2015年9月の北近畿〜山陰にかけての乗り鉄は、前日の京都丹後鉄道
の「丹後あかまつ」から山陰本線を西へ下り、松江で一泊。
翌日に宍道から木次線に入って沿線の要衝である木次に到着しました。
木次からは勿論コレ。奥出雲おろち号に乗車します。 …何事も急がない
私は今回が初乗車なのですが、登場して何年になるのかな?
…滅多に見ない時刻表の黄色の
ページ(6月号)を見て「今年の運転
の最終の金曜日」だと思った9月25日
を選んだのですが、版が変わったら
また運転日が継続更新されてました。
…私は観光列車に関しては、ソノ程度
の無知さです。
ココまで乗ってきた1445Dの到着と同時に、側線に待機していた
「おろち号」が備後落合方向へ動き、ホームに戻ってきます。
…しかしエラい雨になりましたね。悪天候用の先代カメラを使おう。
そして入線。…機関車1両と客車が2両、下り列車は機関車が最後尾
に来る編成になります。さっきの1445Dが後方に避けてました。
では車両の紹介からですが…
機関車は各地のトロッコ列車の定番となりつつあるDE10型。
編成全体でコーディネートされた塗装が、クールで素敵です。
区札の[後]は、米子近くの後藤車両所の事でしょう。
2両の客車のうち、2号車はトロッコではなくオリジナルの12系に
近い普通車両です。車内が転換クロスシートにリニューアルされて
ますので、窓枠とシートピッチは一致していません。
…私は「そんな事も知らなかった」のですが、おろち号の指定券は
トロッコ部分の1号車しか発売されず、2号車は悪天候の時の避難用
なんだそうですね。
「1号車と同じ番号の座席をご利用下さい」と案内されました。
ではソノ1号車の紹介。途中駅や走行中などの画像も交えて順不同で
並べてあります事をご了承下さい。
12系の緩急車に、無理矢理に運転席をくっ付けたような仕様です。
でも形式名は「スハフ13」と、客車のままなんですね。
…北海道だと「スクハテ」となる所ですが、会社によって違うのね。
そして800番代は、元々はお座敷車両に宛てる数字でしたが…何で?
車内はこんな感じ。内装の化粧板を取っ払い、木の座席をメインに
据えたシンプルなデザインです。
北海道のノロッコ号のように、窓をガラスやアクリル板で閉めるという
発想はナイようです。…だから避難車両が必要なのか?
…テーブルを囲むように窓向きに配置した座席もありますね。そして
ドリンクホルダーはカー用品店で売ってそうなアレ。発想の転換だな。
…そして気になる運転席ですが。 形状としては12系そのままで、
左側に制御器類を設置した運転室があります。
尾灯も客車時代のまま、で横に前照灯が追加されています。
…何のパクり?暫く考えたけど、思い当たる形式がありませんでした。
車内から先頭部分を見てみますと…
運転席は半室状態で、最前部まで
立ち入れる状態の展望スペース
になってました。
コノ手のトロッコ列車は、機関車が
後に来る逆編成の時ってブサイクに
感じますが、こんな感じだと「かぶり
付き」が出来るという利点もあるか。
…「しまね景観賞」 という賞状の額が、車体の鋼材の隙間に無駄に
ピッタリな事に感心しつつ「奥出雲おろち号」で、ロマンの旅(笑)に
出発です。
■木次1007---備後落合1224 快速8421レ「奥出雲おろち号」
車掌さんの制服も、一般のモノとは違う特別製です。 程なくして
乗車証明証が配られました。 …まだ時刻表が9月号の頃だな。
という事で生憎の雨ではありますが、 秋の深まった山合いの木次線を
トロッコ列車は進んで行きます。
先頭の展望スペースは、やはり子供さんたちに大人気のようですね。
トンネルに入ると、天井に仕掛けてある龍…ぃゃ「おろち号」だから
大蛇か…のイルミネーションがキワ立つ仕掛けになっています。
…ぇ、手足があるから、やっぱり龍?適当なもんですね。
2号車の最後尾からは、客車を推すDE10の鼻先がドーンと…
そもそも客車列車いうモノ自体が減りましたから、最近では殆ど見られ
なくなった光景かも知れません。
…そしてトンネル通過中の2号車。
何となく「がら空きの夜汽車」のイメージで面白かったので1枚。
美しいコスモスが咲き乱れる出雲八代駅。画像では撮れてませんが、
ココから幼稚園の遠足の団体さんが乗車しました。
