廃線跡を探る旅 #032
The trip for abolished railroads #032

 鉄 道 会 社  路 線 名  廃止年月  調 査 区 間  訪問年月
日本国有鉄道 福知山線(旧線)
1986/07
生瀬→武田尾
2020/08
国鉄の分割民営化直前に複線電化した新線に切り替えられた、福知山線の廃線跡を探る旅です。 




2020年8月、以前から気になってた関西廃線跡で、ソノ存在を急に
思い出した
所があって、お盆前のある日に日帰り探ってきました

20200902a.JPGJR福知山線(愛称として宝塚線)の生瀬
〜武田尾旧線区間です。
ココが最初に開通したのは明治32年の事
ですが、左の地図の通り武庫川の上流
沿ってカーブが続く単線区間であり、難所
とまでは行かないものの、通り抜けるのに
時間が掛る所だったようです。

昭和に入って大阪ベッドタウンが拡大
すると、コレでは時代に合わなくなって、
国鉄分割民営化直前昭和61年になって
生瀬〜武田尾〜道場10.4km(現在の
営業キロ)が電化&複線化されました。

旧線は廃止後も長らく放置されてましたが、勝手に入り込んで歩く者
が多く転落事故なども発生したので、平成28年案内看板など
を整備して、正式なハイキングコースとして再生されたそうな。

…私が初めて福知山線に乗ったのは高校2年の頃(平成元年)だった
と記憶してますので、既に新線切り替わった後であり。こっちの区間
については写真などでしか知りません

ただ大阪駅に乗り入れて来るDD51+旧型客車普通列車は何度か
見た記憶があり、現在のようなアーバンネットワークな状況とはカナリ
かけ離れたイメージでしたね。

事前に西宮市の観光協会に問い合わせた所、夜間は閉鎖される
とかの時間的な制限ナイようです。

20200902d.JPG 20200902e.JPG

まずは現在の生瀬駅に到着です。「なまぜ」と読むんですね。
大和路線始発列車奈良を出て2時間弱7時前に到着しました。
予想通り風が涼しいぐらいの気候です。

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この駅も新線の開通と共に改築された…と言うか元の場所から少し
ズレた所に新築された駅だと言う事で、何と言うか「国鉄らしくない」
雰囲気の駅であり、付近が宅地化されてるので有人駅です。

やはりココから廃線跡を歩く人が多いようで、駅の待合室にも案内図
がありました。…謎のウイルスの流行以後、「3密」避ける目的で
大人数での散策などを自粛するように説明されてますな。

廃線跡のうちハイキングコースになってるのは、道路などに転用され
なかった全長4.7kmの区間です。目安は約2時間か。

ともあれソノ入口まで行かにゃならんのですが、結構遠いようです。
線路に沿って福知山方向へ歩き、武庫川畔へ出ました。

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この交差点に出る直前の所に、古い橋台の跡が残ってました。
生瀬駅を出てすぐの地点なので、旧線新線は然程離れておらず
すぐ奥手に新しい高架橋が見えています。

新線はココから山間部長いトンネル真っ直ぐ抜けますが、旧線
武庫川に沿ってカーブを繰り返しつつ走ってた事になりますね。

てかハイキングコース入口まで1.7kmとか、地味に遠くてコレだけで
カナリ大変なんですけど。

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国道176号線は、鉄道の福知山線と所々で平行しながら大阪から
福知山を経て最終的には宮津方面へ至る道路です。…土地の人は
「いなろく」と呼んでますね。

武庫川と言うのは、更に下流尼崎市西宮市隔てる川としてしか
知らなかったのですが、コノ辺は中流域ぐらいなのでしょう。川幅
狭くて急な流れの所も見られます。

しかし宅地化に関してはカナリ進んでるようです。少なくとも旧型客車
でノンビリ走ってては通勤輸送追いつきそうにナイのも事実。

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からハイキングコース入口まで1.7kmほどあって、コレが地味に
遠いワケですが、確認出来た廃線跡は、国道へ出る手前橋台跡
付近ぐらいの物でした。

恐らく川や国道平行してもぅ少し山手を通ってたと思われ、帰って
調べた所、10年ぐらい前の資料では道なき道として残ってるように
記録されてました。…今も歩けるのかどうかはです。

