2019年9月、牽引機と客車がリニューアルされた「SLやまぐち号」に
乗った翌日、続けて組んだ行路によって山陰本線の「○○のはなし」
に乗りました。…3年前とほぼ同じパターンですな。
下関駅近くのホテルに宿泊した翌朝、始発駅から乗るべく、新下関まで
移動してきました。
同列車は2017年から、元々あった「みすゞ潮彩号」をリニューアルして
運転されてる物です。
「みすゞ潮彩号」は3年前に私も乗ったので、ソレと通算すれば2度目
になります。…その時に車内で紙芝居の実演をしてる方から「もうすぐ
新しくなるんですよ」と言う話を聞いておりました。
事前に色々と調べてみるに、基本的なスタイルは変わらない感じです。
…案内看板などもソレ自体は使い回しのように見えますし。
しかし車両が新たに改装され、運転区間も東萩まで延びたとの事。
2両編成のうち、以前は自由席として全くの無改造だった1号車も、
新たに指定席車として趣向を凝らした内装になったと聞いております。
そんな感じで待つ事暫し。新山口方向から「○○のはなし」が入って
きました。前回と同じ構図で1枚押さえておきましょう。
…字で書いてると実感がナイですが、放送などで実際に「まるまるの
はなし」と発音されると、微妙な違和感を覚えるのは何故だ?
前回はココから指定席車に乗ったのは私1人でしたが、今回は新幹線
から乗り継いできたようなナントカツーリズムの団体さんが居ますね。
…また先に車内を撮ってしまうのが賢明なようです。
…私の席は1号車の「和風車」ですが、横目で見てみると団体さんが
渡されてる整理票は2号車です。なので先に2号車の乗車位置の先頭
を確保して、一歩踏み込んだら一発で決めるのが良かろう。
そんな風にして撮ったのが右の画像です。2号車は「洋風車」と言う事
ですが基本的には「みすゞ潮彩号」の時と変わらず、テーブルの天板
やシートを貼り換えたような感じでした。車番も変わってませんね。
2号車の車端部には販売カウンターとフリースペースがあり、ココに
記念スタンプなども用意されております。…ノートはありませんか。
…では続けて1号車の車内です。こちらにも若干の乗車があったのは
意外でしたが(前回同様、殆どが下関から乗ると思ってた)、本格的に
人が増える下関までに車内の様子を押さえておきますよ。
…こちらは今回のリニューアルから新たに登場した車両で、以前は
何の変哲もナイ一般的な普通車だったのを改装したものです。
車両番号は「キハ47 7004」。…凝った内装ですが普通車です。
海側に4名掛けのテーブル席があり、山側が同様の2名席。
山側は少しだけ嵩上げされており、視界が確保出来るようになってる
のは2号車と同じですね。
…今回の1枚目は、先に2号車を撮ってすぐに折り返し、僅かに居る
こちら側のお客が着席する前に押さえましたクラ駅長です。
私の席は進行方向の海側。…コレも「e5489」で取りましたが、取って
からの変更は自由なのでいい席が出るまで繰り返した結果です。
背もたれの背後、隣席との間に畳が敷かれており、手荷物はココに
置けますし、通路側が埋まってもココを伝って出入り出来ますな。
そしてテーブル下の足元にも畳があるのは嬉しい構造ですよ。
各席にコンセントが付いたのも最近の車両らしい仕様ですね。
…そのうち社長(木村)が望んでるように、通勤電車にも吊革ごとに
コンセントが付くようになるのかも知れません。
構造上の半端が出来たであろう箇所には、2名掛けのカウンター席
もありました。…一人旅ならココを指定して取るのもイイかもね。
2両編成の両方を指定席にして余裕が出来たと言う事でしょうか、
こちら側の車端部にはお約束の特作品展示コーナーがあります。
…しかし料理(下関のフグ刺しとか)のサンプルはどぅなんでしょ?