沿線の田んぼで稲刈りをしてるのは、地元の農業系の高校の生徒さん
たちだそうてだす。わざと通過時間に合わせてやってるような気が…。
出雲三成で、全くノーマークだった駅弁販売のおじさんが乗車。
…和食屋さんとかで使うようなキャスターつきの台を流用した
手作り感溢れる車販ワゴンと、眉毛が個性的な方です。
時刻表にも[弁]マークはありませんが、
「奥出雲おろち号」に合わせて予約分+α
の感じで作って積み込むらしいです。
…今日の昼食分の駅弁は松江で買って
きましたが、在庫があるという事なので
1つ頂きます。
地元の仁多牛と、お米も地のモノを使用した
牛丼系のお弁当ですね。
作って間がないのかまだ暖かいし、
肉も柔らかくて美味しく頂きました。
…買ってきた分は後に回す事にしましょう。
松本清張の小説「砂の器」 で有名になった亀嵩で、おじさんは下車。
そして気分的に「およそ半分」の出雲横田駅に到着。
駅舎が神々しい神社風の建物なのはよく知られてますが、トイレも
お揃いなのはどうか?泌尿器系の病気とか治っちゃいそう(適当)?
所で1号車には、出雲八代から乗車した20人程の幼稚園の子供たちの
遠足団体が乗ってるのですが…
窓口で指定券を買う時、空き状況を調べて貰ったらソノ旨の回答が
来たので「コレは絶対に中国人だろう」と思って、出来るだけ席を
離して貰ったんですが…取り越し苦労と言うか嬉しい勘違いでした。
…雨でも子供たちは元気一杯ですね。
みんな地元なので、列車から家が見える子も居るようで、手を振ってる
のはソノうちの誰かのお婆ちゃんなんだそうです。ちょっと和みました。
…段々と標高が上がってきた感じです。一段落した所で駅弁の2食目。
今回は松江で2個買ってきましたが、さっき飛び入りで1個食べたので、
2食目と3食目は撮影と試食程度にして、持って帰りました。
「カニとしじみのもぐり寿司」…境港のカニと宍道湖のシジミでしょうね。
地元名物が入ったちらし寿司です。
という事で出雲坂根に到着。ココで例によって、峠越え前の小休止。
…3年ぶりになるのかな? ようやく「おろち号で来れた」感じです。
観光列車だから、停車時間が普通よりも長めに取ってあるようでした。
ホームにはこのようなジオラマが。コレって前に来た時はあったっけ?
「あなたも木次線の旅を楽しんでみませんか!!」
…ぃゃ、既に楽しませて頂いておりますが?
恐らくコレは車で駅だけ見に来ちゃった人に向けてのPRなんでしょう。
鉄的に見せ場のあるローカル線でも、ソレ目当てに全区間を乗る人って
少なくなったんでしょうね。「せめて1区間でも」という売り方が、
最近はホントに増えた気がします。
ココのもう一つの名物と言えば、この「延命水」ですが…
こんな感じだったかな? 最初はもっと素朴な湧き水だったイメージが
ありますが、気がついたらこのように整備されまくっておりました。
…タヌキまで居るし。
あと、地元のおばさんたちが屋台を出して焼き鳥なんかも売ってました。
…ごめんなさい、もぅ腹一杯です。
そんな感じで、いよいよ発車です。
単行運転の気動車と違い、運転士さんはスハフ側の運転席から
反対側を確認しつつのバック運転となります。 …元々、機関車は
「あっち側」ですから、本末転倒な気がせんでもありませんけどね。
時速10kmで慎重に勾配を登り、スイッチバック地点に到着です。
詳しい線形などは、前回に乗った時の記事を参照して頂ければイイと
思いますが、冬場は雪深い場所でもあるので、ポイント部分には屋根
が付けられています。
そして折り返し。…備後落合方向への信号が青になり、分岐器も左に
開通してるのが分かると思います。
車窓の右手に、木々の隙間からではありますが登ってきた線路が
2本見えますね。 そして撮り逃したけど一瞬だけ出雲坂根駅の
駅舎が見えます。
遠足の子供たちも大喜び。
…この経験から、将来の鉄ヲタが出たりするのかどうかは謎ですが。
赤いアーチ橋が見える辺りが最高地点ですかね?雨の中に煙る
無駄に幻想的な風景が撮れました。
…こうなると、一度は車でも来てみたい場所でもありますな。
さて「奥出雲おろち号」ですが…出雲坂根の3段スイッチバックを越え
「おろちループ」の見える地点に到着しました。
実の所、木次線の沿線はカナリ前に車で来た事があるのです。
…鉄道趣味から離れてた頃なので10年ぐらい前でしょうか?
