全国「ネタ列車」乗車報告 #090
Train Reports #090

 鉄 道 会 社  列  車  名  乗 車 区 間  乗車年月
えちごトキめき鉄道 国鉄急行 市振→直江津
2021/10
同社がJR西日本から買い入れた417系電車を使用した昭和レトロな「国鉄急行」の乗車報告です。 




2021年10月の事、えちごトキめき鉄道2本の観光列車ハシゴ
乗るべく、1泊2日で(主として)新潟県上越市へ行きました。

いつものようにサンダーバードから北陸新幹線に乗り継ぐルートで
富山からはあいの風とやま鉄道、泊でえちごトキめき鉄道に乗り
換え、市振に着きましたクラ駅長です。

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社員旅行の時ココで川副さんと話してて「何で乗り換え駅が泊
なんだろう?」と言う話になったんですが、私は市振折り返し
構造的に無理なんだろうと思ってたんですよ。

この辺りは複線区間なので、折り返しには渡り線が必要になります。
到着直前から前方を見てたんですが、富山方渡り線がありました。

…そして回の目的の1つである国鉄急行反対側のホーム
停車してますね。併せて撮り鉄さんたちこっちの気動車にカメラ
を向けています。やはり垢抜けない服装のが多いですな。

市振島式ホームが1本の駅で、国鉄急行が居るのは上り本線上
と言う事になるから、直江津方にも渡り線があるのでしょう。
…でないとそのまま転線して帰れない事になるわ。


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直江津駅の車庫では見た事があった国鉄急行の車両が実際に運用
されてますよ。デビューから間がナイので塗装もキレイですね。

乗り換え時間20分ほどなので、まず駅舎へ行って今回は描き
ません駅ノートチェックだけ済ませてしまいましょう。

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前回の訪問から1年近く経ちますので、絵師さんの作品ゆっくまー
シールも何点か増えてました青いペンの人行方不明になる直前
の物でしょう。デハニ会さんのは美少女バージョンですね。

国鉄急行雪月花を経験すれば、今後の同社路線駅ノート
ネタにも使えそうです。色々としっかり見ておきましょう。

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当日に乗ったのは「急行2号」と言う名前の列車になります。

快速直江津〜妙高高原往復し、昼から夕方にかけて市振
往復(1号・2号)糸魚川往復(3号・4号)1回ずつ走る運用に
なってるそうな。…横サボには全部マトメて書かれています。

社員旅行の時に聞いた通り同社JR西日本から買った車両で、
国鉄時代交直急行電車の色に復元されています。…但し
編成のうち2両デッキのない413系…つまり近郊型になりますが。

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富山方先頭車455系と言う、実際に急行列車として走ってた
車両ですね。JR時代格下げ改造車内は色々と変わってますが
その辺は追々説明して参ります。

こちら側にのみ、ヘッドマーク「急行」表示の方向幕が再現されて
いました。「立山」と言う列車名が入ってますが、コレは確か大阪〜
富山の急行だったと思います。

電車や気動車の急行にもヘッドマーク付き当たり前でしたが、
国鉄末期面倒くさがって段々と省略されるようになります。

…しかし金沢鉄道管理局ヘッドマークこだわりがあって、最末期
まで伝統が守られてたと聞いた事がありますよ。

ようにのページをめくる名前が変わる構造になってます。コレは
国鉄時代にも実際に存在しました。私の記憶では、快速運用に入ると
ヘッドマークはそのままで、真ん中だけ白無地と言う変な物でした。

そして方向幕JR時代「要らん」埋めてしまったので、陰影を
付けた感じでそれらしい絵が描いてあります。いいアイディアですね。

ではココから直江津まで、国鉄時代戻った雰囲気(になるのか?)で
乗り鉄を楽しむ事にしましょう。

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…まずは隙を見て撮った運転士さんのスタフから。
終点の直江津までの間、時刻表に載ってる停車駅糸魚川だけ
なんですが、ココは14分と言う長時間停車になります。

大部分が自由席なので急行料金さえ払えば普段使いに乗る事も
可能なようです。区間内では最も大きい駅だし、地元需要も想定
してあるのかも知れません。

そして掲載のナイ停車駅として能生で2分名立で15分と設定して
ありました。コレは車内放送でも案内されます。

複線区間だから上下交換必要はないワケでして、何があるのか
現状ではよく分かりません。

能生と言えば思い出すのがキハ82系時代特急白鳥勘違い
運転停車ですね。

…今回はその逆と言うか、時刻表には載らないけど停めてやるよ
って感じで帳尻合わせをしてるような気がしましたクラ駅長です。
勿論単なる偶然なのでしょうが。

あと交直両用電車なのでデッドセクションでの交直切り替えが赤く
目立つ状態で書いてありますね。 この区間は第三セクター移管後
気動車ばかりになってるから、普段は要らない操作でしょう。

