※取材当時は私も乗り潰しを始めたばかりで、無駄に制服を着てたり
旅番組のノリで記事を書いてたりして、今から見ると恥ずかしいハナシ
なのですが、敢えてそのままコピーして作りました。
2011年秋の「鉄道の日乗り放題きっぷ」で訪れた飯田線の旅です。
まずは上諏訪駅からスタート。飯田線の起点駅はココではなくて4つ先
の辰野駅なんですが、お目当ての列車の始発駅が上諏訪なんです。

「ん?あんな所に暖簾がありますよ。何て書いてあるんだろう?
あっ温泉かぁ。はいはい、聞いた事あるわ。」
この「わざとらしさ」がポイントですが、有名な「駅のホームにある
温泉露天風呂」ですね。一応そうなってますが、やっぱり足湯です。
上の写真に、ちょっとだけ写ってますが
「お手洗い」とか「駅事務室」と同じ調子
の案内看板に「足湯」ってのが地味に
スゴくない?
私の足…夏の仕事で不自然な焼け方
をした跡がまだ残ってます。
不細工ですね。
その後、売店で昼用の駅弁とビール
を調達。豊橋行きの直通列車が入線
しているホームへと向かいます。
温泉に入って駅弁も買える。短時間の滞在でしたが充実しててイイ駅
じゃないですか。乗り鉄には在り難い上諏訪駅でしたよ。という事で…
「えーと、飯田線の豊橋行きは…3番線のようですので、橋を渡って
あっち側ですね…あっ、アレですよ!」

今回は、距離の割に「乗る列車の本数」が少ないんですよね。
■上諏訪0919---豊橋1554 普通544M 海シン313系×3両
上諏訪駅9時19分発の飯田線各駅停車は途中、辰野、伊那市、駒ヶ根、
飯田、天竜峡、中部天竜、本長篠、豊川を経由し、終着の豊橋に
15時54分に到着する。距離にして215.9km。約6時間半の旅である。
(※愛川欽也さんのモノマネで読む事。)
って事で、飯田線の長距離列車は例の西村京太郎先生が小説にもなり、
「土曜ワイド劇場」でドラマ化もされました。この距離と速度の遅さが、
アリバイトリックに利用されます。
当時はもっと朝早くの出発で、原作時…80系、ドラマ…119系でしたが。
「豊橋」という行先に凄味を感じます。
313系というのが、当たりなのかハズレ
なのかは分かりません。
見た所、119系がメインのようですが
もうすぐ(当時)置き換わるんだそうな。
私は別に、今さら車種にコダワリは
ないですよ。弁当が食いやすけりゃ、
それでOK。
辰野までは東日本エリアで中央本線。
ココから大きく南へ曲がって、いよいよ
飯田線に入ります。
明け方寒さは何処へやら、10月だと
言うのにキツめの日差しになりまして、
ブラインドを上げたり下げたり…。
小春日和の田園風景の中を、313系は
のんりびりと走ります。
「あー、やはり旅はいいわ。こうして乗ってると嫌な事は全部忘れるよね。」
その飯田線なんですが、元々は幾つかの私鉄路線として建設された
ものが、後に国有化されたという経緯があるワケでして…当時としては
珍しく、元から電化されてたり、基本的に駅が「一つの集落に一つ」
というペースで作られてたりしまして、国鉄…JRのローカル線としては
半端なく駅間距離が短いワケなんですよね。
辰野から豊橋まで、およそ100の駅があります。平均して2キロないよな。
時間帯としても、ラッシュを過ぎて
ますので、基本的にはガラ空きです。
転換クロスの313系だし、心置きなく
弁当が頂けるってもんだ…。
上諏訪で2食分買ったうちの1個。
とりめし。
鶏がよくある照り焼きじゃなくて
竜田揚げっぽいのが新鮮。

そうこうするうちに、気分的に「およそ半分」
の飯田駅に到着。ココは16分停車です。
単線の割りに、行き違いでの長時間停車
が少なくて、なかなか外へ出れないから
退屈してたんですよね。
フリー切符だから自由に改札の外へも
出れます。駅前に出てロータリーを散歩
したり、土産物を物色したりしてました。
電留線に停まってた、東日本の115系。
快速「みすず」とかで入ってくる
ヤツかな。ココが南限のようです。
2桁形式の、いわゆる「旧型国電」が
残ってる時代に来たかったもんです。
気動車線区とは、また違った旅情が
あるんでしょう。
んで飯田線と言えば「秘境駅」です。
私は時間に追われる身なので、気軽に
降りたり待ったりは出来ませんが。
駅にあったポスターです。最近はもう…
何でもかんでも「検定」にするよなあ。
ここまでは割と田園風景な車窓が続いてた
飯田線ですが、どうも聞いてたイメージと
違いますよね。もっと「山間部」と言うか…
それこそ「秘境」のイメージ?
しかし実の所、ココから先の区間で飯田線はいよいよソノ「秘境っぷり」
を発揮して行くのでした。
飯田を出たあたりから、二食目の駅弁を
頂いております。
【小さな信濃路】は、季替わりりで
御飯の部分が変わるそうな。
おかず部分をアテにビールを飲み、
最後に炊き込み御飯で〆ると言う…
法事のあとの宴会みたいな食べ方
だったりしますが。
観光地としても名高い天竜峡を
過ぎる辺りから、明らかに風景が
変わってきました。
…しかしこのホームのオブジェ。
こう言う場合のマネキンさんって、
何で無意味に西洋っぽいんでしよう。
探偵ナイトスクープの
「マネキンと結婚したい女」を
思い出すじゃない。
…さて、クラ駅長を乗せた飯田線の列車は、段々と山深い秘境へと
入っていきます。天竜川に沿って続く無数のトンネルと何本もの鉄橋。
移り行く雄大な風景を車窓に見て走る列車の旅は、まさに最高の贅沢…。
「うわ…川が凄く近いね。」
トンネルもこの区間だけで100以上
あるらしいです。
あと、「渡らずの鉄橋」とか
秘境駅とかダムとか…見てて
飽きない風景ですよ(鉄ヲタなら)。
シーズン外れの平日ですから乗り鉄
なんぞやってるのは勿論私だけで、
「空いてる」というのも凄く贅沢ですよ。
ちょっとクラさん、寝ちゃっていいんですか?
「あ…イカン。折角いい景色なんだから起きとかないと勿体無いよ。」
あまりに心地よい陽気とビールのせいで、うたた寝してしまいそうな状況。
旅はやっぱりいいもんですね。そして秘境区間を抜け愛知県に入ると、
再びの田園風景…そして町並みが賑やかになってきます。
写真は撮れなかったんですがコノ辺りには戦前から使ってる架線柱
が残ってる駅があります。(柱にS14とかあるアレが年号でしょ?)

という事で、上諏訪から6時間半かかってようやく豊橋に到着です。
回送される313系…。
「いやー、やっと着きましたよ。長かったなあ。でも全然苦にならないです。
何かを成し遂げたような爽快感ですね。って私は乗ってただけですが。
何と言いますか、野を越え山越え谷を越え…ホントにそんな感じの路線
ですよね。飯田線。そして、この路線を乗り切った事で、ほんの少しだけど
乗り鉄として箔がついたような気分です。ありがとうございました!!」
全区間で何本の列車とすれ違ったのか
覚えてないんですが、全部が119系
だったんですよね。313系は自分だけで。
前回も書いたように、時間がなくて
途中では撮れなかったので、
ココで押さえておきます。
ともあれ有名な長距離列車で飯田線を
制覇出来て、とても充実した旅でした。
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