全国「ネタ列車」乗車報告 #081
Train Reports #081

 鉄 道 会 社  列  車  名  乗 車 区 間  乗車年月
JR西日本 SLやまぐち号 A (D51200+35系) 新山口→津和野
2019/09
2017年から牽引機、客車ともに新しくなったSLやまぐち号。3年ぶりに乗って来ました。 




2019年9月の事、観光列車特化した旅として土曜日SLやまぐち号
に乗り、下関へ移動して一泊。翌日曜日「○○のはなし」に乗り継ぐ
行路を組みました。

3年前にも似たようなルートで回りましたが、今回はSLやまぐち号
往路便に乗ります。現在は牽引機D51200号が加わり、客車も新しい
車両
に替わってるので、コレを楽しみにしてきたんです。

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奈良6時に出て京都発0743「のぞみ97号」に乗りました。この列車
名古屋始発ですがSLやまぐち号新山口発1050なので、東京発
0616
「のぞみ3号」でも間に合います

宮脇俊三氏の著書によると、運転開始当初1000発だったそうな。
当時の新幹線「ひかり」の所要時間では、東京発0600一番列車
「ひかり21号」でも間に合わない計算になります。

だから東京の人が乗りに来るには、前泊するか前日の寝台特急にでも
乗るしかなかったワケですね。

新幹線が速くなったから「発車を少し繰り下げれば東京からでも日帰り
出来る
」って事で決まった発車時刻だと推測してるんですがね。

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新幹線新山口に着く直前側線で待機する機関車の姿が少し見えた
ので向かい側の上りホームへ行ってみると、架線柱の隙間からですが
煙を上げてる蒸気機関車が確認出来ました。

SLやまぐち号1番線から発車します。ホームへ向かうエスカレーター
にも元祖牽引機C571号のイラストがありますが、客車は何故か青い
12系風の物でした。…見慣れた編成ってばソノ通りなんだけどね。

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ホームでは駅弁が売られてました。…新山口の駅弁も確か、製造元
広島に統合されたと記憶しておりますが、細かい事気にしません

記念写真用の制服制帽がありますが、コレはどぅ見ても子供用だな。
私が本気を出すとリアルすぎ威力業務妨害になる恐れがあります。

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先に停まっている普通列車が出たら、いよいよSLやまぐち号入線
します。扱いとしては臨時快速なんですが、コレは運転開始当初から
変わりません。…急行料金ぐらい取ればイイのに。

機関車止まる辺りは、危険防止のため既にロープが張られてますが、
コレは水撒きホースリールではナイのか?

ともあれ私は少し考えがあって編成の後ろの方で待機します。

私は子供の頃から含めると3度目の乗車になるので、機関車より客車
の方が気になる
ワケです。殊に今回は2017年から運用が始まった
新しい客車を楽しみにしてきました。

SL全盛期オハ35系客車などをモチーフに新造された特注車
中古改造の多い観光列車の中では逆に異質な存在です。

折角だから再現された一等車(現在の扱いとしてはグリーン車)に
乗りたかったワケですが、席数が少なく10時打ちに失敗したんです。

建前としてはグリーン券を持たない客は入れませんが、新山口駅
停まってる間のドサクサで、車内だけ撮ってしまおうと言う算段です。

…ソレは別にしても画面に人を入れず、尚且つ散らかってナイ状況で
車内を撮るなら、入線直後が一番イイのは当たり前。機関車は後から
途中駅でも取れますからね。

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…と言う事で編成の後方最後尾の1号車が止まる位置で待機して
おりました。程なくしてSLやまぐち号が推進運転で入線

予想してた通り前方はロープで規制されてても大混雑ですが、後方は
ガラ空きです。自分の指定席2号車なので、荷物を置いてから行動
するにもココで待ってた方がいい。

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戦前特別急行(敢えてこう表現しますが)の最後尾に連結されて
いた展望車マイテ49型を基に再現された車両です。現在で言えば
新幹線のグランクラス以上のステータスだった車両ですよ。

本来なら山口線ごときの快速列車には、間違っても連結されません
…てかJR西日本本物のマイテ492を持ってた筈なんですが、そう
言えば最近は見かけなくなりましたね。