目前に現れた高架道路中国自動車道です。宝塚インター西宮
名塩サービスエリアの間に相当し、私も普段からよく通る所ですね。

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廃線跡はコノ先で明らかに川添いへ出てますから、ドコかで国道
横断してた事になります。…しかし国道の方も曲線改良の工事
行なわれてる途中のようで、こうなると全く分からなくなります

今回は先に大きなネタが多くある筈ですので、適当に流しましょう

20200903g.JPG 20200903h.JPG

そんな感じで歩くおよそ30分、ようやく入口の案内が出てきました。
…ココも近年になって造られたと思しき住宅街に端っこになります。

一応は事前に調べたのと、駅の案内図にもありましたが、コース内
トイレはありません入口付近仮設トイレがありますので、必要な
場合はココで済ませて行きましょう。

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矢印に従ってスロープを下ると、右手に農道のような未舗装の道
見えてきますが、コレも廃線跡の一部のようです。

このスロープの勾配鉄道には無理なので、駅との高低差を考えると
もぅ少し緩い勾配下って来たと推測されますな。
…そう思って振り返ると、新しい道路築堤で見事に阻まれてました

やはりココまで廃線跡特定するのは、もぅ無理なようです。
ともあれココからハイキングコースに入るので、旧線区間の廃線跡
本格的に見て行く事にしましよう。

…この時点で7:20ぐらい。やはり生瀬駅から30分は掛かってますか。

20200904a.JPG廃線跡ハイキングコースは、歩き
やすいように砂利で整地されてます
が、随所に古い枕木が埋まってる
のが確認出来ます。
元から使われてた物か、ワザワザ
敷き直したのかは不明ですが。

簡単な案内図がありますが、コレは
廃線跡より武庫川に関する説明
メインのようですね。

求めてる物とは少し違うイメージかな。

土地JR西日本のままで、施設の管理自治体に任されてるような
状況でしょうか?夜間悪天候の場合でも「入るな」とは書いてあり
ますが、門扉を閉めたり等の具体策はナイようです。

20200904b.JPG20200904c.JPG

そして入ってすぐの所に鉄橋跡がありました。…名塩川橋梁と言う
そうです。平行する武庫川に合流する幾つかの支流に、この規模の
ガーター橋が掛かってるようですね。

欄干橋桁も、歩きやすいように整備されています。…ハイキング
コースとして整備されるは、物好き枕木中央の踏み板だけ
歩いてたんでしょう。私には無理かも。

柵の隙間から鉄橋の横を見てみると、鉄道時代の面影そのまま
残っています。こう言うのは見てて楽しくなるから好きですよ。

20200904d.JPG暫くは武庫川に沿って、真っ直ぐ
に進みます。…石の感じからして
中流域の雰囲気ですね。

勾配全区間を通じて殆どナイ
ですが、鉄道目線の感覚で言うと
カーブが多いから頻繁に速度制限
が掛かり、更には単線区間だから
時間の短縮も列車の増発も簡単
には出来なかったのでしょう。

周囲の風景共々、同じような理由新線に切り替えられた山陰本線
嵯峨〜亀岡(現在の嵯峨野観光鉄道)に似てる気がしますわ。

20200904f.JPG20200904e.JPG

そしてやはり廃線跡なので、歩いてると随所に鉄道時代設備の跡
が残ってるのが見られます。

のが川の様子を見るための物見台だと言うのは分かるんですが、
石積みの建造物は何ですかね?大部分が崩れてますが、部屋
ように人が中に入る事を想定した物のようですが。保線用の小屋?

20200904g.JPG 20200904h.JPG

ソレにしても、JR西日本による落石注意の看板が矢鱈と多いですね。

ヒドい所になると数メートル置きに出て来る感じで、もしかして発注
する数1桁間違えたとか?流石に鬱陶しいんですが。まぁココまで
書いとかないと危険性を理解しないバカが居るのかも知れませんが。

こんな物に掛ける金があるなら、橋梁やトンネルの解説充実させて
欲しい所です。もしくは「あと○km」みたいな表示板を立てるとか。

一々地図を見ないと今ドノ辺あと何kmぐらいあるのか分からん
のですよ。…しかも携帯電話の電波通じにくく地図アプリなども
使えない状況です。

20200904i.JPG 20200904j.JPG

続いてもガーター鉄橋が出てきました。ゆるくカーブしてますが、煉瓦
積みの橋脚イイ雰囲気を残してますね。

姥ヶ懐川橋梁(情報サイトのをコピペしたので読み方は不明)と言う
そうで、コレも武庫川に合流する支流の1つのようです。
鉄橋小さな物が手前にあった名塩川橋梁コレ2箇所
あともぅ1箇所武庫川そのものを渡る大きな物が残ってるそうな。

もぅ少し進むと、次はそろそろトンネルが出てくるんじゃナイかな?