注意力が衰えてる老人層には「車内でコレが食える」と早合点する
者が出てくる気がするんですが。
トイレは内装が新しくなってますが、特に変わった所はありません。
…バリアフリーの物に変えるのは見送られたようです。
海側は窓が大きいので、普通の景色も違った雰囲気に見えますね。
…下関は貨物の要衝でもあり機関区も健在なので、車種は限られ
ますが楽しく見る事が出来ました。
そんな感じで間もなく下関に到着します。ココから折り返していよいよ
山陰本線に入るワケですが、やはり始発駅の新下関から乗っといて
良かったわ。今回もこの区間で車内がしっかり記録出来ました。
下関では折り返して山陰本線に入る前に、長めの停車時間を取ります。
…乗客数は新下関よりココの方が多いんですよ。恐らくは小倉からの
新幹線客が含まれるのでしょう。
改めて見るに、派手なラッピングが施されております。
最近は車体に直に塗装するのではなく、何らかの方法で大きなシール
を貼る感じになるのだと思いますが、そのデザインもパソコン等でやる
んでしょう。細かい模様まで細密に描かれてますな。
…ソレだけやっといてLED方式の行先表示器は素の「東萩」って。
地元の観光協会の方が出て、オリジナルの大漁旗でお見送り。
…「歓迎」と書いてはありますが出発式みたいなもんですな。
下関の観光案内のパンフレットなどが配布されておりました。
記念撮影の人がなかなか途切れないので、風景として撮りましょう。
後で分かったんですが、この大漁旗(もどき)は各駅で違うデザイン
の物が用意されてる感じでした。
私の席は1号車の和風車です。テーブルが大きいので、同席者が
居ても意外と気になりません。向かい側の席のおばさん2名は、
どうやら特牛で降りるような話をしてますので、以後は空くでしょう。
先程の下関で、観光パンフレットと併せて右のような紙製の旗も
配られていました。…パンフレットは要らないから断りましたが、
コレだけ頂いてあります。
コースターも乗車記念の物だそうですが、ノンビリ走るので実用
しなくても飲物がズレる事はなく、そのまま持って帰れそうですよ。
幡生から山陰本線に入ると、ものの10分程度で車窓の左側に日本海
が広がります。…瀬戸内側は殆ど市街地化してるのに、こちらは一転
した感じで鄙びた風景なんですよね。
では東萩まで約2時間半。「○○のはなし」の旅を楽しむ事にしましょう。
…景色のいい所で徐行や一旦停止のサービスがあります。
国鉄時代の高千穂線などでは、全くのアドリブでやってたとも聞くん
ですが、流石に山陰本線では無かったものと思われます。…今より
列車本数は多かったでしょうし、普通に先を急ぐ客が乗ってたでしょ。
見てるとカナリ透明度の高い海である事が分かりますね。
…今はもぅ、山陰の海岸に沿って通しで走る列車は「トワイライト瑞風」
ぐらいなんでしょうか?小倉〜益田が優等列車の空白地帯になってる
のはホントに勿体無いと思います。
ココで予約しておいた昼食のお弁当が配られました。
名称としては「みすゞのふるさと弁当」と言う商品で、完全予約制です。
炭水化物が少なめなので酒のアテにも良さそうな内容です。
…観光列車で提供される食事って、ソノ列車ごとに予約システムが
違いますでしょ。ココは担当するお店に直接電話して申し込むんです。
まず列車の指定券を入手して、お店(恐らくは下関の料理屋さん)に
電話してみました。
…女将さんか御隠居さん的な年配の女性が出て、ビジネス対応として
は怪しげな受け答えだったんですが、無事に予約が通ってましたわ。
食事をしつつも気になるのが、サービス一旦停止の技術的な扱いです。
運転席を覗いてみたら、スタフには停止場所のキロ程と時刻が明記
されています。
そうなると見つけたくなるのが停止目標ですね。
…スタフに記された時刻を元に前方を凝視してますと、オリジナルに
作られた停目が見て取れました。
完全に時速0kmなのを確認しました。…「だから何だ?」と言われたら
ソレまでですが。ココは前方の海岸に夫婦岩が見えるスポットのようで、
車内放送でアテンダントさんの案内が入ります。
そもそも日本人は「やおよろずの神」的な発想なので、大小並んだ岩
があれば大抵が夫婦岩なんですがね。…そして棒状の岩は男性器で
割れ目がある岩は女性器かい。
帰って過去の記事を見返したら、停止目標も夫婦岩も「みすゞ潮彩号」
の時に撮ってましたわ。…3年も経ったら忘れてるって話なんですが。
同じタイミングで配られたお弁当は周囲の殆どの人が食べ終わってる
感じですが、時間があるんだからノンビリ頂けばいいかなと。
そんな感じで「○○のはなし」の旅は続きます。2号車の売店で何か
飲物を探してみましょう。
こちらは「みすゞ潮彩号」当時と比べると大幅にリニューアルされて
おります。恐らくは置いてある品数も増えてると思われますが、逆に
フリーで僅かながら販売されてた小倉駅の駅弁はなくなりました。
…短かい方の側面にゴミ箱があるんですが、周囲のと同じ壁紙を
貼ってあるので、目立たなさすぎて困ったりしませんかね?
