2021年10月、えちごトキめき鉄道
の2本の観光列車にハシゴで乗る
べく新潟県にやって来ました。
…初日に市振〜直江津で同社の
「国鉄急行」に乗り、直江津で一泊、
2日目が観光列車「雪月花」です。
事前に配信されているメールに添付
されたフリー切符で同列車の始発駅
となる上越妙高へ移動します。
改札外に出て暫く待つと発車案内に「雪月花」の表示が出ました。
ココが始発駅ではありますが私が直江津を出る時点で車両が側線
に停まってるのを確認しており、ギリギリに回送されてくるようです。
…まずは長野方向へ妙高高原まで行くんですが、行先は律儀に
「糸魚川」と書いてあります。今から糸魚川へ行きたい人が居ても
急に乗れるもんではナイだろうに。
そして直江津方面の表示は「快速」。コレが国鉄急行の車両で、
上越妙高で上下交換して同時発車になるようです。…もしかしたら
撮り鉄向けに仕組まれたダイヤなのかも知れません。
程なくしてアテンダントのお姉さんが登場。受付が始まりました。
手続きを済ませると記念乗車券が配られます。コレが本来のフリー
切符も兼ねた物になるようですな。
…暫くの間があって、いよいよ「雪月花」が直江津方面から入線します。
外観や車内の写真を撮って、ゆっくり乗るにはホームでの停車時間
は長い方がイイんですが。単線区間の途中駅なのでソレほど取れ
ないようであり、6分程度の間に色々と済ませる必要があります。
…と言うかデビューして5年と言う事で、車体の外観は過去に何度も
撮っています。ET122型の1000番台と言う気動車の2両編成で、
この手の観光列車にしては珍しく新車として製造された車両です。
走行機器などは一般用のET122型と基本的には同じだそうな。
新車だからデザインも自由に出来たのでしょう。前部も側面も大きな
窓になっており、車内からの眺めも良さそうですね。
正式には「えちごトキめきリゾート」と言う冠が付くようです。
デビュー翌年の2017年に鉄道友の会の「ローレル賞」を取ったのか。
…てか鉄道友の会がまだある事の方が驚きですが。
先述のように直江津方面行きのホームには快速運用の国鉄急行
が入り、「雪月花」と並びました。停車時間が短かいのでホームの
端まで行ってると乗り遅れる恐れがあり、左の感じで精一杯でした。
恒例のスタフ盗撮ですが、まずは約1時間掛けて妙高高原に向かい
ます。…一般的な普通電車で約30分なので倍近いんですね。
スイッチバックの二本木駅で約20分の停車時間を取ってあります。
…観光列車なのに「車掌乗務省略」、ワンマン運転なんですね。
その代わり当然の事ながら複数名のアテンダントさんが乗務します。
では車内の紹介です。実の所、私は扉が開いたらすぐ乗り込んで
車内の画像を撮る事にしています。外観は後で何とでもなるので。
…大抵の人は先ず車体の外観に気を取らるからので、その隙に
真っ先に乗り込んで誰も居ない車内を撮るのが恒例になりました。
発車後だと、人を入れないように工夫しても色々散らかってるし。
まず左が最初に先頭になる1号車です。カウンター席がメインで
配置されており、概ね1名客はこちらのようです。…私もね。
2号車がボックス席メインのインテリアで、グループ客向けですね。
双方とも奥手の運転席近くはハイデッカー構造になっています。
…スマートフォンに広角レンズがあると車内撮影に便利ですな。
2号車の連結部にバーカウンターがありました。…飲み物の追加も
基本的には座席でオーダー出来るのでココは車内サービスの基地
みたいな使われ方なんですが、お洒落なデザインですな。
そんな感じでようやく発車しました。…程なく通過する新井駅では
駅員さんが手を振ってお見送り。この光景も観光列車の定番です。
2号車のハイデッカー部分は指定席(別枠で売られてて少し高い)
ですが、1号車のソレはフリースペースです。
…料理が出て来るまで延々と居座って動画を撮ってるおばさんが