展望デッキ手すり安全性を考えたのかオリジナルより高めです。
扱いとしてはグリーン車ですが、マーク遠慮がちな小さい物でした。
他の車両も同じですがドアボタンが装備されてるのが現代的ですね。

20191014e.JPG形式はオロテ35となります。
…元々国鉄には35番台の形式の
客車が存在しますが、当たり前の
事ながらソレとは全くの別物なので
4000番台の製造番号が振られる
事になりました。

他の号車も同様ですが色々と仕様を
変えた結果、5両編成の全て個別
の形式になったようです。

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車内は基本的に3列配置リクライニングシートですね。肘掛け
アタマ全体を覆う白いカバー現代では見かけない物です。

戦前の一等車は、豪華なソファー回転椅子ロングシート状
並ぶ配置だったようですが、流石にソレは現代にはそぐわないか。

当時は一等車の客層なんか政治家華族財界人などにが限られて
おり、乗客同士の社交の場でもあったのだと思われます。…そもそも
リクライニングシートってのは日本では戦後になって導入された物だ。

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車端部には、少ないながらボックス席がありました。4名用2名用
があり、左の画像は後者です。…回転リクライニングしませんが、
三等車よりゆったりしたソファーなのは、ある意味リアルですね。

最後部展望室と展望デッキです。展望室定員含まれないフリー
スペースだそうな。…そもそも展望デッキは、始発駅で偉い人
見送りの衆挨拶するための物だったので、実用品ではありませんが。

…と、車内に入って3分程度。カナリ慌ただしかったけど、何とか撮れ
ましたかね。やはり一度はホントに乗ってみたいもんです。

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SLやまぐち号客車だけだと5両編成津和野方5号車です。
その5号車にも一等車と同じような展望デッキが設けられており、
津和野発復路便眺望が楽しめるようになってるようですね。

形式はスハテ35という初めて聞く物。やはり4000番台の製造番号が
振られております。…各地の観光SL用量産したら面白いのに。

古い客車にありがちな感じで、車重表記等は妻面でなく乗降口付近
に書かれております。…細かい所こだわったもんですな。

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車内35系客車より1世代古い32系客車をモデルにしてあるので、
木製の背もたれ2連の狭い窓が並ぶ仕様になっています。

当時を知ってる人の著書などを読むと、窓が広くなり背もたれにも
モケット
が貼られた事は、画期的な進歩だったそうな。

展望デッキ機関車の直後であるためか閉鎖されています。
後で分かったんですが復路では一等車のソレが閉鎖されるそうな。
開けるとススだらけになるのは必至でしよう。

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と、ココまで見たら反対側から機関車編成全体を撮りたくなり、
跨線橋を渡って向かいのホームへ行ってみました。

…ついでに客車の屋根を見ておきますと、旧型客車風の丸屋根
通勤電車用みたいなエアコンの室外機が埋め込まれています。
ベンチレーター機能してるのか単なる飾りなのかは不明ですが。

障害物ない状態蒸気機関車堂々たる躯体が見えてきました。

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まずキャブ回り編成全体を押さえておきます。牽引するD51200号
は、言わずと知れたD51型デゴイチ標準的な仕様の機関車です。

本来は貨物用なので、従来のC571号(貴婦人)に比べるとデブっちい
シルエットですね。…まぁ山口線山岳路線なので、実はこっちの方が
イイ
のかも知れません。

機関区の札[梅]梅小路のままか。昔はソノ都度[郡]小郡
差し替えてたように記憶しておりますが、よく考えたら今は駅名から
して「新山口」変わってしまったからなんですかね?

…ともあれ続けてこのまま向かいのホームから、後に続く客車も見て
いく事にしましょう。

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機関車は先述した通りD51200号京都梅小路に残る、動態保存機
の1両です。…本来は貨物用の機関車ですが勾配のキツい区間では
旅客列車も担当していました。

山口線という路線の性格を考えた場合、やはり津和野に向かっての
上り
勾配になり、場所によっては25‰程度の坂が連続しますから、
レギュラーC571号より向いてるのは事実でしょう。

