全国「ネタ列車」乗車報告 #067
Train Reports #067

 鉄 道 会 社  列  車  名  乗 車 区 間  乗車年月
樽見鉄道 薬草列車 大垣→樽見
2017/05
近いんだけど予定が合わず、ようやく参加出来た樽見鉄道の「薬草列車」です。終点の樽見では温泉入浴も付いた、楽しい観光列車ですよ。 




2017年5月、コレまた比較的近場のネタという事で樽見鉄道の薬草列車
に乗ってきました。
 
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同社の薬草列車5月〜11月木曜と金曜に運転されています。
土日の設定がナイという珍しい状況ではありますが、なかなか予定が
合わず
先延ばしになってたんですよ。

冬場に運転される同趣旨「しし鍋列車」には申し込んだのですが
コレはソノ日の分が定員割れで開催されなかったりもしました。

という事で、ようやく来れた大垣駅からスタートです。

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当然に事前予約制なので、電話で予約して振込用紙を送って貰い、
代金を振り込んだら参加証と案内書が送られてくるという…現代では
アナログな仕組みです。

…同社の全区間に乗れる1日フリー乗車券が入ってました。
コレで大垣駅の改札を通る。帰りコレで帰ってくるという事ですな。

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定期列車前にもぅ1両薬草列車用の車両増結さけており、コレが
会場として使用されます。…516号は今では逆に珍しくなった樽見鉄道
のオリジナル塗装車
ですね。

ちなみに後方の617号は、三木鉄道廃止後に同社に引き取られた
車両で、唯一のセミクロス車でもあります。

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LED式の方向幕にも、しっかり「薬草列車」の文字が入っております。

という事で車内に入ってみると…客は見事に全員がおばちゃん層!

コレが土日開催だったら、ソレなりに家族連れなども混じるんでしょう
けどね。男性ですら私1人だけという稀有な状況です。

ともあれ発車時刻になりましたので、薬草列車の旅がスタートです。
終点の樽見まで1時間と少しの旅ですね。

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…まず乗務員さんの自己紹介から。運転士は清水さん(向かって左)、
案内役の営業社員は森下さん。森下さんはちょっとよっしー似?

ちなみに一般営業の2両目にも、乗客対応のために別の乗務員さん
が乗務します。

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…テーブル上には既に、松花堂弁当のような箱に入った薬草料理
並んでおります。
内容がイラストで印刷された掛紙が置かれているという事は、通年
(でナイにしても長い期間)で内容は変化しないと思われますが。

提供する飲食店のスタッフ乗務せず、森下さんが食前酒を配って
歩きます。ベータカロチンが多く含まれるクコのお酒だそうな。

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…一応全員で「乾杯」を唱和した後、フタを開けてみましょう。
掛紙の裏には、手描きコピーではあるものの個々の料理と食材が説明
されておりました。お茶の茶葉にはイチョウが含まれるらしいです。

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樽見線大垣を発車すると、大きく左にカーブして東海道本線と別れ、
程なくして揖斐川の長い鉄橋を渡ります。…最初の見せ場ですね。

6個が連なる大きなトラス橋は、御殿場線単線化された時に余った
やつを再利用したものだそうで、開通は昭和31年の事です。

こんな大きなモノ神奈川県からどぅやって運んだのか?

乗客の大半を占めるおばちゃん達は、幾つかのグループで座ってるの
ですが、1人だけ個人参加の私を担当者は「コイツは鉄ヲタだろう」
見抜いたのか、ロングシートの一番前を頂きました。

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大垣を発車して既に食事が始まって
おりますが、コノ手の列車にありがちな
食前酒以外のアルコールは付かない
けど持ち込みは自由」という条件に従い
今回もビールなどを買ってきました

「薬草」というと堅苦しいイメージ
かも知れませんが、天麩羅煮物
並んでるのは普通のお料理と同じ事。

気楽に頂ければイイのでしょう。奇しくも同じ大垣発で乗った、養老鉄道
の薬膳列車
の時も同じような趣旨だった筈です。

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使われてる食材に関しては、見ただけでは分かりにくいモノもあるので、
案内役の森下さんから解説があります。

ちなみに天麩羅の一番上に載ってる細長いヤツスギナだそうです。
ミネラルが多く含まれるという説明でした。

養老鉄道の時は「スギナで作ったお茶」が出てきましたよね。
大垣周辺ではスギナを料理によく使うという事ですか?

