全国「ネタ列車」乗車報告 #064
Train Reports #064

 鉄 道 会 社  列  車  名  乗 車 区 間  乗車年月
養老鉄道 薬膳列車 大垣→桑名
2017/01
毎月2回の運行でソノ道では有名な養老鉄道の「薬膳列車」。お料理だけでなく楽しいスタッフの皆さんが車内を盛り上げてくれる、オススメの観光列車です。 




2017年1月養老鉄道ですが「東海じゃらん号」大垣に着きましたので、
ココで1時間ほど待って今度は薬膳列車桑名へ折り返す事になります。

20170207c.JPG 20170207d.JPG

養老鉄道の薬膳列車は今年(取材時の2017年)で9年目、基本的に
毎週2回の運転なので回数にして700回以上利用者延べ4万人
達するのだそうです。

回数が多いので気軽に申し込めるし、満席でも次回を待てばイイだけの
話だし、奈良から日帰りで行けるから地の利もイイ。冬場のネタ不足
の時期には有り難い企画です。しかもウインターキャンペーンだとかで、
通常5000円の所が3500円で参加出来てしまいました。…3割引きです!

20170207e.JPG 20170207g.JPG

発車の10分ほど前に、ヘッドマークを付けた車両が入ってきました。
事前の準備が必要なので、定期列車が折り返すのではなく、車庫の
ある隣の西大垣から回送されてくるようです。

3両編成のうち、先頭の1両薬膳列車としての貸切になるんですね。

…どうでもイイけど、戦国武将やら果ては太平洋戦争中の戦艦まで
女体化する最近の風潮はどうになならないモノなのか?

20170207f.JPG 20170207j.JPG

車端の3人シートの部分が、料理を準備したり下げたりするパントリー

「養老改元1300年祭」という幟がありますが、コレが今年の事
養老という元号奈良時代、西暦だと717年〜724年に使われてました。
コレに関する説明(に類するモノ)は後から出てきます

20170207h.JPG 20170207i.JPG

車内はこんな感じ。ロングシートをそのまま座席にして、会議用の
長テーブルを2本配置、真ん中の通路サービス係の人たちが移動
する、明知鉄道などと同じスタイルですね。

…実はさっき、西大垣を通った時にホームに準備してあったのを
見まして「ああコレを使うんだな」と思ってた所でした。

20170207k.JPG
既にお料理が並んでおりますが、
予想以上に豪華じゃないですか!

お店の方の説明によると、薬膳料理
という事で一般には取っ付きにくい
印象があったり、精進料理と勘違い
する人もあるらしいのですが、単純に
「身体にいい食べ物」だと思えばイイ
のだそうです。

ではそろそろ発車時刻のようですので、桑名まで1時間と少し薬膳
列車の旅
を楽しみたいと思います。まずは食前酒で乾杯して、お店の
方の説明
を聞きながら食事が始まりました。

20170208c.JPG 20170208d.JPG

この食前酒にも高麗人参をはじめとする生薬が入っており、以下の
お料理にも地元産の野菜や薬草がふんだんに使われているそうな。

20170208e.JPG 20170208f.JPG

土鍋に入ってるのは、モロヘイヤを練り込んだうどん御飯15種類の
穀物による炊き込み御飯。野菜の天ぷらは、スギナの塩で頂きます。

…少しキレましたが、お茶にもスギナがブレンドされており、痩せる効果
期待されるかも知れないという事!

20170208g.JPG 20170208h.JPG

スタッフの方気さくな人ばかりで、気軽にシャッターを押して下さい
ました。…そして私は、やっぱり少し飲みたいのですが、ビールを沢山
飲むような筋合いの料理ではナイと思い、今回は日本酒の小さなパック
1本だけにしておきましょう(飲み物の持ち込みも自由です)。

…何か地酒が良かったのですが、適当なの見つからず鬼ころし
愛知県清須市だから、まぁ近いと言えば近いかな?

20170208i.JPG 20170208j.JPG

そんな感じで食事も一段落した所で、再び養老岳が見えてきました。

…そもそも何故、この地が「養老」という地名なのか?でソレが何故、
元号にもなったのか?
というお話を、お店のスタッフさん「鉄道歌劇」
で説明して下さる
という事で、見てみましょう。

タイトルは「養老孝子伝説」と言います。

奈良時代、この地に源丞内という若者が年老いたお父さんと一緒に
暮らしていました。

ある日、彼が養老の滝の水を汲んでお父さんに飲ませた所、何と水が
酒に変わっていて
ソノ薬効で寝たきりだったお父さんが元気に歩ける
ようになった
そうな。

20170209b.JPG
ソノ話を聞いた当時の元正天皇行幸
(現地視察のような事)に訪れ、自らも
滝の水を浴びて病気を治した
そして親孝行な若者が起こした奇跡
喜んで年号を「養老」と改めましたとさ。

(※お父さんの病気については盲目
だったのが視力を取り戻したという説
もあるらしい。)

何年か前に、あるテレビ番組で養老の滝の水の成分を詳しく調べたら、
微量ながらアルコールが検出されたそうなんですよ。

恐らく、滝壺に落ちた木の実などが発酵して酒になるらしいという結論。
…つまり伝説も全くのウソではなかったというワケなんですって。

社員旅行でも行った養老の滝ですが、そんな逸話があるとは知りません
でしたよね。一つ勉強になりましたわ。

20170209c.JPG 20170209d.JPG

…先程から食事のサービスと、楽しい劇を披露して下さった方々は
「寿喜養膳(すぎようぜん)」という薬膳料理レストランの皆さんでした。
https://sugiyozen.jimdo.com/

天皇役ダニー杉山さんという方(向かって左)にサイン入りブロマイド
足の裏がキレイになるシートを貰ってしまいましたよ。

何度も「男ばかりでスイマセン」という事を恐縮しておられました。
…実際の所、元正天皇ってのは女帝だからな。普段は女性のスタッフ
さんが演じる
ようです。

20170209f.JPG 20170209e.JPG

食後のコーヒーが出る頃、お店が契約してる農家さんの畑の横を通過
します。列車の警笛に応えて、大きく手を振ってらっしゃいました。

ちなみにこのコーヒーは、玄米をローストしたモノだとかで、コーヒー
なのに玄米茶のような味がしました。

20170209g.JPG 20170209h.JPG

そして物販タイム。お店で売られている健康食品や、養老鉄道のグッズ
などが紹介されます。…私は最初に出た(痩せるかも知れない)スギナ
のお茶と、にゃらんのメモ帳を購入。

年配の方が多く、健康食品恐ろしいぐらいに飛ぶように売れてました

20170209i.JPG 20170209j.JPG

最後は「座ったまま出来る体操で健康に!」という事で、音楽に合わせて
オリジナルの「薬膳体操」を全員で…。

このままの状況桑名駅に到着するという、ダイヤ通り且つシュールな
光景で、楽しかった薬膳列車の旅が終わりました。

いやあ、通算700回以上延べ4万人が乗ったという薬膳列車料理も
美味いし車内も楽しいし、聞きしに勝る楽しい列車でした。運転回数が
多い
ので、気軽に申し込めると思います。是非オススメですよ。



蔵部駅資料館に戻る
ブログ「新・駅長日誌」