続く5号車スハテ35型屋根ダブルルーフで、狭い窓リベット
打ちのウインドシル再現されています。…芸が細かいですね。

窓のない部分車椅子対応のトイレなどがあり、乗降ドア他の客車
より広く
作られています。この辺りは現代的ですな。

復路便では最後尾になるから展望デッキがあるんですが、編成の
中間とか、変な位置横棒が沢山あると、オヤ31建築限界測定車
を思い出すわ。

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4号車オハ35型。コレだけがオリジナルの形式被る名称ですが
勿論別物なので4000番台の製造番号が振られています。トイレ以外
特殊な装備無く窓が9区画あるので定員は72名です。

オリジナルオハ35型11区画88名だから、カナリゆったりした
シートピッチ
なのでしょう。転落防止幌現代的ですね。

とココまで来たら、入線してきた普通列車遮られてしまいました。
しかし旧型客車をバックにした首都圏色の気動車ってのも、ある意味
国鉄風味イイ絵になってます

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仕方がナイので、そろそろ車内に入りましょう。私の席は2号車です。
形式はスハ35型「ス」…とワンランク重いのは、サービス電源用
発電機を積んでるからなんですよ。

一等車10時打ちには失敗しましたが、三等車には余裕があったので
「e5489」
指定券を予約してきました。

但し観光列車に関しては座席シートマップから選べませんので、
いい席(窓側で進行方向)に当たるまで変更を重ねます。

相席爺さん小さな男の子です。…私も初SL父親に連れられて
乗った初期のやまぐち号でした。しかし男の子は発車前からヘッドホン
してタブレットゲームに興じており、特に鉄ヲタではナイ模様。

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車内も当然に原型オハ35型再現して作られています。…当たり前
ですがまだ新しいので、明るくてキレイですね。床など木製ですが
材料は不燃化の処理が為されてるそうな。

そしてテーブルがある分、シートピッチは広めに作られてるようです。

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車内の照明白熱電球(又はソレっぽい色の何か)です。
現代では実用的とは言い難いですが、基本的に夜間走らないだろう
から、暗いのはトンネル通過時ぐらいに限られますわな。

車内に貼られた鉄道地図は、よく見たら昭和9年の文字がありました。
流石にコレも復刻版でしょうが、鉄道路線そのもの今より充実してる
感じがします。…戦前の黄金期だわな。

と、ココまでが概ね「古い物上手く再現したなー」編。
ココからは、随所に巧妙に隠された現代の装備をマトメてみました。

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客車製造したのは、第三セクター会社気動車などを多く手掛ける
新潟トランシスです。外観は昔懐かしい旧型客車ですが、ソノ実体は
現代の安全で快適な装備を盛り込んだ新型車なんですよ。

他人事だから正確には分かりませんが、この車両設計&施工した
エンジニアさんは、大変な反面めっちゃ楽しかったんではナイかなと
思います。瑞風四季島を押さえてブルーリボン賞だし。

銀河鉄道999も実現したら車両は新潟トランシスが作りそうだな。

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下回り黒く塗られているので分かりにくいですが、台車は今時の
ボルスタレスタイプだし、動力を持たない客車なのでスハスハテ
床下にはサービス電源用ディーゼル発電機があります。

昔の物に比べれば静かになりましたが、やはり音と振動は感じます。
ソノ甲斐あって、全てのボックス席電源コンセントが付きました。

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トイレ洗面所も、内装は細かいタイル昔の雰囲気を出してあり
ますが、装備は現代的な物ですね。

余談ですが現代でもよく見る和式便器は元は鉄道車両から始まった
物だそうで、発案者は例の島秀雄氏なんですよ。

各車両の端っこには荷物スペースがありますが、ココも埋めず
ヨロイ式の日除け閉まった状態にしてあります。外からの見た目
統一されていい感じになりますな。

続いて編成の真ん中に当たる3号車には売店や フリースペースがある
と言う事なので、ソレも見に行ってみましょう。

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車両の解説から漏れてしまいましたが、客車のドア古い感じ
見せかけてありますが自動式の引き戸です。しかもドアチャイム
半自動の押しボタンつき。停車駅冬場は半自動になるのかしら?