料理が酒のアテっぽい内容でもあるので、また地ビールを2種類
買ってきて、軽く飲みながら頂く事にしましょう。…SLやまぐち号の
時と同じく、販売許可の関係で抜栓しての提供になるようです。
列車は意外と小まめに停車しながら走ります。
…元は全く無改造&普通乗車券のみで乗れる自由席車が付いてた
ワケで、土日ダイヤの便利な快速列車として使ってた地元の人も
居た筈ですが、2両とも指定席化して以後はどぅしてるんでしょうね?
滝部から行ける門島大橋も、実は行ってみたいスポットの1つですし
例の特牛は駅ノートと猫ヨシヨシが両方楽しめると聞いております。
…いつか具体的に計画しないといけませんな。
同席のおばさん2名は特牛で降りました。…何の用なのかは謎です。
山陰本線ってのは基本的に、海岸沿いと内陸部の繰り返しなので、
ドコを走ってても飽きない&日本の鉄道旅行の原風景みたいな感じ
が楽しい所です。
…季節的にそろそろ稲刈りの時期なんですね。関西より少し早いわ。
現在の下関〜益田は、このような観光列車を除けば普通列車のみの
区間であり、運転間隔もソレほど密ではナイと思うんですが、意外と
上下交換で停まる印象です。
…上下の列車が同時に進むと近づく速度は概ね倍になる事から来る
錯覚なのでしょうね。「普通」のみの方向幕が懐かしいですが。
アテンダントさんが日付け入りのボードを持って、記念写真の撮影に
回ってきました。撮って貰ったのはイイけど、やはりイメージ通りには
行かないので、全部終わってボードが空いたら撮り直し。
…長くやってると、自撮りにもすっかり慣れてしまいましたな。
そんな感じで下関を出て約2時間で、ようやく長門市に到着しました。
…海の向こうに伸びてるのが、仙崎半島(…と言うのか不明)から
繋がる青海島ですね。周知の通り、長門市から仙崎までは2.0km
の路線が、山陰本線の支線として存在します。
前回の「みすゞ潮彩号」はココからその仙崎支線(通称)へ入って、
仙崎が終点だったワケですが「○○のはなし」の話はココで数分間
停車した後、そのまま山陰本線を東へ向かいます。
ココで半分ぐらいのお客が降りた感じでした。恐らく仙崎の町の方
を見に行く人なんだと思われますが、車内が空くのは結構な話。
…駅にある「○○のはなし」用の駅名票は、他の駅も同様ですが元の
「みすゞ潮彩号」用をそのまま使い回して表示のみ新しくした物の
ようです。
薄幸の女流詩人、金子みすゞの詩が添えてあるのも同様ですね。
…私は近代文学には疎いのですが、意外とシュールなのが多いわ。
長門市でも駅の皆さんがオリジナルの大漁旗もどきでお見送り。
発車すると車窓の左手に仙崎支線が見えます。
往路便はこのまま東萩へ向かいますが、復路便は長門市でスイッチ
バックして仙崎に向かい、同駅で30分停車するようです。
…だから復路便は全区間を乗ると3時間超の長丁場になりますね。
こっちの方がお得なのでしょうが、流石に付き合い切れません。
ココで何となく扇風機の事が気になったので、少し見てみます。
要するに車内が「ちょっと暑いな」と感じたからなのですが、私が乗る
1号車の和風車は、天井に欄間に似せた格子が作られているので、
ソノ中に上手く隠してある感じでした。
…でもスイッチは昔ながらの物。周囲と同じ壁紙で加工され、恐らく
ネジまでソレに合わせた色にしたと思われますが、頑なにそのまま。
じゃあ2号車はどぅなのか?