20200905a.JPG 20200905b.JPG

川幅段々と狭くなって、大きな岩が見られるようになってきました。
対岸の山も意外と切り立った岩肌が見えてる箇所がありますね。
太陽は登ってますが曇りがちで、川の上には薄い霧が出てます。

いずれ鉄道ジオラマでも、岩場の情景再現する事になるかも知れず
紀勢本線っぽい海岸沿いを作る予定)、こう言う所はよく見ておこう
と思ったりもします。

制限速度の標識も残ってました。…全部は読み取れませんがコレは
半径○○mのカーブだから時速60キロ制限」ってヤツですかね?

20200905c.JPG 20200905d.JPG

暫く行くと、ようやくハイキングコース見所の1つであるトンネル
見えてきました。…コース内には6箇所トンネルが残されており、
まずはコノ北山第一トンネルから通過する事になります。

「トンネル内…」何やねん?ココがハイキングコースとして整備&解放
されたのが2016年の事ですが、僅か4年看板割れたり朽ち果て
たりするとは思えずソレ以前から取り付けられてた物なのでしょう。

ハイカー向けの物か、鉄道時代乗務員保線担当者向けの物かは
不明です。

20200905e.JPG 20200905f.JPG

 …長さが318mと言う事で、コース内2番目に長いトンネルです。
事前に調べた所、トンネル内には照明の類一切ないので懐中電灯
を持参するようにとの注意書きがありました。

自宅の非常用に置いてある最も簡素な物ですが、持ってきましたよ。

20200905g.JPG 20200905h.JPG

誰も居ないのをイイ事にフラッシュ撮影なんかもしてみました。
恐らくは蒸気機関車の時代に掘られ、非電化のまま新線に切り替え
られたトンネルなのでしょう。やはり断面が小さい感じです。

随所に避難用の横穴と、信号ケーブルなどを吊ってあったと思われる
金属製の吊り手が残されていました。…しかしトンネル途中でカーブ
してるので先が全く見えず、ホントに真っ暗な闇ですね。

懐中電灯足元を照らすだけでなく、反対側から来る人自分の
存在を知らせる目的にもなるようです。

早朝でしたが、反対武田尾側から歩いて来た人に出会いました。
もし明かりの類を一切持ってなかったら、直前になるまで相手の存在
に気付かず、お互いにカナリ驚かされる事になるでしょう。

20200905i.JPG 20200905j.JPG

ゆっくり歩いて8分程度通り抜けました。ぁ「トンネル内照明なし
書いてあったのか。

トンネルと言うのは、季節に関係なく気温も湿度もほぼ一定
だと聞いた事があります。夏場だと外気温が高いから、中は涼しくて
気持ちいい感じでした。

当日は大丈夫でしたが、大雨が降った後なんかには水溜まり大きく
なり、長靴などが必要な場合も出てくるようです。

まだ先は長いようですが、トンネルを1つ克服したら何となく歩き通せる
自信が付いたと言うか、温度差汗も引いた感じで元気になりましたよ。

20200906c.JPG 20200906d.JPG

…すぐにまたトンネル?と思ったら、コレは頭上の木の枝が密集した
いわゆる「緑のトンネル」と言われる状態の箇所だと分かりました。

明らかに鉄道車両の車体断面より小さな空間であり、廃線後木が
生い茂ってコノような状態になったのでしょう。…もっと炎天下の中を
歩いてたら一息つける木陰だったかも知れません。

進行方向の右手には相変わらず武庫川が流れてますので、随所に
保線用の退避場が残ってるのが確認出来ました。

20200906e.JPG 20200906f.JPG

左手山側の方には時々、落石防止用の柵が出てきます。
この手の建造物によくある建設時期を示す刻印によると1956年10月
に造られた物である事が分かりますね。

…この区間が最初に開通したのは明治時代の事ですが、各時代に
設備の手直しや追加が為されてきたのでしょう。廃線跡好きな者
とっては、見るべき所が沢山あって飽きないハイキングコースです。