居ましたので後の区間で撮った物も含まれますが、流石に見晴らし
がイイですね。運転席との仕切りも開け放してあります。
そんな感じで始まった「雪月花」の旅ですが、ずっと楽しみにしてた
ので隅々まで見逃しのナイよう記録して帰る事にしましょう。
まず1号車ですが、先述のようにカウンター席が主体で主に1人客用
として作られた物だと思われます。
往路便が上越妙高を出た時点で進行方向の右側に向いたカウンター
が2列。左側は一段高くなってます。コレは妙高山や日本海が常に
こっち側に来る事を考慮した配置なのでしょう。
1号車の車端部と2号車には、2名〜4名のボックス席があり、ココ
がグループ客用でしょうね。
ネットで同列車を予約をした時、私は1名だからまずカウンター部分
の空席が表示され、そこから選ぶ感じになってました。
ざっと見た感じ当日は定員の40%程度の乗車率であり、2列目の
カウンター席は全て空いてるようでした。…だから途中でも色々と
撮れたワケですが、この程度なら「密」にもならずより快適です。
1号車のデッキにはトイレと洗面所などがあります。…間接照明を
多用したお洒落な空間になってますな。トイレは今時のバリアフリー
なタイプで、新車だから自由にレイアウト出来た感じがしました。
…昔ながらの金属製の和式便所を楽しみたい方は「国鉄急行」
に乗ればいいワケで、図らずも面白い対比になったもんです。
観光列車にお約束の名産品紹介コーナー?もあります。
小さな穴が幾つも開いたケースの中を覗き見るような感じになり
ますが、絵ハガキや食器等のグッズは購入可能なようですよ。
…日々描いてる駅ノートの絵が評判になり、このようなグッズの
依頼は来ない物か?と時々妄想するんですが…無理?
カウンター付近に記念スタンプがあり、貰ったパンフレットにソレ用
のスペースがあったのに、興味がナイから捺してくるの忘れました。
そうこうするうち列車は二本木駅に到着です。ココは妙高高原方面
へ向かう列車はホームに入る前にスイッチバックを経由します。
「雪月花」でも見せ場の1つになってるようで、アテンダントさん
による詳しい解説を聞きながらの通過になりました。
…引込線にあるスノーシェードはカナリの年代物だった筈ですが、
展望室の大きな窓から見るのもミスマッチで面白いですね。
引込線に入ると、バック運転でホームに向かいます。
観光列車でスイッチバック。と言うのも色々と体験しましたが、ココ
では運転士さんは車両を移動せず、アテンダントさんが窓から顔を
出して後方を確認しつつのバック運転です。
…移動時に拍手で送られて。と言うのも一般的には恥ずかしい話
だろうから、この方法もアリかなと思いました。
ちなみにココは、普通列車でも運転士さんは前後を移動しません。
二本木では21分停車なので、地元の観光協会の方が駅やソノ周辺
の解説をして下さいます。私は過去に来てますが参加しました。
隣接する日本曹達の工場の最盛期には日に何万人もの乗降客が
あり、入口と出口を分けて捌く必要があるほどだったそうな。
ホームと駅舎の連絡が地下道なのは、跨線橋だと空襲の際に危険
だからワザワザ作り変えられたとのお話でした。そりゃ知らなんだ。
駅舎は同路線で唯一開業当時から残る建物で、2019年に文化財
指定を受けています。…駅が文化財になるのも珍しい事ではなく
なりましたが、プレートがまだ新しいですね。
説明の合間に抜け出して、併設されている喫茶店「さとまるーむ」を
覗いてみました。ココには駅ノートが設置されている筈です。
以前は店外の待合室にあったのが盗まれたので、新たに置かれた
際に当時の管理者さんに「店内に置いたらどうですか?」と進言した
のは私なのですよ。実際、同条件の駅ノートは各地に存在しますし。
あれから1年少し経ち、店内に置いた事で書き込み数は減ったよう
でしたが、平和に残っておりました。
