全国「ネタ列車」乗車報告 #013
Train Reports #013

 鉄 道 会 社  列  車  名  乗 車 区 間  乗車年月
真岡鉄道 SLもおか号 下館→茂木
2015/02
恒常的に運転されおり、東京からも近くて人気の「SLもおか号」。木村イベントのついでに探ってきました。




2015年2月の北関東乗り鉄シリーズの一幕です。関東鉄道の常総線
下館までやって来ました。ココからは真岡鉄道ですね。

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…私が子供の頃(昭和50年代)に比べると、恒常的にSLが走ってる
路線
というのもかなり増えましたよね。

真岡鉄道の乗り潰し「SLもおか号」で行きます。
バレンタインの木村イベント14日の土曜日だったでしょ?翌日の
日曜日真岡鉄道に当たるから、折角なので行路に入れてみました。

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真岡鉄道の乗り場は1番線。JRの水戸方面行きの反対側です。
JRのホームは嵩上げされてますので、段差が出来てますね。
目立つ位置に0キロのキロポストがありました。

20150321e.JPG …線路は駅舎の前で行き止まり
機回しは出来ない構造です。

普段の列車は気動車だからイイとして、
SLはどのように扱うんでしょう?
ついでに言うと転車台もありませんね。

間もなくすると、基地のある真岡から
回送されて来ると思うのですが
気になり出したら止まりません

…こう言うのをアレコレ考えてる時間が結構好きだったりします。私だけ?

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やがて茂木方向から、SLのソレとは違う甲高い音の汽笛が聞こえ、
ディーゼル機関車(DE10)に牽かれて「もおか号」が入線しました。

SLはC11ですね。SL列車全体の向きとしては、既に茂木の方向を
向いています。…なるほど!こう言う方法だったのか。

発車時間まではカナリ間がありますから、まだホームの人影も少なく、
のんびりした雰囲気ですね。

20150321h.JPG …そうねえ。毎日とか毎週とか
「いつでも見れる」状態
だから空いてる
ワケで、期間限定の復活運転
必死こいて撮り鉄さんが集まるやつ
には、私はあまり行きたいと思わない
ですよね。切符を取るのも大変だし。

まだ次に定期列車が発着するので、
「もおか号」は一旦、側線に移動します
そろそろ人も増えてきました。

あっちから来て、直接側線に入らないのは信号的な事情でしょうか?

20150321i.JPG 取材時点は2月の半ば、まだまだ寒い時期です。
「もおか号」に使われる元国鉄の50系客車には
今時珍しい蒸気暖房があるみたいですね。

大井川鉄道の回でも述べましたが、機関車で
使う
蒸気を少し貰ってきて、客車内に通した
パイプ
で車内を暖房する仕組みです。

50系の時代にはもぅSLは現役じゃなかった
ですが、旅客用の電気機関車やディーゼル
機関車には蒸気発生装置が積まれてて、
蒸気暖房を行ってたんですよね。
両者が見事にマッチしたと言う事か?

そんな感じで、乗る前から勝手に色々と楽しんでます「SLもおか号」
の旅、発車までもうちょっとかかりそうな気がしますが。

C11の「もおか号」は、先に定期の普通列車を発車させるべく、一旦
側線に入りました。…ホームから距離があるから、機関車の下回りまで
よく見えます。絶好の撮影タイムですね。乗車は次の常総線でも
間に合いますが、こんな事もあろうかと早目に来て正解でしたよ。

C11は恐らく、日本のタンク機関車最終形態完成形なんでしょう。
小さな車体無駄なく色んなモノが装備されてる感じ。

側面画像の左半分がカスんで見えるのは、吹き上げた蒸気が霧になって
降ってくるから
です…ってか、さっきから煤の匂いもスゴいんですけど。
正に「生きてる機械」な感じがしますよね。

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似たようなカットが続くので、少しアンティーク加工してみましょう。
小柄な割りに尻がデカいスタイルから、何となくのろを連想しました
(当然のろ殴)

そろそろ家族連れさんなども集まり始め、記念撮影タイムです。

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そして定期列車が1本発着し、いよいよ「もおか号」の入線です。
見ての通り、特に大人数の人集りという事もなくユルくていいね

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近くで見て気が付きました。全般検査大宮総合車両センターか。
JRに委託してやってるようです。

3両編成の客車は全部が自由席。整理券は着席を保証するモノでは
ありません
が、一応は前日に買って来ました。JR東日本エリア
「みどりの窓口」
でも買えます。

時期によっても違うのでしょうが、私が行った時は然程の満席という事も
なく
1人客でも1つのボックスシートを占領出来る感じ。
理想的な乗車率でしたよ。

そんな感じで「SLもおか号」やっと出発しますか。
さて「SLもおか号」ですが、寒いけどイイお天気の下館駅を、定刻に
発車しております。

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客車は全部で3両、全てが自由席ですが、やはり前の方が人気がある
ようです(機関車に近いから?)。
…私は「出来れば窓越しのカットを撮りたい」という事で最後尾
先述の通り、かなり余裕のある乗車率でした。