こちらは真ん中に照明器具をマトメであるので冷房の室内機と千鳥
配置にした感じで、コレまたよく見る扇風機が付いてます。天井の色
に合わせて全体が白く塗ってあるのがお洒落ってばお洒落かな。
…そしてスイッチ。よく見るアレが、また周囲の壁紙と合わせた柄で
設置されてますが、こちらはレンガ積みのような柄だから、パターン
まで合わせないと不自然になります。…その点も見事にクリア。
ここまで努力して頑なに「元からある扇風機とスイッチ」に拘る理由は
何なのか?
…カネを掛けたいのか節約したいのか分からない「○○のはなし」の
扇風機の謎は未だに解決しておりません。
長門市を出るとココからが観光列車として の未踏破区間になります。
…要するに「みすゞ潮彩号」の部分に萩が加わったようなものだから、
宣伝する側もやはりソレを「推しポイント」と考えてるらしく、車内にも
萩市の観光パンフレットなどが置かれてますね。
加えて「○○のはなし」と言う列車名も「は…萩、な…長門、し…下関」
に因んだ物だという説明がありました。
萩は城下町として、幕末に多くの有名人を生んだ土地として知られて
います。私は大学の時の写真部の合宿で一度行きましたわ。
…その萩市に入って幾つめかの三見駅で、例の豪華列車「トワイライト
瑞風」とすれ違うという事がアナウンスされました。
…気合いを入れて構えてみましたが、こんな感じで精一杯でした。
ちなみに瑞風を待たせてこちらが通過するというダイヤのようです。
まぁ一般的な観光列車以上にノンビリ走るものだからね。
あ、基本的な事を伺いたいのですが、列車の両端にある派手な装飾
の部分は展望デッキですよね?…そもそも人が出て立ってるのを
見た事がナイのですが、アレは実用的なものではナイのかしら?
そんな感じで萩に到着。…終点の東萩の1つ手前の駅です。
行った事がある人なら御存知の事になりますが、萩の町の中心街は
萩駅より東萩駅の方なんですよ。当然に駅の規模も東萩の方が大きい
ワケですから、かつての「鹿児島と西鹿児島」みたいなもんでしょう。
…ココに新幹線が通ったら東萩は「萩中央」って駅名になったりします?
停車時間が短かいので詳しく見る事は出来ませんでしたが、萩駅も
レトロな木造駅舎です。実際に駅として使われてる部分はソノ一部
であり、残りは資料館みたいな感じになってるそうな。
…駅ノートも空白地帯なので「ついでの用事」ってのが難しいのですが
ちょっと興味ありますね。
こちらでも地元の方が見送って下さいましたが、奥手にトワイライト瑞風
の横断幕も同居してるのが笑えます。…つい何分か前の筈だわな。
そんな感じで「○○のはなし」ですが、終点の東萩に到着しました。
…結構な距離を走ったような気がたんですが、地図を見返してみると
山口県の日本海岸を半分程度来ただけなんですよね。地元から遠い
地域の事になると、どうも距離感覚が狂う気がします。
下関で折り返して山陰本線に入ってから、シックな赤色の2号車が先頭
だったワケですが、この列車に限らず終点に着くと、ライトの切り替えが
早すぎる気がしませんかね?
前照灯点灯の状態で最後に撮りたかったのが、もうテールランプです。
先述の通り、萩は「山陰の小京都」と呼ばれる城下町です。…20年ほど
前に来た時の記憶では、駅はこんなにキレイじゃなかったような?
時間があれば幕末の史跡とか巡っても面白い所なんですが、ブログの
ネタとしてドノ程度ウケるのかは謎です。
…基本的に「鉄ヲタは観光しないもの」と言うアタマがありますもんで。
てか今回はココから長門市まで戻り、美祢線経由で厚狭に出て山陽
新幹線でそのまま帰ってしまう予定なのですよ。
東萩での折り返しは6分しかナイし、長門市も乗り換えが1分だから
接続が良すぎて面白みの少ない行路ではあります。
…そんな感じですぐに下りの普通列車に乗ります。駅前で上の2枚を
撮るのが精一杯でしたわ。
と言う事で今回は山口県の観光列車を2本、意外と効率よく回れた
旅だったと思います。
…SLやまぐち号は兎も角「○○のはなし」の枠はまた何年後かに
リニューアルするかも知れませんね。そうなったらまた訪れてみる事
にしましょう。
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