2011年11月の事。深まる秋の夜長に、鉄ヲタだってたまには「発泡酒
の大」じゃなくて優雅にワインでも頂きつつ移り行く車窓に愛する人を
想ってみる。…そんなイメージで岡山へ行きました。
岡山電気軌道の人気企画、「MOMO DEワイン電車」ですよ。
過去の乗り鉄では、姫路からの最終電車で着き、居酒屋で飲んだくれて、
翌朝からの乗り鉄に備えてネットカフェで仮眠するだけだった岡山駅前。
路面電車の停留所をちゃんと見るのは初めてかも知れません。
そうこうするうちに、お目当てのLRT
電車、MOMOが入線。
路面電車って、一部の地域ではホント
に進化してますよねぇ。もはや未来の
乗り物です。
…古いのもアジがあって好きですが。
低床式だから路面電車のホーム(一般的な歩道の高さ)と全く差が
ありません。…ドコに車輪と床下機器が入ってるのか?
毎回悩みますね。
ソレにしても路面電車というのは、
車止めのギリギリまで攻めて停める
もんなんですな。普通の高速鉄道だと
危険すぎるでしょ?
そんなワケで、電光表示の字体までもが
お洒落なワイン電車で、岡山市内の
ナイトクルーズ(案内にそう書いてある)
に出発です。
色々考えましたが、衣装はやっぱりスーツ
でしょ!ぃゃ、だって今夜はワインですよ?
一応、渡された乗車券には「ドレスコード=インフォーマル」と
ありました。…フォーマルに限定したってイイと思いますが。
車内改札で乗車券に鋏が入り、「誰に」という事はナイですが、
一人で乾杯。…隣の席の、落ち着いた感じの年配のご夫婦とか
見てると、かなり空しいモノはありますが。
世の中には、一人で北海道やら東北やらの乗り鉄に行っちゃう
淋しい女も居ると言うのに…上手く行かないもんですねぇ。社長!
…では車内を見てみましょう。元々がシックな感じのデザインなので
ワインを頂くと言うコンセプトに上手く合ってる気がします。
…豊橋のアレはアレで、ビールや「おでん」にピッタリですが。
テーブルは、ワイン電車用に設えたモノなんですが、好評なので
普段から設置しっ放しであるとの事。へぇー。
貸切の時は使用しない、中央の出入口にパントリーが設けてあります。
なかなか本格的?
…私は昔、前の会社でホテル勤務だった事もあるので、一応ワインの
テイスティングとかの「所作」ぐらいは出来るんですよ。
ホントにドラマとかの「被演技指導」レベルのもんですが。
ワインは飲み放題ではなく、ソフトドリンクやビールも含めて3杯まで
(それ以上は追加料金)…と、このような「おつまみ」が付属 します。
「軌内食」というのが洒落てますね。…箱だけ持って帰りました。
お座敷列車「宴」以来、電車で飲んだくれつつ、外からの視線を浴びる
事が快感になってるもんで…今回もイイ気分で、夜の岡山市内を
走って行くのでありました。意味なく手を振ったりなんかして。
当然の事ながら、走るのは車道です。ソノ辺りが、お座敷列車と違って
「ちょっと罪悪感」ですねぇ。特にタクシー。…どうもすいません。
岡山の路面電車は、さほど大規模
なモノではありません。
東山線と清輝橋線の2本…距離に
すれば重複部分を除くと4.7キロ。
ソレを約2時間かけて走るという
贅沢なダイヤなんですが、
程なくして東山車庫に到着。
検修場でなくてホントに「車庫」なエリアなので、何気に真っ暗ですが。
…暗い中で見る「MOMO」の側面。鉄道車両じゃなくてSFメカの
ような印象を感じたのは私だけ?端っこにあった「営業車」にも同じ
デザインのロゴがありました。イイですね。
車内で飲食物を提供するワケですから飲食店の営業許可が不可欠。
豊橋でもありましたよね。
経験上よく知ってる事ですが、何より先に「手を洗う設備」が必要
なんですよ。…電車内という事で、こんな感じでクリアされてました。
…という感じで、すっかり酔いが回ってイイ気分で色々と見学してたら
私以上に上機嫌な方に話しかけられました。
この企画を仕切ってるNPO法人
「公共の交通ラクダ」の代表、
岡さんに色々とお話を伺いました。
スーツは着てるものの、私があまり
マニアックな動きをするもんで
「コイツは鉄ヲタだ」と見抜いて、
声をかけて下さったみたいです。
ワイン電車の運行に当たっての色んなウラ話とか、岡山中にLRTの
ネットワークを作る構想とか…興味深いネタが色々と出ましたよ。
曰く、「行政じゃなく鉄ヲタがやってるから行動力があるんです!」
おぉー、ソレは確かに。
…ってか主催者なのにイイ顔色してますな。グラスがカラじゃないですか。
それなのに、ココの事務局の住所が「禁酒会館内」て!どう言う事よ?
車内に設置してある郵便ポストがオトナの事情で使えなくなった話とか、
寄付をすると車内に名前を書いて貰えるとか…話題は尽きません。
そんなこんなで一旦、岡山駅前に戻り(駅前のマクドナルドへ買出しに
行く人が多数…)、
今度は清輝橋まで行きます。…あ、全線完乗じゃないですか。
些か「くつろぎ過ぎ」ではありますが。
というワケで、お洒落な電車と
美味しいワインと、濃い鉄ネタ話を
堪能した岡山の旅でした。
関係各位の皆様には大変お世話に
なり、ありがとうございました。
おまけ画像は、木村鉄道名義で
頂いた領収証。
…社長、取材費よろしくお願いします。
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