20200906g.JPG 20200906h.JPG

暫く行くと、ハイキングコースの中で最も長い北山第二トンネル
出てきます。…長さは413mと言う事で、新幹線16両フル編成より
長い事になりますか(何の比較にもなりませんが)。

入口付近コンクリートで覆われてますが、入ってすぐ煉瓦積み
明治の雰囲気を残すトンネルである事が分かりました。

20200906i.JPGトンネル内退避場所も、石積みで奥が
素掘りな感じの古めかしい物です。

…とココで思い出したんですが、大学時代
写真部の先輩2名が時々「一度武田尾
撮影に行こう」とか言ってたんですよ。

当時(平成1桁台)で既に新線切り替え
られた後だったし、この2名の先輩は特に
鉄ヲタでは無かったから、夜のトンネル内
幻想的な風景?を求めての事だったと
思われます。勿論「危険を承知忍び込む
事が前提でしょう。しかも奈良から原付で!

20200906j.JPG…結局は実現しなかったのか、その先輩
撮ってきたトンネルの写真と言うのは見た
記憶がナイのですが、昼間でも照明のナイ
所で何が撮れるんやら?ですね。

そんな感じでトンネル内を通過中、また反対
から来たグループすれ違いました。
ハイカーにありがちに「こんにちわー」と挨拶。
コミュ障の私も、流石に同様に返します

コレだけ長いコースの中で、何で連続して
トンネル内でばかり人に会うのか不思議です。
懐中電灯持ってなかったら大変だったわ。

ようやくトンネル抜けた所に、コレまた鉄道時代標識が幾つか、
朽ち果てるギリギリの状態で残ってました。

「退避禁止箇所」にある数字は、起点(尼崎)からのキロ程だと思われ
ますが、新線の開通で生瀬〜武田尾〜道場の区間は1.8kmほど短縮
されています。

まだまだ先は長そうですが、高低差が少ないのでに歩けます。
続いては、コースの中で最も目を引く大きな鉄橋がある筈ですよ。

暫く行くと地図数えられてナイトンネル状の建造物が見えてきました。

20200907a.JPG 20200907b.JPG

この程度の長さの物はトンネルには含まれないのでしょう。ロック
シェード落石防止用の上屋)かと思ったんですが水路橋のようです。
湧水の量が増えると線路を壊すかも知れず、上を通して逃がす感じ?

写真は撮り損ねたんですが、進行方向の山側もぅ1つ同じ
大きさの穴が造られてまして、複線化された場合も想定した構造に
なってた可能性がありますね。

更に先には結構な数の枕木が積まれてる所がありました。
木製の物ではありますが未使用の感じです。使わないんだったら
園芸用とかに売ってしまう手もありそうな気はします。

20200907c.JPG 20200907d.JPG

廃線跡は概ね武庫川に沿って通ってるもんで、随所に保線用の通路
も造られています。で、時々のような鉄製のフタがあって、開けると
下の河原へ降りれるようなハシゴが設けられていました。

下の川鉄道とは無関係でしょうに、降りてどうするんでしょう?
私に知識がナイだけで現役時代必要な設備だったと思われますが、
残しておくと降りようとするバカが出てくるかも知れず、危険ですね。

20200907e.JPG 20200907f.JPG


続いてが長さ149m溝滝尾トンネルです。

ソレまでに出て来た物に比べれば短かいので、外の光が届く範囲
広い気がしました。やはり昔ながらレンガ積みトンネルで、
足元には枕木が残されています。

そして溝滝尾トンネルを出てすぐの所に、大きなトラス橋があるのが
見えています。トンネルの中から詰めて撮るのが定番なようですね。

20200907g.JPG 20200907h.JPG

ハイキングコースの中で最も大規模武庫川第二橋梁です。
案内図に長さの資料がナイのですが、地図上で測ると70mぐらい
感じでした。標準的なスタイルトラス鉄橋ですね。

コース中武庫川そのものを渡ってる鉄橋はココ1箇所だけで、以後
は進行方向の左側武庫川が来る事になります。…そして武庫川
市の境界になってるので、西宮市から宝塚市に入ります。

今では歩道としての橋桁や欄干整備されてますが、廃線後長らく
枕木真ん中の踏板だけの状態で、ソレでも歩いて渡る人が多く
居たそうな。…私はコノ方がイイわ。罪悪感持たずに済むからね。

20200907i.JPG 20200907j.JPG

現役時代列車の車窓からも見えたであろう感じで1枚。
国鉄時代時刻表を見るに、この区間普通列車1時間に1本
程度半分以上が客車列車になっています。…ちょっと見たかったな。

経年劣化鉄橋の塗装傷んでますが、コレは塗り直したら一気に
風情がなくなるでしょうね。

ようやく携帯電話の電波が届いたようで、現在地を確認してみました。
ココでおよそ半分ぐらい来た感じでしょうか?