列車は親不知付近の海岸線に沿って走ります。「国鉄情緒」と言う
事を売りにするなら窓は開けても大丈夫かな?と言う事で、景色が
イイ所で開けて撮ってました。

…詳しくは後述しますが市振発車時点で自由席はほぼガラ空き
の状態だったんです。まだ寒さで苦情の来る季節でもナイでしょ。

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車掌さんが回ってきたので急行券を買います。全区間均一のようで
大人1名が500円でした。

…最初に聞いた話では「始発駅では硬券の急行券を再現した物が
売られてる」と言う話だったので、市振にも係の人が出張して手売り
してるのをイメージましたが どうも有人駅に限った話のようです。

この補充券国鉄風な物が再現されており、紙の地紋「JNR/
こくてつ」のデザインです。ソレと同時に乗車証明書を頂きました。

ではココで、富山で買ってきた駅弁昼食に頂きます。

何となく「国鉄旅幕の内弁当」なイメージなので「雷鳥の歌」と言う
商品です。 …些か小さ目ですが当日の食事全て駅弁に終始する
予定なので、コレぐらいで構わないでしょう。

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暫くすると車内販売が回ってきました。運転開始の初日よっしー
直々に担当してたようですが、直江津のレールパークの従業員
らしいお兄さんです。

飲食物は少なく同社のグッズなどがメインですね。
列車に付いてるのと同タイプの横サボが8,000円とか、買う人は
居るんでしょうか?

グッズ後々残るので、こう言う場合は極力食べ物です。
何度か買ってる同社オリジナルレトルトカレーにしておきましょう。

飲食物ではありますが流石にコレは車内で食べるワケには行かず
自分へのお土産と言う事になります。

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何だカンだとやってるうちに公式な停車駅糸魚川に到着しました。
ココで14分停まります。

…まぁ国鉄時代長距離列車と言うのは時々、非常識なレベル
停車時間を取る物がありましたから、ソレに比べればマシでしょう。

1番線に着くと向かい側には「雪月花」が居ました。コレは午前
午後1本ずつ走る運用の、折り返しのタイミグに当たります。

当日の運転士さんは気さくな方で、停車中にお客さんカメラ
スマートフォンシャッターを押してるのを何度か見ました。 

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そして上り3番線には北斗星塗装EF510による貨物列車が入って
きました。…上記の運転士さん曰く、向こうが2時間ほど遅れたので
実現した並びだそうな。

…今では余裕のありすぎるダイヤだろうし複線区間だから、ソレほど
深刻な乱れにはなってナイようです。

貨物列車先に発車しそうなので、後方へ回って3ショットが撮れ
ないか工夫してみました。…ギリギリですが何とか入ったかな。

糸魚川を発車すると約50分掛けて終点の直江津に向かいます。

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市振〜直江津の全区間の所要時間1時間21分なのですが、
同区間で最も早い糸魚川の停車時間によって変わると思われる)
普通列車1時間02分なんですよ。

ダイヤ的に途中の追い抜きナイにしても、急行なのに普通列車
より遅いんですね。…観光列車にはありがちな事なので別にイイ
んですが、矛盾と言えば矛盾だわな。

そんな感じで糸魚川を出るとあるのが、交直切替デッドセクション
ですよ。両用の電車でも最近の車両は通過時に照明が消える事は
ありませんが、国鉄型律儀に停電します。

「電流切り替えのため」と言う車内放送も久し振りに聞きました。

そう言えば社員旅行の前に社長(木村)がTwitterで「特急しらゆき
糸魚川デッドセクション電気が消えますか?」みたいな
質問をしてました。

「そもそもしらゆき糸魚川行きません」と言うのが回答の大半
を占めたワケですが、社長らしい間の抜けたエピソードです。
…まぁE653系なら大丈夫じゃない?