…最近はドコへ行っても、記念写真用の制帽がありますな。
私は自分のでナイと、アタマに乗ってるだけ(入らない)場合が多くて…

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客車の形式としては、国鉄末期「最後の一般型客車」として製造された
50系ですね。冷房はナイけど自動ドアが装備されています。
恐らく、照明や扇風機ドアの動力ぐらいはダイナモ&バッテリー
行けるけど、冷暖房は無理なんでしょう。

「客車に自動ドア」というのが当時は画期的だったと言うか、
電車で当たり前なモノが客車に無かったというから恐ろしい。

旧型客車当たり前に使われてた地域(要するに田舎では、手動の
ドアから通学の高校生などが転落する事故が相次ぎ、周囲からも改善
望む声があったと言いますが、高校生にもなってドアから落ちるて…
単にフザけてた結果の自業自得だと思うのですが。

何にせよ、50系がオリジナルに近いスタイルで残ってるココのは、カナリ
珍しいんだそうな(他に何があった?)。

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そして窓の下…座席窓側の足元に、蒸気暖房の配管が通ってるのだと
思われます。で客室内の床に、ソレを調整するバルブのフタがあります。

蒸気暖房というのは、機関車から繋がった配管暖房用の蒸気を送る
もんだから、微調整がしにくいのと、列車の前後で温度に差が出る
という欠点がありますね。
3両程度ならイイのでしょうが、昔の本線特急のように10両以上とか、
前後どっちに合わせても反対側がカナリ大変だったろうと思いますが。

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配管部分は素手で触ると「熱っ!」て感じ
当日は気温は低いものの、窓を閉めた列車内
では陽射しのせいもあって、暑いぐらいの温度
でしたね。

程なくして車内検札がありました。
乗車券は先述の「ときわ路パス」と、整理券
前日に、秋葉原で買ってきたからJR仕様
…同時に記念乗車証が貰えます。

500円だから、例えば地元の人がSL関係ナシに
「急行料金」的な感覚で乗るのもアリなのかも
知れません。大井川鉄道も確かそうでしょう。

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そんな感じで、「SLもおか号」のどかな風景の中を走ります。
土手に映る機関車の形の影が面白かったので、最前部のデッキから
撮ってみました。意外と煙は少ないですね。最近は「そんな石炭」
使ってる所が多いと聞きますが。

間もなく、路線の要衝である真岡に到着です。

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ウワサには聞いてましたが、独創的なデザインの駅ですね。

左が真岡駅の駅舎。公共施設なども入ってます。右がキューロク館
という鉄道保存施設。まとめて後から見学する予定ですので、
詳しくは後日に紹介致しましょう。

ココで数分の停車。お客さんも一部が入れ替わる感じでした。

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そして再び発車です。栃木県も海がナイですから、盆地の風景
何となく奈良に似てるよなあと思う事が多々あります。

沿線の皆さん時間がよく分かってるのか、各地で見物やお見送り
の感じで集まってる光景を見かけました。

…皆さんのコメントにあったような迷惑な撮り鉄は特に見かけません
でしたが…余所者が知らないトラブルが色々とあるのかも知れません。

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先程の真岡下車した人も何人かあって、3号車は結構空いてきました
周囲の迷惑にならない場所を探して、少し窓を開けて外から撮影

交換風景も外から見たら、ド派手な気動車SLとの対照が、
より面白いのかも知れません。

20150328g.JPG20150328h.JPG

そんな感じで終点の茂木に到着。乗り潰しも兼ねてますから、
真岡鉄道はコレでクリアになります。今回はレアなケースでしたね。

下館で見た入替用のDE10は、そのまま最後尾に補機としてくっ付いて
終点まで来たようです。SLのコンディション乗客数の多少によって
「連結される場合がある」との事です。

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一旦、改札を出て駅舎を外から見物
新しいキレイな建物です。

帰りもSLにすると時間が開きすぎる
ので、次の普通列車で折り返します。

…その前に、転車台機関車の向きを
変える作業があるというので、見学して
行きましょう。

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恐らく、SLの復活に合わせて新しく作られたモノだと思われます。ココを
使う機関車はC11とC12だから、ソレ用として事足りる大きさなのか?

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その後、帰りの運転に備えての給水が行われました。
…確か水は石炭の7倍ぐらいの量を使うんだと聞いた事があります。

と、石崎相談役に教えて頂いた、駅舎2階のベランダからの風景。

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発着ホームの行き止まり側の踏切を渡って、転車台の近くまで行ける
通路が作られています。…間近で機関車を見る事も出来るんですね。

次の跳躍の備える獣のようで、バックショットも好きだったりします。

客車も午後の上り便まで少しお休み。
国鉄当時50系は単にオハフを編成の両端に配置するんでなく、間にも
組み込んで使う(ドアの開閉や安全確認がしやすい)のが普通だった
のですが、ココでは下館側オハフが1両だけ

…茂木側のオハには尾灯だけが追加されていますちょっと可愛い

20150329g.JPG 次の列車で折り返すので、見学の後は
駅蕎麦で昼食を済ませ真岡まで
戻ります。
…関西人だけど関東風のダシは好き

およそ1時間に1本の間隔ですから、
途中下車して次までの間に、駅舎や
キューロク館などを見学して帰路に着き
ました。



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