3号車床下機器少なかったのか、ワンランク軽い「ナ」になります。

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車両の半分ぐらい2号車などと同じタイプの普通席で、もぅ半分が
売店展示スペースになってる感じでした。

…昔は車内販売SLのグッズなどを売りに来たもんですが、売店
として構えてしまえば「ココに買いに来い」って感じでなんでしょう。
悪い事だとは思いません

駅弁ありません新山口でソノ説明とともに売ってた)が、地ビール
などの飲み物があるらしいんで、後で買い来る事にしましょう。

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展示スペースには、お約束の鉄道用品沿線の勾配などの説明、
そして蒸気機関車が動く仕組みを表した模型などがありました。
ゆっくり見るには騒がしすぎる気がせんでもありませんが。

本来なら窓を埋めてしまうような場所も外観上は同じ構造にして、
ヨロイ式の日除け閉めた状態に統一されています。

…この日除け普通車の座席にも同じタイプの物が装備されている
んですが、「開ける・閉める」2択しかないワケですよね。ソレを
理解できず「途中で止まらんの?」みたいな人を何人か見ましたが。

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子供さん向けの退屈しのぎ用なのか、ゲームコーナーがありました。
…しかし自由に遊べるではなく一等車のお客が優先的に全員
普通車抽選で当たった者がプレイ出来ると言う事だそうな。

面白そうではありますが1人で頑張っても仕方ないと思われ、私には
どっちでもイイ感じかな。コレも後で様子だけ見に来よう。

そんな感じで長らく引っ張りましたが汽笛一声…ようやく新山口駅を
発車
しました。

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流れて行く様子が、いかにも蒸気機関車牽引の列車ですね。

当日は晴れたり曇ったりのお天気ですが、新しい客車には恐らく
紫外線カットのガラスが使われてると思われ、一々青く写ってしまう
ですよ。…コレまた一々画質調整しながらアップしております。

車端部の壁地図スペース)の片側液晶モニターになっており、
路線図停車駅が表示されています。…この装備要るかな?
どうせならSL全盛期古い動画とか流せばイイような気もします。

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列車は湯田温泉山口と停車していきます。何れも停車時間短かい
ので、外に出て撮る余裕殆どありません

客車の乗り心地ホントに快適ですね。冷房利いてるし、揺れ
少ないし。…ってかソレはソレで逆に物足りなく感じるワケですが。

あと意外だったのが誰も窓を開けようとしない事。…旧型客車再現
してあるワケだから勿論開くんですが、私は開けたいのに開けにくい
じゃないですか。快適すぎて皆さん忘れてるんでしょうね。

20191022e.JPG 沿線は彼岸花コスモスの季節です。
やはり随所に撮り鉄の皆さんが多く
出ておりました。

Twitterフォロワーさんにも撮り鉄
好きな方は多いのが現状ですが、
まずいい場所を探してカメラを据え
日に1往復しか走らない物を撮る
とか、私はあんな忍耐力の要る事は
出来ません

総じて運が悪いから何らかの支障に出くわす事(鳥が横切ってボツ
とか)になるだろうし、ブログを書くにも駅ノートより効率が悪い

20191022f.JPGそしてアテンダントのお姉さんが、3号車
ゲームの抽選
に回ってきました。
…しかし運が悪い筈が何と当選
見てると半分程度が当たる感じですが。
元々やる気がナイので、目の前の男の子
進呈しておきました。…てかこの子
テンション余りにも低いので、ちょっと
席を外して欲しいなと思ったんです。

初めて乗った小学生の時は、途中で喧嘩
でもしたようなカップル相席だったし、私の
「やまぐち号」は何故か、テンションの低い人
相席になる運命のようです。

快速列車指定席なんてどうせ安い(520円)んだから、4席買い占め
れば良かったな。次からそうしよう。

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ともあれ続く仁保駅では、少し長め停車時間が取られていました。

ココまでなるべく人を入れないように撮ってきましたが、全体的には
9割程度の乗車率だと思われ、狭いホーム見物人で溢れています。

機関車としても、これから先の峠越えに向けて小休止を取りつつ
軽いメンテナンスが必要なようですね。

そんな感じでSLやまぐち号の旅は続きます。…そろそろお昼なので
お弁当
にしましょう。

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始発駅新山口で買ってきた「SL弁当」です。…記録を見たら前回
コレを買ってたようですが、3年も経てば忘れてるって話ですよ。
「新山口名物」と言いつつ先述の通り、製造は広島のようですね。

と、3号車売店地ビール2種類買ってきました。…「カップ要り
ますか?」と聞かれたけど何故か断ったのでラッパ飲みです。

缶ビール瓶ビールは、そのまま売ると「酒類の販売」に当たるので
税務署の許可が必要です。飲食店営業許可で売るには栓を抜いて
可能ならカップに注ぐ必要があるんですよ。