しかし「おろちループ」は全く覚えてません!…映画「八つ墓村」の
ロケ地になった、新見市の吹矢ふるさと村に行った記憶はありますが。
そして亀嵩駅に立ち寄ったら、蕎麦屋は定休日だったと言う…。
まだネット環境が不完全だった時代ですから、調べが適当だったの。
ココで観光列車らしく一旦停止のサービス。
…ちゃんと8421レ専用の停止位置目標がありました。他所(九州など)
では目分量で停まってるっぽい所が多い気がしますが。
そして次が三井野原。確かJR西日本
で標高が一番高い駅でしたね。
遠足の子供たちはココ下車。
こんな雨の日にココで何をするのか?
帰りはどうするのか?…は謎のまま。
今日の乗り鉄経験を活かして、将来
を担う立派な鉄ヲタになってくれ…。
という事で、無事に終着の備後落合に到着しました。…3度目だな。
さてココから帰路なのですが…次の芸備線(新見方面)まで2時間の
空き時間があるんですよ。
ココでどうやって時間を潰すか?
乗り鉄をする方なら一度は直面した事のある疑問かも知れません。
今後、同様な疑問を持った方への参考になれば幸いです。
何分かの停車の後「おろち号」は再び木次方面へ向けて折り返して
行きました。…一応、事前に地図などで調べては来たのですが、
歩いて行ける距離にあるのが、西へ1kmほどの所にあるドライブイン
ぐらいかなあ?という事で…ココへ行ってみましょう。
西へ歩いて約20分で「ドライブイン落合」に至ります。
ドライブインってのも、高速道路が今ほど発達してなかった昭和の時代
に全盛だったようなイメージの施設ですよね。クルマ中心の交通社会に
なったとは言え、現代では地味になったモノの1つでしょう。
ってか、色々調べたけど公式サイトなんかある筈もなく、
「定休日だったらツブシの効かない」状況でしたが、何とか開いてました。
…何のゲームか知らないのですが、昭和なテーブル型のゲーム機が
置いてあります。元祖はインベーダーゲームですかね?
小学校の校則で、このようなゲーム機のあるお店への立ち入りが禁止
されてたのを覚えてます。
…さっきから食べてばっかりな気が
しますが、「ホルモン焼き定食」
というのをオーダーしてみました。
はい、私は「ドライブイン=レバニラ
定食ライス大盛り」なイメージが
あります。
偏に映画「トラック野郎」シリーズ
のせいだと思うのですが、ココには
無かったもんで。
そしてオーダしてから気付いたと言うか
勘違いしでオミットしたモノとして、
このようなメニューがあるらしいのです。
…落合名物?おでんうどん?
ぃゃ、但し書きに「冬季限定」とあったもんで、
今はやってナイんだろうと思ったんですが
9月下旬というのは冬季に入るらしい。
非常に気になる。こっちにすれば良かった。
…コレまた今後の課題とりましたが、
また行く事があるのかどうかは謎。
という事で、往復と店での滞在時間で1時間と少しは潰れたでしょうか?
駅に戻る事にします。
…再び地図を見て頂ければ分かりますが、ココに着く直前に木次線の
鉄橋の下をくぐる地点がありますので、急げば「おろち号」を撮り鉄
する事も出来るんですよね。体力のある方は参考にしてみて下さい。
|
|