両ですが…私が乗るのは個人客
向けのオープンスペースを広く取ったと思われる2号車です。
床の絨毯の模様は何となく、安土桃山時代の濃絵(だみえ)を連想
させる模様になってます。…方向性として正しいのかは謎ですが。
そし妻面が見事に金箔仕様!…加賀地方の伝統工芸であるのは
分かりますが建物の内部に金箔って、豊臣秀吉の茶室ぐらいのもん
ではナイのか?
そして天井には桜吹雪が舞ってるわ… とにかく全体的にスゴい事に
なってますね。…窓を埋めた部分の大型モニターはヨシとしましょう。
私の席は、2人掛け向かい合わせのテーブル
でした。
既に同席の方が居たので、カメラを向ける
のが憚られて、画像は1人掛けカウンター
です。だから「こんなイメージの座席」だと
思って下さい。
回転して正方向と、45度、90度の位置で固定
できます。…でもリクライニングはしません。
同席者は、やはり一人旅らしき男性。
あんまり絡んで来ない人で助かりましたわ。
ってか既に発車しておりますが、程なくして車掌さんによる乗車券類の
検札と、アテンダントさんによる食事予約のチェックが入りました。
「アテンダントにお渡しください」
「アテンダントが…お持ちいたします」
と書かれていますが、ココは全部
「仲居に」と直した方がスッキリする
ような気がするのですが。
所でコノ食事予約、窓口で買おうと
したら係の人がよく分かってなくて、
「お食事は3種類ございますが」
なんて返されたんですよね。
確かに「花嫁のれん」としての食事プランは3種類ですが、提供される
料理は列車ごとに決まってます(「伊予灘ものがたり」と同様)よね。
…まだまだ周知の徹底がされてナイんだろうなと思いました。
後日ソノ話を社長にしたら、社長の場合はもっとスゴくて、窓口の人が
列車名を「花嫁のレン」…「レンという名前の花嫁さん」みたいな解釈
の発音をしてたそうです。
ソレもまたスゴいな。ってか「レン」って大抵は男の名前でしょ。
そんな感じでアレコレ考えてるうちに、仲居さんが食事を運んできました。
今回は日に4本ある「花嫁のれん」のうち、一番豪華な食事が出る
プランをという事で、帰路になる2号を選んだのです。
地域の食材を使った上品なお弁当ですね。
…所で出発前から車内放送が「本日は車内ではアルコールの販売を
行っておりません」と繰り返してるんですが…何で今日に限って?
私は先程の和倉温泉駅でビールを仕入れてきましたから問題ナイの
ですが…往路の「1号」に、アンドレ・ザ・ジャイアントみたいな人が
乗ってて、積んであるアルコールを全部飲んじゃったとか?
ともあれ、豪華なお弁当で一杯やりつつ、沿線風景を眺めながら
「花嫁のれん」の旅は続きます。
食事も一段落したので、売店を見に行ったり(でも買わない)、 回って
きた仲居さん(…断じてアテンダントさんだとは感じられない)に写真を
撮って貰ったりしております。
…えーと、こんな言い方をすると失礼なのですが、七尾線って景色に
見所が少ないのが難点かなあと。殆ど田圃の中を一直線に進んでる
だけの感じで。コレだと私の実家付近と大して変わらないんですよ。
なので?車内放送も風景についての説明って特に無かったような…。
ソノ代わり?繰り返し流れてきて頭に残ってしまったフレーズが、
「女性の幸せを願う列車・花嫁のれん」
というの。何ですかねコレ?…オッサンや猫の幸せも願ってくれよ。
そして定刻に金沢に到着です。 …和倉温泉駅はホームが「お揃い」
みたいなもんでしたが、やはり都会に持って来ると異様に目立つな。
…今回は単純にサンダーバードで金沢まで往復するだけの行路です
ので、ココからすぐの接続列車で京都方面へ帰ります。
金沢1356---京都1609 特急サンダーバード26号 683系×12両
…行きも帰りも、目一杯の12両編成ですね。そして「あまりに早く買い
すぎると団体ツアー客と一緒の車両になりがち」と学習しました。
右は先程、和倉温泉駅で「もう1個」と思って買ったちらし寿司。
食べる時間が無かったので、ココで頂きます。
…そして金沢駅で形に惹かれて買った「利家御膳」。
お殿様の駕籠をイメージしてあるそうで、旅の最後でもあったから
持ち帰って洗い、保存する羽目になりました。…何か使い道ある?
そんな感じで「里山里海」から「花嫁のれん」と続いた能登半島の
観光列車2題の旅はココまでです。…なかなかに濃い1日でしたね。
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