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能生何故か2分の停車。…最初「ドアは開きません」と言う案内
でしたが何故か開きました専用停目があるんですな。

トンネル駅筒石は速度を落として通過。…一般の方(居るのか?)
向けに「トンネル内にある珍しい駅である」と言う解説が入ります。

ゆっくりと言っても光量が足りないからオート撮影ではシャッター
速度遅くなり、ホームを写し止める事は出来ません

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そして次に名立15分停車。どうやらコレは「車両撮影タイム」
ようです。糸魚川橋上駅舎の下に停まるから、空間的に開けてる
場所で撮れるようなサービスかなと。

通過線がある構造なので何か(もぅ貨物列車しかナイだろうが)に
抜かれるのかと思ったけど、何も通らなかったように思います。

私は忘れてましたが、15分あれば地下道を通って反対側のホーム
へ行く事も可能でしょう。詳しくは次回に紹介しますが、その代わり
ココで外装の細かい部分を色々と撮っておきました。

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…しかしまぁ出発直後に一時的に晴れ間が見えたものの、曇りがち
時々雨が降る天候になってしまいました。何が困るってデジタル
カメラだから青っぽい発色になるんですよ。

どっちかと言うと暖色系な車体色だから、上手く調整しないと変な色
に見えてしまいます。…カナリ苦労しました
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ココは駅の富山方名立川と言う川の上に掛かってると言う事も
案内されました。…やはりお天気は良くありませんが、河口まで
800mぐらいでしょう。先に見える高い陸橋北陸自動車道です。

…ココは元の線路から内陸部へ移設された区間なので、旧線
北陸道より奥海岸沿い走ってました。自転車で走りましたがな。

何度か目になると道路と鉄道記憶がリンク出来るから、改めて
楽しめます。…「何が何でも旅は鉄道一辺倒」だと無理な話でしょ。

ではココで車両の形式と内装などについてマトメておきます。

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まず富山方1号車ですが、コレはクハ455と言う形式で、元から
急行用の電車として製造れた車両です。…が元は中間車のサハ
後に運転台を取り付けて、クハの700番台となりました。

…私ぐらいの世代だと3桁形式の電車は10の位列車種別による
分類分けであり、「5〜7は急行用」と覚えたもんですが、最近は
JR「急行」と言う種別が激減して無意味な物になりましたね。

元は客室内の全て固定式クロスシートだった筈ですが、ローカル
列車用格下げされた時にデッキ撤去して一部がロングシート化
され、中央部の4列8区画のみが残っています。

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若い世代の人知らない私より上の方もソロソロ忘れてるかも
知れませんが、国鉄形式のクロスシート近郊型にもあります。
しかし急行用窓側にも肘掛けがあるのが特徴です。

正確に測った事はナイのですが、近郊型よりコノ分だけ通路が狭く
なってる筈であり、車両全体の乗車定員より座席の居住性を重視
した設計なのでしょう。

そしてトキ鉄に譲渡された後、簡易式のテーブルが付きました。
いすみ鉄道レストラン列車と同じ発想ですね。

…しかしコレ、私だったら要らんかな。逆に狭く感じるし少なくとも
国鉄風ではナイ。その場で「外して下さい」はアリなのかしら?

「国鉄急行」の運用ではココが指定席となります。…但しコレは
朝の快速運用から急行2往復8時間強を乗り通す条件でナイと
売って貰えないそうな。

…そんな物好き少ないだろう。と思ったらコレが何と当日は満席
しか午後ともなればテーブル突っ伏して寝てる人も居ました。

そして何故かヘッドマーク付き賽銭箱がありました。実在する
らしい神社の名前が書いてありますが、本物賽銭間違いなく
神社へ行く)なんでしょうか?

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元は急行用なので車端部にトイレ独立した洗面所があります。
見た感じココは国鉄当時変わってナイようでした。近郊型では
洗面所省略されますから、コレはポイントが高いでしょう。

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2号車3号車413系と言う近郊型のユニットです。コレは急行型
電車の電装品流用して車体のみ新製された車両です。

近郊型とは言っても当時流行ってた「シティ電車」と言う意味不明
なカテゴリーで、片側2扉のスタイルですね。車内の銘板を見る限り
元の車両が製造された時代の物も残ってます。車体が昭和62年な。

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基本的にはココが自由席です。…1号車指定席クロスシート
8区画)は空(あ)いてれば座れるので、折角ならオリジナルの急行型
車両に乗りたかったんですが、空(す)いてるならココの方がイイわ。

クロスシートの区画同じ数だけ残ってるから、雰囲気としては
似たようなもんです。まぁを言えば「国鉄情緒」を売りにするなら
モケットは青いのに張り替えて欲しい所かな。