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樽見線揖斐川を渡ると、暫く田園風景の中を一直線に走ります。
車窓に見える畑なんだそうな。

…ココを完乗したのはもぅ5年ぐらい前の事。ソノ時の画像データ
何故か間違って消去したので記録が殆ど残ってナイのと…悪条件
重なってたので、今回は「新たな気分」での乗り鉄でもあります。

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薬草列車定期列車に連結されてますので、ドア扱い行いません
各駅に停まります。
北方真桑という駅に到着。ココは現在は本巣市ですが、元は真桑村
という地名で「まくわ瓜」の発祥地なんだそうです。

子供の頃よく食べたよな。高価なメロンが買えない場合の「代用品」
だったイメージですが、奈良では「マッカメロン」と発音していました。
「カッパ」と同じアクセントです。

「まくわ瓜」という正式名称を知ったのは、カナリ大人になってからだ。

20170528i.JPG…そんな事を思い出しつつ食事は
続きます
鮎の甘露煮が出てきました。

鮎料理も樽見鉄道の沿線の名物の
1つだそうで、フルコース料理往復
乗車券
がセットになった旅行商品
もあるそうな。

鮎のフルコース料理ってどんなの?

ソレにしても今日はイイお天気ですね。
新緑が美しいのどかな風景の中を、薬草列車はノンビリ走っていきます。
列車は路線の要衝である本巣駅に到着しました。…約半分って感じか?

樽見鉄道本社と車庫はココにあります。
大垣からココまでの区間運転の列車も設定されてたり、ダイヤによっては
車両の入れ替え
があって乗り換えるケースがあったり、そんな所です。

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第三セクターの会社ってのは、JRとの接点と違う所車庫を作りがち
ですよね。通勤が大変なんじゃナイのか?と思いますが。

コメントでも少し触れましたが、冬場「しし鍋列車」HPの説明
よると大垣発は変わらないものの「本巣で専用車両に乗り換え」という
一文が入っております。

申し込んだ(けど中止になった)時に電話で確認したのですが、鍋物
なので「出来立ての温かい状態で提供したい」という配慮なんだそうな。

非常に有り難い配慮ではありますが、食べる時間薬草列車の半分」
って事ですよね。…ちょっと忙しすぎないかな?現に私は、出された料理
をまだ半分も頂いておりません。…写真撮ってるから悪いのですが。

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側線には、同社の最新型モレラ岐阜(という大型ショッピングモール
のラッピングの車両が休んでおりました。…デザインは一般公募して、
最優秀賞に選ばれた地元の子供さんのを採用したそうですよ。

本巣を過ぎると、ソレまでの田園風景とは変わって段々と勾配がキツく
なっていきます

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木知原から谷汲口までは、にはキレイな桜並木になる区間。
沿線の撮り鉄スポットでもあります。…特に散り際列車の風圧
花びらが舞い、桜吹雪状態になる頃が一番人気なんだそうですよ。

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周囲を見渡すと、おばちゃん方は殆どがお料理を食べ終わっており
ました
。…私は森下さんの解説全部聴きつつ、尚且つ酒飲みながら
だし、立ち歩いて写真撮ったりしてるので、どうしても遅くなります

そんな感じで列車は神海駅に到着。…国鉄時代ココが終点でした。
確か駅名としては美濃神海じゃなかったかな?

樽見鉄道移管された後現在の終点である樽見まで延長され、
ソノ名の通りの「樽見線」になったという事ですな。
ではココから最終区間。しかし見所はこれから。という感じでした。

さて薬草列車です。国鉄樽見線時代に終点だった神海を過ぎると、
一気に景色が変わる感じがしました。

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急に山が近くなった気がしますよね。線路もソレまでのローカル仕様
ではなくなり、鉄建公団無駄に贅沢に造った高規格路線になります。

コノ辺から揖斐川源流に当たる根尾川に沿って走る感じです。
勾配も急になり、全体の殆どを後半部分で登る事になるんだそうな。
最大勾配約17.5‰ですが、森下さんは一般向けに「1.75%」と説明
していました。…おばちゃん層には、どっち道分からんと思いますが。

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そして線路は良くなりますが、樽見鉄道移管後の区間は駅のホームが
1両分しかありません。…貸切車両を連結すると、前の車両はハミ出て
停車する事になりますね。

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更に進むと蛇行する根尾川鉄橋で何度か越える事になるのですが、
徐行運転しますのでシャッターチャンスですよー」的な案内が。