武庫川第二橋梁を渡ると、すぐに次のトンネル長尾山第一トンネル
に入ります。

20200908a.JPG 20200908b.JPG

こちらもレトロな雰囲気を残す、石と煉瓦で積まれたトンネルですね。

ポータル部分に古い標識が残ってるのが見えたので、読んでみようと
近付いたら、立派なヘビが居ました。私は爬虫類に関する知識がナイ
ので帰って調べたら、ニホンマムシ!?一般的な毒蛇じゃないですか。

ヨシヨシしなくて良かったわ。ちなみに奥手に見える標識によると
このトンネルは306.4mの長さである事が分かります。…他のトンネル
にも同様の物が付いてた筈ですが、残しといてくれたらイイのに。

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トンネルを抜けて暫く行くと、山側コンクリート製の構造物があり
ました。恐らくは土砂崩れを防ぐための物のようですが、下部に
アーチ状の穴が空いてます(体を屈めれば通れるサイズ)。

…色々と調べるに、これも地下水を通すための穴のようです。
元は埋まってたかも知れない向こう側が、年月が経って少しずつ
土砂が流されたのか、空洞になってました。

面白そうなので入ってみましょう。何となく秘密基地みたいじゃない?

20200908e.JPG 20200908f.JPG

ココからまた暫く、武庫川に沿って走ります。山側の木はのようで、
春にはイイ風景になる事でしょう。古い鉄道写真をバックに走る
気動車急行のを見た事がありますので、撮り鉄スポットだったのか?

…しかし他に人が歩ける道無さそうですから、ココが鉄道だった
場合どぅやって到達したのかですね。

更に行くと、廃線跡にしては広い土地で、公園のようになってる地点
へ出ました。やはり桜の名所になるのと、下の河原へ降りれる
親水広場があるようです。

20200908g.JPG 20200908h.JPG

広場から更に奥へ分岐して、別の散策コースが設定されてるようです。
そしてソノ案内図周囲の樹木をネタにしたクイズなどの掲示物
用意されてました。

…何か急に親切になったと言うか、最初のうちは落石注意の看板しか
無かったものが、エラく雰囲気が違ってるように感じます。

理由は恐らく、先程の武庫川第二橋梁を渡って宝塚市に入ったから
でしょう。廃線跡の扱いと言うか、ソレに対する(予算)の掛け方
と言うのは、自治体によって全く違う場合があり、その典型例ですな。

20200908i.JPG 20200908j.JPG

…しかし看板のネタを考えたのは植物に詳しい人たちの会か何かだと
思われ、私が期待する鉄道関係(トンネルや橋梁など)に関する説明書き
全く無かったような気がしますよ。

ともあれようやく距離を示す道しるべを発見しました。
トイレがある地点が恐らく出口武田尾側の入口だと思われ、ソコまで
あと540m武田尾駅まで1,600mと書いてあります。

間もなく終了と言う事になりますか。あと少し、頑張って歩きましょう

20200909c.JPG 20200909d.JPG

続いてが全長147m長尾山第二トンネルです。ソレほどの長さじゃ
ナイ
のと、直線で掘られたトンネルらしく向こう側が見通せます
…どう言う条件でそうなるのか不明ですが、低い霧が溜まってますね。

北陸本線の時に経験したんですが、曲線勾配全くないトンネル
だと1,000m以上あっても何とか先の明かりが見えるもののようです。

明かりが届くので撮影もラクなんですが、地面には枕木が残ってます。
歩きやすいそうでナイかは人によって違うかも知れません。

20200909e.JPG 20200909f.JPG

程なく最後のトンネル長さ91m長尾山第三トンネルがあります。
ソレを抜けるとようやく終点と言うか、ハイキングコース外の風景が
見えてきました。

まだカナリ先ではありますが、現在の福知山線鉄橋も確認出来ます。
ココが武田尾駅の筈ですよ。

20200909g.JPG 20200909h.JPG

そんな感じでようやく出口に到着しました。最後に渡るガーター鉄橋
廃線跡の物のようです。トイレこちら側の方が立派ですな。

私は単に奈良大阪から近い方の生瀬側から始めましたが、駅から
の距離を考えると、こっち側の方が利用者が多いのかも知れません。
…先ほど見た桜の広場までなら圧倒的に近いワケだし。