一通りの説明を聞き終えてホームに戻ると、コレまた地元の方が
グッズや特産品の販売を行なってました。
…グッズは残ると面倒な部分もあるので、消え物(飲食物)の方が
楽であり、ほおずきサイダーと言うのを購入しました。列車内には
飲み物が沢山ありそうなので、コレは持ち帰る事にしましょう。
そんな感じで二本木を発車、先程のスイッチバックを左手に見つつ
勾配を登り、妙高高原に向かいます。
…そろそろお料理が配られる頃ですね。今回は車を運転する事も
ナイので久し振りに昼間から酒にしようと思い、ファーストドリンクは
シャンパンを注文しました。
段々と妙高の山並みが近付いてきました。…地理的に不案内のなで
詳しくナイんですが、一番の山頂付近は雲に隠れているようです。
では待望のお料理を開封してみましょう。小型の重箱が3段重ねに
なった物で、基本的にはお箸で頂きますがフレンチだそうな。
…調理の担当は直江津駅前の「センチュリーイカヤ」ですね。
品書きが付いてますので大き目の画像で載せておきましょう。
左から順に並べましたが、@…前菜・A…メイン・?…〆の炭水化物
と言う感じかな。この他にスープとデザートが付きます。
折角なのでイイ景色を見つつシャンパンから始めましょう。
…てか私はいつも写真撮りに夢中になって後半に掻っ込む事が多い
ので、今回は事前にアテンダントさんに「いつまでに食い終われば
いいか」を訊いておきました。
直江津から日本海ひすいラインに入る頃にデザートが出るそうな。
段々と標高が上がる感じで深い渓谷などが見え始めます。左の画像
の鉄橋では観光列車恒例の徐行運転がありました。
程なくして妙高高原に到着しました。新潟県はココまでであり、この
先は長野県ですね。国鉄〜JRの時代は直通する列車も多かった
事でしょうが、現在はしなの鉄道に移管され、ココが乗換駅です。
…標高は510mか。直江津は海に面した町だからほぼゼロだとして
結構な高低差を登ってきた事になりますね。
妙高高原と言うのは関西人の私にはどぅも馴染みが少なくて具体的
にイメージしにくい所なんですが、名の知れた観光地の割に閑散
とした雰囲気でした。
…時期的に(避暑にもスキーにも向かない)中途半端だからなのか、
新幹線によって人の流れが変わったからなのかは不明ですが。
てか駅の広告やオブジェが微妙に昭和テイストですね。2番線の
案内には何かをワザワザ「東京」と書き直した跡がありますが、
今はココから直通で東京(上野や新宿)へは行けないでしょう。
「雪月花」はココで15分ほどの停車時間を取って折り返します。
今度は2号車が先頭になりますが、こちらのハイデッカー部分は
別枠の指定席なので、他の席の客は入れないようですね。
…車内で運転席のスタフを撮ろうとしたら、アテンダントさんに丁重に
追い出されました。なのでスタフは撮れてません。
こちらの発車直前に、しなの鉄道のSR1系が入ってきました。
「ライナー車両」と呼ばれる青いやつですね。赤と青の対比がイイわ。
…お天気が良すぎてコントラストがキツくなりました。
時間がなく詳しく見れてませんが、座席を転換クロスとロングの両方
に設定出来る「デュアルシート」と言う物が装備された車両です。
直江津までは重複する区間になるのと、停車駅ナシのノンストップで
走るようなので、食べる事に集中しましょうか。
二本木はスイッチバック駅ですが通過列車はスルー出来る線形
だった筈。…しかし上越妙高も通過するのは意外でした。
沿線の方が手を振って下さるのも観光列車の定番ですね。右は以前
に駅ノートが空振りだった関山駅です。
メインのお料理は片付いてスープが出てきました。…最後にスープ
と言うのも変わってますが、カリフラワーのポタージュで、黄色く
浮いてるのはカレーのようです。
…先程から観光列車に場違いなカレーの香りが漂ってたのはコレか。
そんな感じで直江津に到着しました。もぅ何度目でしょう?