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車内の中吊り広告や妻面にある地図も、国鉄時代の物が再現されて
いました。…地図には恐らく「〇年現在」と言う表記があると思われ
ますが、ソコまでは見てませんでしたね。とにかく古そうです。

時刻表の索引地図に似てますが、富山〜直江津辺りは中部東北
両方に表記されるようです。…と言うのもココだけでなく全国各地
のが分けて貼ってありましたので。

中吊りは車両の感じからして昭和40年代頃の物でしょうか?
「瀬戸」「出雲」ブルートレイン化されたのは昭和47年3月だそうな。
触った感じ紙そのものは新しいようだったので、レプリカなのでしょう。

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列車は内陸部の移設区間を抜け、海岸沿いを走ります。
…些か雨混じりの天候になってきましたが、日本海と言うのはコレ
ぐらいの方が雰囲気としてイイ感じかも知れません。

元は特急街道でもあった幹線なので、全区間が複線化されており、
対向列車も押さえる事が出来ました。…観光列車にありがちな天井
まで大きなガラスの1枚窓もイイけど、この狭さがマニア向けだな。

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と言う事で国鉄急行2号は定刻通りに終点の直江津に到着です。

…が列車が駅の構内に入ってホームに停まる寸前、先程の車販の
お兄さんが賽銭箱を押して「車両意維持のための御寄附をお願い
致します。」と回ってきました。

全く気が付かなかったんですが、移動可能なようにキャスター付き
の構造になってたようです。…このようなセコいアイディアを考え
ついたのは恐らくよっしーでしょう。

財布にあった500円硬貨寄付したら「四五五神社」と言う名前の
入ったカードをくれました。裏に載ってる立山や室堂を宣伝する
広告も、復刻版として車内にあった物と同じデザインです。

…ぇ、四五五神社?最初はよく見てなかったので昨日の記事
「実在するかも知れない神社」と書きましたが、間違いなく「455系」
文字った物であり、丸っきりフィクションじゃない?

まぁイイですが、資金が溜まったら是非モケットを青くして下さい

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ともあれ今日の行程ココまでです。曇りがちで暗いですが時刻は
まだ14時半頃であり、ホテルでゆっくり画像の整理が出来るでしょう。
今回も予想以上の大漁になりました。

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車両の富山方に回ってみると、国鉄時代を再現したような駅名票
立てられていました。…新潟方向空欄になってるのはこっち側が
JR東日本だからでしょう。微妙に意地が悪いような?

車両はココで簡単な車内清掃を行い、「急行3号・4号」として糸魚川
まで往復し、その日の運行を終えます。

朝から指定席に乗ってる方にはラスト1往復ですな。ある程度の
遠方直江津始発なら金沢ぐらいまでとか)まで移動出来るなら私も
乗ってみたいと思うんですが、同じ区間を何度もってのは疲れそうだ。


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…暫くすると同列車糸魚川行き3号として折り返すワケですが、
発車案内を見ると間もなく「雪月花」が向かい側のホームに入るのが
分かりました。今回は時間に余裕があるので見て行きましょう。

ぁ、何やらドコかで見たような人が居ますね。
四国鉄道写真家坪内政美さんでした。…木村イベントで何度か
ご一緒してますので、関係者には懐かしい方だと思います。

車の屋根に上ったり地面に伏せたり、破天荒なスタイルで被写体に
向かう人のイメージですが、駅構内なので正しく点字ブロックの内側
を守ってらっしゃいます。流石はプロですな。

ご挨拶した方がいいのか迷ったんですが、明らかに仕事中だし
私など覚えてナイかも知れないので遠慮しておきました。

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今回の宿泊は駅の跨線橋からも見えるα-1です。線路より南
ありますが、北口から歩く方が近いようなので北口側へ出ると、
1番線の真横の歩道を通る事になります。

ココから国鉄急行の車体がよく見えました。乗降扉車端に寄った
スタイルは正に国鉄急行電車です。

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…折角なのでホームで見た国鉄風の駅名票を入れて白黒で1枚。
地上駅だからホームも時代と共に嵩上げされた歴史のある物です。
そうこうするうち、先に「雪月花」が出て行きました。

時間が早かったのでホテルでは余裕を持って画像の整理が出来ました。
…特に出歩かず、早く寝て翌日「雪月花」に備える事にします。



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