全国「ネタ列車」乗車報告 #084
Train Reports #084

 鉄 道 会 社  列  車  名  乗 車 区 間  乗車年月
阪急電鉄 京とれいん 大阪梅田→京都河原町
2019/12
関西の大手私鉄には珍しい阪急電鉄の「京とれいん」。初代編成6300系の乗車報告です。 




2019年大晦日の事ですが、たまたまシフト上の休みだったので阪急
電鉄
観光列車「京とれいん」に乗りに行きました。

基本的に観光列車という物は総じて土日に運転されるケースが多く、
同社「京とれいん」もソレに倣ってるワケですが、田舎のローカル線
とは違って天下の阪急京都線ですから、大抵は混んでるイメージです。

たまたま土日ダイヤ行ける日大晦日しか無かった事もありますが、
京都が混むのは大晦日の夕方から正月三が日に掛けてでしょう。

…だったら逆に空いてるかな?と思ったんですよ。また観光列車だとは
言っても「京とれいん」特別料金要らない列車であり、日に何往復
してますから、取材不足が出れば当日中に乗り直しも可能です。

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そんな感じで今回は大阪梅田駅からスタートです。奈良に住んでると
「用事がナイ限り滅多に来ない駅」なので、久し振りに来た感じですが、
日本一と言われる車線の櫛型ホームはいつ見ても壮観ですね。

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お正月を前にして、コンコースの随所に松飾りがあるし、列車のヘッド
マーク干支のネズミをデザインした初詣仕様になっています。

…やはり阪急と言うのは、他の関西の私鉄に比べると1ランク上品
言うか、ちょっと「気取ってる」イメージがありますね。宣伝用のポスター
宝塚歌劇キリッとした女優さんが出てくるからかも知れませんが。

そして「京とれいん」ですが、2011年に登場した初代編成2019年
加わった2本目「京とれいん雅洛」各1編成ずつ存在します。

土日ダイヤの日に1時間置き交互に走るようなので、上手くやれば
同日中2本まとめて乗ってしまう事も可能でしょ。

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現地に着いた時刻の都合もあって、まずは初代の「京とれいん」から
乗る事にしましょう。…何事も最初は基本が肝心ですからね。

形式としては6300系という車種で、1975年から京都線専用の特急車両
として製造されたグループです。

…既に特急運用からは引退しており、「京とれいん」以外は嵐山線
として少数が残るだけのようですが、片側2扉の特急仕様車なので、
イベント列車向けの車両として改造しやすかったのかも知れません。

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阪急の基本であるマルーン塗装そのままに、随所に金銀のデザイン
が為されており、を模したようなヘッドマークが付きます。

種別としては「快速特急A」と言う、関西では馴染みの薄い物ですが
通常の特急が停まる京阪間茨木市高槻市長岡天神通過する
のに加えて、阪急の要衝とも言える十三も通過してしまうようです。

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ヘッドマークの他には、随所に筆書き文字のロゴが入ってますね。
片側2扉とは言っても6300系の場合、先頭車以外車端部ギリギリ
の所に扉があります

コレで客室デッキを仕切れば純然たる特急型車両になりますね。

6300系は元々は8両編成での運用でしたが「京とれいん」では6両
編成短縮されました。
 …6両ってのは模型で所有するにも使い易そうです。買わないけど。

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そして乗降扉から客室にかけての部分には、大きな図柄扇デザイン
のラッピングが為されていました。…元からの阪急マルーン下地
にあるから、ソレだけでもゴージャスな装いになってしまってます。

…と言うか、創業当時から頑なにマルーン一色を貫いてる阪急電鉄
としては、カナリ大胆なデザインではナイんですかね?

一般人鉄ヲタ喜ぶでしょうが、沿線ハイソな住人変化を嫌う
京都人の皆さんどぅ思ってるのか?是非とも知りたい所です。
カッコええ電車どすなあ→派手すぎて品がナイ」とか言ってたりして。

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ではそろそろ車内の紹介に移りましょう。

6両編成のうち、真ん中3号車4号車和風の内装に改造されて
います。デッキ部分は扉はナイですが、京都の町屋をイメージした
ような格子のデザインになってました。

そして乗降扉付近には、京都の観光パンフレットが置かれています。
大阪京都を往復する列車ですが、大阪に関する物はナイようです。

光列車だとは言っても車内料理が出るワケでもなくガイドさん
観光案内をするワケでもナイので、コレが唯一の「観光」なのかな。

日本語&英語の他に中国語韓国語がありますね。…個人的には
「置かなくてもイイのに」と思うんですが、苦情が来るでしょうな。

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そんな感じで大阪梅田を出ると、阪急名物の1つである複々々線
淀川鉄橋を渡り、十三へと至ります(京都線中津駅ありません)。

…私は沿線住民ではナイので、「快速特急A」又は「快速特急」という
種別が元からあって、そのダイヤに「京とれいん」用の車両が充当され
てるのかと思ってたんですが、路線図を見るに専用種別のようです。

しかし阪急要衝の1つでもある十三通過するってホントに?
東北・上越の新幹線の中には以前、大宮通過する列車があり
ましたが、アレと同じような事ですよね?