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テンションの低い子供を連れた爺さんは、私が進呈したゲームの
プレイ券を持って席を外してますので、少し窓を開けてみました

昔の客車には冷房無く夏場窓を開けるのが当たり前。そして
トンネルが近づくと一斉に「閉めろー!」となってたワケですね。

SLやまぐち号12系の時代まではソノ光景が見られたんですが、
客車新しくなってエアコンより快適になると、乗客側にもソノ
発想がなくなるようです。

給水塔が残る事で有名な篠目駅すぐの発車でした。
列車の向きからしても、ココで給水塔を入れて機関車を撮るには
復路便
の方がいいようです。

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ココでその3号車ゲームコーナーを覗いてみました。…SLを運転
する物と釜焚き(炭投)を体験する2種類があるんですね。

前者は「電車でGo!」みたいなもんでしょうか?…確か同じシリーズ
「汽車でGo!」ってのもありましたが、難かしかったのを覚えてます。

釜焚きの方は、スコップ石炭を投げ入れる動作をすると、ドコかに
あるカメラソレを感知して、状態の良し悪しを判断するようです。
無駄にハイテクと言うか、開発の手間だけでも大変な話でしょうね。

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列車を越えて津和野の盆地に入り、地福で停車。ココでも若干の
撮影タイムが取られています。

駅舎へ回る踏切から機関車が撮れるのと、向かって左側のステップに
立って記念撮影する程度の事可能なようでした。
…線路脇の「地福駅」の看板はソレ用の物。ハッキリ言えば邪魔です

40年前キャブに入ったり釜の前に乗ったり、もっと「やりたい放題」
だった気がしますが、流石にそんな時代ではナイのでしょう。

平地に入って軽やかに走る感じになったSLやまぐち号は、もう少しで
終点津和野に到着します。を越えて津和野の盆地に入ったら、
やはり軽やかに走ってるような感覚になってますね。

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季節実りの頃ですね。…稲作の作業○○前線などと同じように
西から順に北上して行くだろうから、関西より早い感じがしました。

津和野の町に入る直前、山の中腹に見えるのが有名な津和野の稲荷
神社
です。…津和野へは何度か来ましたが、単純に登るのが面倒
所なので1回ぐらいしか行った事ナイですけどね。

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そんな感じで定刻に終点の津和野に到着です。…通り一辺倒の客
「さぁ着いた着いた」とばかりに早々に改札口出てしまうワケですが、
私は編成全体ノンビリ見返しながら降りる事にします。

…改めて一等展望車を眺めてみますが、手すりの高さ以外はホントに
忠実に再現されてるもんだと思いました。

コレ1編成山口線を走ってるだけなのはホントに勿体ない話だと
思います。…食堂車込み10両編成ぐらいにして、東海道本線(東京
〜神戸)
を走らせても面白そうですよね。

機関車EF210あたりをベースにして、EF58もどきを作るとか。

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見落とされがちですが前後マークのデザイン違う所も押さえて
おきましょう。…ヘッドマーク山口県県鳥でもあるナベヅル
テールマークは、山口市瑠璃光寺五重塔(国宝)だそうな。

先頭機関車D51200号には、まだ仕事が残ってるようなので、ソレ
見学してから改札を出る事にします。…事情を分かってそうな
鉄ヲタさん数名残ってる程度で、構内はすっかり空いております

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要するに客車入れ替え作業ですね。元は入れ替え用の小型機など
専門的にやってた作業かも知れませんが。

まずは着いたままの向きで客車全体牽引して、本線益田方向
移動最後の分岐器を過ぎた所まで進みます。

本線上入れ替え作業をするってのは、保安的には不本意かも
知れないのですが、ダイヤが薄い所だから大丈夫なのかな?てか
元は沢山あったと思しき側線も、殆どのレール外されてる感じだし。

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そのまま推進運転(バック)で、ホームのない1番線に入ります。

…現在の津和野駅島式ホーム1本だけの駅であり、ソレに当たる
2番線3番線定期列車が発着しますから、客車避けておく必要
があるのでしょう。

ようやく定位置に停まった状態で、編成全体キレイに撮れました

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客車留置線の定位置に置いたら、今度は機関車が切り離されて
単機走行になります。