ココでも15分ほど停車して日本海ひすいラインに入ります。
…写真は撮ってナイんですがお料理と一緒にビール2杯とワインを
赤白各1杯ずつ頂きましたので、適度に酔っ払っています。
そう思って見ると目が虚ろですな。
直江津駅にはお約束の駅弁の立ち売りが出てましたが、ピカチュウ
親方ならイザ知らず、一般人ならあの量の豪華料理を食べた後で
「更に駅弁」と言う発想は出ない(と言うか物理的に入らない)でしょ。
…手の空いてる駅員さんなのか、同社のキャラクター「トキてつくん」
の人形を持ってウロウロしてるだけの方がありました。もぅ少し何か
ネタが欲しい所です。
ココから再び進行方向が変わり、また1号車が先頭になります。
…1人客は概ねこちらに振られるから、往路便の方がお勧めですよ。
運転士は若い女性の方でした。
…そう言えば映画『かぞくいろ RAILWAYS わたしたちの出発』では
有村架純さん演じる新人運転士が、肥薩おれんじ鉄道の観光列車
(料理が出る)でブレーキの扱いに苦労するシーンがありましたね。
糸魚川まで50分、途中の筒石で10分の停車時間が取ってあります。
日本海ひすいラインは有間川付近で海に出ます。
周知の通り殆どが内陸部の新線に移設された区間なので貴重な
風景ですが、イイお天気になりました。
終点の糸魚川まであと少しですが、最後まで楽しませて頂きましょう。
…そして有間川付近の海岸を過ぎると頸城トンネルですね。
現状で同列車は夜間に走る設定がナイので、トンネル内がソレに
近い状況を見れる数少ない機会だと思うんですが、車内の様子が
全く違う感じで、コレまたいいなと思いました。
…国鉄急行の方は夜行急行やアルコールを提供する「バル急行」
なる物が設定されてますが、お洒落に飲める感じを演出するなら
「雪月花」の方がイイかも知れません。
お料理の方はデザートとコーヒーが出ております。…あっちこっち
撮りまくってましたが何とか直江津までに間に合いました。
そして最後の見せ場が筒石駅ですね。ココには10分間停まります。
有名な駅なので私も何度か訪れており、最近は同駅設置の駅ノート
も描いたワケですが、特に知識のナイ観光客さんにすれば驚異的な
空間でしょうね。
停車時間が10分では地上の駅舎まで行くのは無理があると思われ、
その旨を説明した上で一応はアテンダントさんが簡単に説明しつつ、
待合室からもぅ1階上の通路ぐらいまでは行ったようです。
私はもぅよく知ってるので参加せず、ブレずに車両を撮る事のみに
徹していました。…スマートフォンの方が好条件のようです。
と言うかいつも糸魚川方向から来て乗り降りするので、上りホーム
をしっかり見たのは初めてだったかも知れません。
そんな感じで再び発車、新駅のえちご押上ひすい海岸を過ぎると
北陸新幹線の高架が並走し、終点の糸魚川に到着です。
…私は最後までウロウロしてるので、追加ドリンクの会計をカナリ
待たせてしまいました。てかすっかり忘れてた、ごめんなさい。
最後にお土産として、カステラのようなお菓子と御当地のお米を少し
頂きました。…やはり消えものが最強でしょう。
と言う事で1泊2日でえちごトキめき鉄道の観光列車を2本ハシゴ
した今回の旅の報告はココまでです。
殊に「雪月花」はずっと乗りたかった豪華列車なので、達成感も
大きいです。…駅ノートだけでは稼げない記事数のストックにも
なった、実りの大きい旅でした。
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