ちょっと気になるので車内探検中断して見届ける事にしましょう。

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…列車が十三駅の構内に入ると、普通に減速して恐らくは6両編成の
所定の停止位置停まりドアを開けずに数秒間待ってまた発車

京都線ホームにはホームドアが付いてますが、勿論コレも開きません
つまりコレは単なる運転停車って事じゃナイんですかね?

そもそも阪急京都線十三を出ると大きく右にカーブするから、高速で
そのまま通過する事は無理な線形であり、また察するに信号的な何か
の関係で完全に通過する不可能なのかも知れません。

…だったら別に停車でもイイような気もするんですが、私は阪急電鉄
の事情には詳しくナイので分からないんですよ。ご存知の方があれば
また教えて頂きたい所ですが。


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ともあれ車内に戻ります。…6両編成のうち真ん中に位置する3号車
4号車和風の内装になっており、2名用4名用ボックス席
並んでおりました。

シートの幅だけで言えばグリーン車並みの広さって事ですかね。
元々転換クロスシートの時の窓割り合わせてありますが、向かい
合わせになる分だけシートピッチも広いように感じられました。

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特別料金要らない全車自由席特急なので、ドコに座ってもいい
ワケですが、色々とやってるうちに車両の端っこ車椅子スペース
として変則的3名掛けになってる所を見つけたのでココにします。

座席直角の固定式クロスシートなんですが、畳表が張られた
上に座布団に見立てたようなモケットがあります。

また座席指定も可能なように、頭上には席番号が振られていました。

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車内には最近外国人向け一般向けと、2種類のWi-Fiが設置された
ようです。…そんな所に凝るならコンセントも欲しい所です(ない)

しかし主に昭和50年代製造された車両なので、随所に残る注意書き
などの字体が微妙にレトロなんです。「○○のはなし」扇風機ボタン
もそうでしたが、各社ともこう言う部品使い回すのだな。

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十三通過とは言うが停車したも同じでしょ)を出ると大阪側では淡路
京都側では烏丸3駅にのみ停まります。

上記の2駅は何れも同社の他の路線乗り換えが可能な駅であり、
ソレ以外の通常の特急停車駅通過してしまうようですね。

特急の停車駅なんてもっと少なかったんですが、段々と途中から
の客拾おうとしますからね。…京阪枚方市近鉄京都線高の原
丹波橋と似たような事情なのかも知れません。

気にしていた乗車率は、上の車内写真の感じで「ガラ空きでもナイけど
見て回るのに困るほど混んでない」という感じで、取り敢えずOKかな。

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観光列車だとは言っても、発車してしまえば特に何の案内もナイので、
そのまま約50分終点京都河原町に到着しました。

「京とれいん」
は再び大阪梅田に向けて折り返すワケですが、復路
方が乗客が少ないらしく、停車中にもソレほど人が乗ってこない感じ
なので、発車前撮れなかった部分撮っておく事にしましょう。

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…と、ソノ前に一旦改札を出て入り直します。取り敢えず同列車
そのまま折り返す事になるかも知れませんので。

大阪梅田京都河原町片道400円です。…同区間を含めた京阪神
地区を自由に乗り降り出来るフリー切符カード式のやつ)を調べると
1,200円だったのですが、買う時間までは無かったんですよね。

一往復半以上乗るなら元が取れますが、微妙な所だな。

京都河原町駅のコンコースやホームにも、「京とれいん」「京とれいん
雅洛」乗車案内が掲示されています。

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ではココから、途中撮れなかった車内風景ですが、両端の1号車
2号車、また5号車6号車は従来の転換クロスシートモケット
張り換えただけの感じでした。

同時期に製造された京阪3000系国鉄117系と似た感じの、2扉間
ずらっと並ぶタイプのやつです。…料金不要だとは言ってもやはり
速達列車3扉はどうも似合わない。ってのが私の感覚ですよ。

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窓の日除も、改造車の方はロールカーテンですが従来型阪急特有
アルミ製のヨロイ戸です。…昭和初期古い電車の頃に木製の
やってたのを、そのまま頑なに伝承してる物ですな。

阪急でも流石に最近の新型車コレは減ったと思うんですが、手段
が確立されてなかったなら仕方ないとして、ヨロイ戸使い続ける
メリットって何なんでしょう?

段階が調整出来ず「0か100か」しか無理であり、開閉には阪急沿線
上品な奥様方似合わない怪力が必要なんですがね。

…今回も結論が出ないままでしたが、発車するようなので同じ列車
大阪梅田
まで折り返し、次は京とれいん雅洛に乗る事にしましょう。



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