話は反れますが、昔から途中駅分割併合(又は増解結)する列車
ってのは幾つもあったでしょうが、客車列車併結作業をする場合は、
どちらかが推進運転停まってる車両に近づくワケですよね。

機関車から遠い位置連結するのは相当な技術が要りそうな話です。

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牽引機が外されて、ようやく妻面を見る事が出来たスハテ35型
往路便だと展望デッキ一等車の客しか入れないので、三等車
乗りつつデッキも楽しみたい人復路便がオススメかも知れません。

機関車は再び本線上益田方向へ向かいます。…この後、奥手に
見える転車台へと向かうワケですが、直接は入れない線形なので、
まずスイッチバックして側線に入るのです。

20191025e.JPG 20191025f.JPG

戻ってきた機関車跨線橋の真横を通過するのはカナリの迫力です。

そして駅舎とは反対側側線で一時停止。
幾らでも見られた光景かも知れませんが、そもそも電車気動車
ばかりになった現在では、こうした入替作業貴重なシーンですね。

折角なので待機中のキハ40と絡めて撮っておきました。

20191025g.JPG 20191025h.JPG

更に前進してようやく転車台津和野機関区跡地)に向かいました。

ココで向きを変えて復路便の列車に備えるワケですが、その前に
約90度の方向でピットのある線に入り、石炭や水の補給を行います。

転車台の光景は、前回に来た時にC571号でも見学しましたので今回
割愛します。…近くに見えるけど歩くと意外に距離があるんですよ。

真横を向いた状態で見るに、この転車台D51型でも目一杯です。

そんな感じで実際に列車が着いてから20分ぐらい構内に居座って
しまいましたが、特に何も注意されず改札を出る事が出来ました。
駅の方も恐らく、そういう客には慣れてるんでしょう。

津和野から復路便に乗る場合は、列車が完全な形になるまで改札を
開けませんので、入替作業を見るなら往路便がいいでしょう。

…何事も一長一短ですな。まぁ往復乗っちゃえば問題はナイんですが。
さて一通りの取材終えたので私も小休止です。

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待避線客車復路便に向けて車内整備が行われておりますが、
帰路5号車スハテ展望デッキ最後尾になるので、ココは特に
念入りに拭き掃除が為されてました。

それと一等車座席カバーは、1往復ではなく片道ごとに取り換える
ようです。片道が2時間半ほどの運転時間ですから、コレは昔の本物
より贅沢なんではナイか?

津和野駅には規模に似合わず駅蕎麦屋があり、駅弁も売られてます。

…やはり観光需要を見込んでの事でしょう。まぁさっき食べたばかり
なので麺類遠慮して帰路用の駅弁を買いました。

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駅前はソレほど変わってナイかな?…と思ったら、元は駅舎の脇
あったD51型静態保存車が、駅前広場の真ん中に移されてました。

SLやまぐち号復路便が発車するまで時間があるので、駅周辺
まだ静かな感じです。…前回の経験からすると段々と人が集まって、
グッズ販売の屋台が出たりしてたんですが、まだ早いのかな?

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…今回は約1時間後に出る特急「スーパーおき3号」新山口に戻り、
山陽本線下関まで移動して宿泊の予定です。

この辺りいいお天気ですが、日本海側結構な雨が降ってるらしく
15分ほど遅れて到着しました。

遅れが大きいので、新幹線接続を行わずの発車になってます。
私は山陽本線普通列車に乗って、この後は下関泊まるだけなので、
特に支障はありません。で新山口で乗り換え列車を待ってますと…

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視界の端に蒸気機関車が見えたんですよ。SLやまぐち号が戻って
くるにはまだ時間が早いので不思議に思ってますと、元祖牽引機
C571号でした。

DD51に牽かれた無動力回送のようですから、恐らくは京都の梅小路
整備を受けて戻ったきたものだと思われます。…ともあれ遅延した
お蔭で珍しい物を見る事が出来ました。

…しかし新しい35系客車は、コレがSLやまぐち号1編成だけって
のは勿体無い気がしますよね。

繰り返しになりますが、折角だから量産して他の観光SLにも使うか、
単品でディーゼル牽引でも充分に楽しめる車両だと思いますよ。



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