20200909i.JPG 20200909j.JPG

出口料理屋さんがありますが、コノ時間ではまだ開店前でした。

廃線跡はココから道路に転換されており、武田尾駅更に先まで
続いてます。…右の画像の付近に昔の武田尾駅があったようですが、
道幅が少し広くなってる以外に痕跡らしき物は見られませんでした。

もう少し歩けば、今回の目的地にした武田尾駅ですね。周辺の状況
駅そのものを見て旅を終える事にしましょう。

20200910a.JPG 20200910b.JPG

武田尾には元々小規模な温泉郷があり、旧線の時代から同駅
その最寄駅だったワケですが、現在の道路鉄道だったから、ココで
武庫川を渡って武田尾温泉へ向かってた事になるんでしょう。

現状同じルートを行くと遠回りになりますが、恐らく駅前にあった
と思われる歓迎アーチは今でも残っています。

そんな感じで現在の武田尾駅が見えてきました。武庫川を渡る鉄橋
前後にトンネル
があると言う狭い地形の所に駅を造ったので、ホーム
(有効長8両)は鉄橋上福知山側トンネル内にも掛かります。

20200910c.JPG 20200910d.JPG

地図で見ると左のような感じになります。赤い線廃線跡ですが、
恐らく地図上の駅前駐車場から現在位置マークに掛けての辺りが
旧武田尾駅跡だと思われます。

全く違うルートを走ってた新線旧線がココで交わる事になり、駅の
位置が違うのは当然としても、新旧の線路がほぼ直交すると言うのは
珍しい例ではナイでしょうか?

旧線はココから更に先…次の道場駅付近まで武庫川に沿って走ってた
事になりますが、こちらは何の整備もされてナイ全くの「道なき道」
のようですから、今回はココまでにしておきます。

武田尾温泉には何軒かの旅館があり、日帰り入浴なども可能です。
歩いた後に温泉ってのもイイかも知れませんが、まだ朝の9時すぎ
なのですよ。営業時間前のようなので帰ります

20200910e.JPG 20200910f.JPG

こんな所にも痴漢が出るのか。「妖怪人間ベム」タイトルみたいな
不安を煽り気味の文字がイイ感じですが、が完全に色褪せてます
どんなイラストが添えてあったのか気になる所ですな。

現在の武田尾駅無人駅です。鉄橋の真下改札口がありICOCA
エリアなので券売機の他に簡易式の自動改札機もあります。

旧線時代武田尾駅は、単線上の交換駅だったので、最後まで
有人駅であり、交換待ちの普通列車カナリ長く停まったようですね。

20200910g.JPG 20200910h.JPG

ではココから大阪方面行きの電車に乗って帰りましょう
日中15分毎1時間に4往復が停まります。意外と多いでしょ。

…先述の通り、トンネルに挟まれた鉄橋の上と言う特殊な地形の所
にあるので、ホームの大阪側武庫川上の鉄橋部分に乗ってます。

そう言えば阪神本線の武庫川駅同じ武庫川(もっと下流)に架かる
鉄橋の上にホームがありますよね。珍しい偶然ですわ。

20200910i.JPG 20200910j.JPG

そして駅の福知山側トンネル内です。…駅全体がトンネル内と言う
筒石美佐島みたいな駅もありますが、鉄橋との合わせ技珍しい
でしょ。…ドーム状の屋根カッコいいので、1本遅らせて撮りました。

と言う事で、2駅手前生瀬駅を出てから約3時間実際に歩いてた
時間は2時間半ぐらいですが、夏場にも関わらず気温の低い朝のうち
歩き終える事が出来ました。予定通りです。

大阪から近いので、関西地区の方にはオススメ廃線跡です。
実際に景色がキレイなのは春の桜の時期秋の紅葉の季節でしょう。
脚力に自信のある方は是非どうぞ。



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