廃線跡を探る旅 #005
The trip for abolished railroads #005

 鉄 道 会 社  路 線 名  廃止年月  調 査 区 間  訪問年月
JR東日本 仙石線(震災被害区間)
2011/03
陸前大塚→陸前小野
2016/01
2011年3月の東日本大震災で大きな被害を受けた仙石線。復旧に伴い、線路を内陸部に付け替えた区間を見学してみました。 




2016年1月新規開業した仙台市営地下鉄東西線東北仙石ライン
の乗り潰しを終え、仙台市内にて一泊。2日目はまずは仙石線の駅
めぐり
をする予定で、レンタカーでホテルを出発しました。

見たいのは主に、東日本大震災復旧ルートが変わった区間です。
 
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まずは陸前大塚駅から。ココは駅の位置は大きく変わらないのですが…

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海岸線に直面してる所だっただけに、 津波がモロに被ったんでしょう。
代行バスから見えた、折れ曲がった架線柱が印象的でした。

…ソノ教訓からか、壁が高く作り変えられたようです。場所的にまだ
松島海岸の端っこぐらいな所ですから、景色はイイんですが、この壁
のせいで見えなくなりましたね。…残念だけど仕方ナイんだろうな。

駅前に積んであるのは、何に使うのか不明ですがホタテのような
貝殻でした。…武田久美子さんのビキニだと何着分?(知らんね。)

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背後に山が迫ってる地形なだけに、土砂災害の危険性もあるようです。
線路はココから内陸部に向け、新しい高架橋で大きくルートを変えます。

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そして次の東名駅は、以前とは全く違う内陸部に新設されました。
地図アプリが示す現在位置…「大仏山」という文字がある所がソレ
なんですが、まだ対応してナイのか線路と駅は古い位置のままですね。

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駅前にあった案内図によると、ココから同じく内陸部に移設された
野蒜駅にかけて、これから新たな住宅地が作られていくらしいです。
…周辺では盛んにソノ工事が行われていました。

では海岸線へ戻って、東名駅が元々あった場所も見てみましょう。

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駅の東側をオーバークロスする道路があり、4年前に代行バスの車窓
から見た風景との比較です。

土地の形とか幾つかの建物で、同じ地点である事が分かると思います
が、辛うじて残ってたホームなども完全に撤去されてしまいました。

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雪が積もってるので分かりにくいですが、一部は近くにある農協の
駐車場として使われてるようです。…そして踏切があった位置に、
架線の存在を示す標識だけが残ってますね。

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…再び先程の高架道路から。 駅から石巻方向へは、ずっと直線の
線路があった事が分かりますね。路盤だけが残ってるという事ですが。

土地の境界を示す杭の「工」マークは、国鉄が元々「工部省」という
お役所の管轄だった事に由来します。明治時代の事なのに、カナリ
最近
まで使われてたイメージです。

しかしココ、線路が無くなったから道路も高架で越える必要はナイんで
無駄にアップダウンする事になってますね。今後どうするんでしょう?

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そして住宅地内を抜けてたであろう区間も、土地がそのまま残ってます
(遠景に見える陸橋が先程の地点です。)
わんこ用のお散歩スポットになってると見ました。

トンネルも、まだ新しいのに勿体無いハナシかなあ。シイタケの栽培
ぐらい出来ませんかね?

では続いて、社員旅行でも訪れた新しい野蒜駅にやってきました。

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先述の通り、隣の新しい東名駅と合わせて宅地開発が進んでますので
記念写真を撮った場所も半分ぐらいがガードで仕切られています

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地図アプリで見るに、こちらは線路の移設はまだなものの、駅の位置
だけが新しく更新されているという、珍奇な状況。

…そして電車の来ない踏切も、カーナビにはちゃんと登録されてて
警告音声が流れるという…少し悲しい事になってます。

という事で、社員旅行の時は時間がなくて素通りになってしまった
旧野蒜駅を見に行きます。

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ココは元々、地域交流センターが併設された建物だったんですが
海岸に近い場所なだけに、見事に津波が押し寄せたようです。

…しかし建物は概ね無事だったようで、キレイに塗り直されて現在は
交流センターの隣にコンビニ(ファミリーマート)が入居しています。
そして「野蒜駅」という文字今でも残ってました

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津波なんてモノに全く縁の無い奈良盆地で育ったもんですから、
その実感
を持つのもナカナカ難しいのですが、こんなに高い所まで
波が押し寄せる
と言うのは、ホントに自然の脅威だと思います。

交流センター一角に、被害の状況写真で紹介したコーナー
ありました。

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…やはり未曾有の大災害ですよね。電車が丸ごと押し流されてしまう
んですから。そして、ココまで復興した地元の皆さんの熱意ってのも
スゴイと思います。

やっぱりココは再訪問して良かったわ。勉強になりますよ。

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元々が駅舎だった建物が、現在は地域交流センターとして活用され
コンビニ(ファミリーマート)が入居してるのですが、実は線路とホーム
も被災時のまま残ってるんですよ

…建物から出入りは出来ませんが、裏から回れば間近に見れます

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ホーム上の歪んだ駅名標斜めに立つ柱(照明?)が何とも痛々しい
限りです。折れた架線柱先を丸めた状態で残されています。

公開されてる感じでは無かったですが、震災のモニュメントとしての
使い方も出来そうな感じですよね。今後どうなるのかは分かりませんが。

20160207e.JPGという事で、旧野蒜駅を後にして、
更に東へと進みます

次の陸前小野駅までの区間で、
新しい高架橋古い道床との合流点
が見れました。

…画面の左側にジャンプ台みたいに
途切れてる地点なんですが、元々は
ココに線路が繋がってたんでしょう。


20160207h.JPGそんな感じでコレまたイイお天気の
石巻市
に到着です。

今度こそ「マンガ館」にも行ってみよう
と考えたのですが、火曜日はお休み!
…つくづく運がありませんわ。

なので、まずは昼食としてココの名物
を頂き、また突発的に猫ヨシヨシをする
事になってしまいました。



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