定期列車こんな事してイイのかな?と思いますが、一般車両
殆ど誰も乗ってナイし、終点も近いからダイヤの乱れもナイのでしょう。

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段々と列車のスピードが落ちソロソロと鉄橋を渡ります。

確かに絶景ポイントですね。…将来的にジオラマ渓流を作る場合、
水の色や岩の配置どぅすればイイのか?最近はもぅ「模型鉄目線」
見てしまいがちではありますが、私はコノ辺で、ようやくお料理を食べ
終わりました


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…速さは時速10キロ程度でしょうか?最近ホントに増えましたよね。
この手の徐行運転。昔は高千穂線非公式にやってたぐらい?
イイ傾向だと思います。

20170601d.JPG というのは上流に行くほど幅が狭く
流れも急になって、河原の石大きく
ゴツゴツしたモノになる。

…ってのは小学校の理科で習いました
よね。最終的にへ出る揖斐川の河口
付近とは、やはりエラく違います。
そんな事を少し思い出しつつ、列車は
更に奥へと進みます
段々と標高も上がってきたようで…

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ホームより、駅へ続く階段の方が長い高尾駅。コノ辺りは冬場は結構な
雪が積もるらしいのですが、この階段の除雪が大変なんだそうです。

続く水鳥(みどり)駅の付近には、明治時代の濃尾地震の時に出来た
大きな断層が残っており、列車からも見れるのですが…「ほら、アレが
そうです。」
森下さんに説明されたものの、見落としてしまいしたよ。

…こういう所でも徐行してくれたら助かるのですが。

付近には地層を保存した施設があり、薬草列車の会員証にも割引券
が付いてるのですが、今回は時間の都合で訪問が叶いませんでした

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そんな感じで終点の樽見に到着です。大垣から1時間少しの旅でした。

やはり風景や沿線の文化などの説明をしてくれる人が居ると、単なる
乗り鉄より楽しい
もんですね。観光列車の楽しみの1つです。

どうでもイイが「NEO TAXI」って。地名の「根尾」「新しいという意味
のNEO」
掛けてあるのか?…そのセンスは決して嫌いではありませんが。

20170601i.JPG1面2線のホームの先には、車両入れ替え
用の引込線
があるだけで、行き止まりは
すぐに山の感じ。
現実にココから先道路でないと行けない
地形なんだと思われます。

薬草列車の旅ココまでですが、行程と
料金「温泉施設での入浴」というのが
含まれますので、おばちゃん方と一緒に、
送迎バスで10分程度の「うすずみ温泉」
目指します。
食事の次は温泉いい組み合わせだけど、
この天気
だと風呂上りカナリ暑そうだな。

樽見鉄道線内の行程は終わり、コノ後は温泉へ行くという事で、終点の
樽見駅
からバスに乗ります。

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案内役の森下さんから入浴券が配られ「ごゆっくりどうぞ」という感じで
お見送り…。ありがとうございました

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バスに乗ること約10分うすずみ温泉四季彩館という施設に到着です。

ココは温泉の他、ホテルやお土産屋さんなども揃ってるレジャー施設
のようです。…到着後は自由行動という事で、夕方まであと2本ある
バスで樽見駅まで帰ればよろしい。帰りの樽見鉄道フリー切符だし。

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…周知の通り、食事は列車で済ませてきましたし、取り敢えずは温泉に
入るしかナイ
ですかね?ちなみに「うすずみ温泉」という名称は、近くに
ある桜の銘木「薄墨桜」から取ったモノだと思われます。

20170602h.JPG…当然に薬草列車以外のお客さんも
居るワケですが、平日なので基本的
空いてました

そして薬草列車殆どおばちゃん層
だったという事は、男湯がガラ空き
状態
です。コレは嬉しい予想外

サウナから露天風呂から、時間の
許す限り温泉を堪能
して戻りましたよ。

20170602i.JPG帰りはモレラ号ですね。…往路で撮り
損ねた
風景や駅名標などを補足しつつ
の乗り鉄
なにるのは毎度の事。

本巣を過ぎて大垣に近づくと、 学校
帰りの高校生が大量に乗って満員に。
…ぁ、そう言えば平日だったな。

という事で、長らく掛かってようやく実現
した感じの薬草列車の報告でした。

お隣の養老鉄道ど同様「列車内で食事を出す」というジャンルに於いて
先駆者的なイメージなんですが、何年ぐらいやってるのかな?

冬場「しし鍋列車」、春の梅のシーズンには「盆梅展列車」などの企画
もあるようです。…次に行くなら「しし鍋リベンジ」かな?



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