2014年7月、前年の集中豪雨で鉄橋が壊れ、ずっと不通になってた
三江線が復旧したというので乗りに行きました。
芸備線の一部区間と三江線を乗ればJR西日本エリアは完乗となる
という状況でもありましたので、ずっと復旧を待っていたのです。
今回は奈良から岡山県の新見までを「もどき」移動です。
片道の距離が約260km、休み休み走って5時間程度で着きました。
まずココから芸備線の始発列車で、備後落合を経て三次に向かいます。
■新見0518---備後落合0634 快速441D 岡オカ キハ120×1両
■備後落合0640---三次0806 普通351D 広ヒロ キハ120×1両
跡付けらしい車内トイレに行ったら、
女性用の「音姫」が装備されてました。
…コレって要りますか? ぃゃ、通常の
話じゃなくて鉄道車両、殊に気動車
に関してさ。
タダでさえエンジン音がうるさいから、
そんな時の音なんて外には聞こえない
と思うんですよね。
設計段階で誰も指摘しなかったんでしょうか? そんなカネがあるんなら、
広島あたりのガムテープで修理してある電車を何とかしろよと。
通学時間帯なので、府中行きを入れると結構な本数が走ってますね。
頻繁に対向列車に出会います。
という事で三次に到着です。…長旅をしてきた印象ですが、まだ
朝の8時か。そして相変わらず、ホームの低い駅ですね。
今では殆ど使わないのでしょうが、
往時を偲ばせる広大なヤードが
残ってて、奥の方には転車台もあり
ますね。
私はソレほど「線形ヲタ」ではナイ
ですが、見てて飽きない風景です。
そして新見駅は当時、駅舎を新しく改築する工事の途中のでした。
ホームの屋根の一部が撤去されてて、ココに新しく橋上の駅舎が
出来るんだと思われます。
トイレも仮設のモノですが、何だか次回利用まで呼びかけられて
しまいました。…また行けますかね?
で、ココからいよいよ三江線なのですが、待ち時間が約2時間弱
あるんですよね。…私も段々と旅慣れてきましたので、ちゃんと
対策は考えてきましたよ。
今回は「もどき」で来た早朝の新見
からスタートしたワケですが、場所柄
朝と昼の駅弁が期待出来ない環境
なんですよ。
で、色々と調べて駅近くのホテルで
「朝食バイキングだけ」というのが
可能らしいと分かりました。
やっぱりホテルの朝食ってのは、ドコでも1日の始まりに適した品揃え
だと思います。コレで800円は安いでしょ?
もう1つ、三次と言えば興味があったのが、歴史民族資料館にあるという
「稲生物怪録」という江戸時代の実録ホラーな文献なのですが…
(詳細は割愛します。興味のある人は各自で調べて下さい。)
駅から遠いので流石に開館時刻に間に合わないのと、常設の展示でも
ナイ という事で断念です。
…駅にあった「それらしいイラスト」で我慢しときましょう。
では時刻となりましたので乗車です。
■三次0957---石見川本1209 普通424D 米ハタ キハ120×1両
三次を発車すると右に進路を取り、江の川に沿って走ります。
…沿線の大部分が、川に沿った右の画像のような風景ですね。
復旧が19日、この取材が29日ですから、ホントに「復活したて」
の状況です。
やっぱり「夏休みまでに!」っていう目標があったんでしょうね。
1両しかナイ列車ですが、地元の人やら「里帰り」っぽい家族連れさん
で結構な混雑でした。
…で、前の方に固まってるのが乗り鉄の皆さん。コイツらのためではなく、
地元の利用者さんのために、復活してホントに良かったですよね。
移り変わる雄大な自然の風景に都会から来たお子様たちは大喜び
(実際の所は知りませんが)。
で三次駅の幟旗にもあるように、ご当地は石見神楽が名物という事
らしく、各駅に神楽の題目の名前が付けられてます。
…とても覚えられませんが。
「おかえりなさい、これからも ずっと一緒に。」か。イイ言葉だなあ。
そんな感じで三江線の旅、まだまだ続きます。
さて三江線です。夏らしい陽射しの中、自然豊かな風景を抜けて列車は
走ります。
正式なトンネルなのか詳しくは知りませんが、短いソレらしいのが
連続する区間があったり、ココでも駅のホームがキレイな花壇で
飾られてたり、見てて飽きない車窓です。
そんな感じで浜原に到着。
…ココから先が、去る7月19日に
復活したばかりの区間ですね。
当日の一番列車は山手線なみの
混雑だったらしいですが。
ソレにしても、三次を出てからずっと
殆ど誰も降りないんですよね。
…皆さんドコへ行くんでしょ?
ってか家族連れさんの3組ぐらいが、全部まとめて1グループのようです。
という事で、気分的に中間点の石見川本に到着です。乗ってきた列車
はココまでですが実際は番号を変えて江津まで直通するようです。
ホームに停まったままですがエンジンを切ってドアも締め切りました。
…単に「乗務員さんのお昼休憩」な気がせんでもナイですけど。
有人駅ですが、駅員さんは沿線の他の駅を巡回中という事で、萌え
キャラちゃんがお出迎え。…列車は日に5往復か。
…もっとキツい所ありますよね。まあ頑張ってる方だと思います。
ぁ、さっきの家族連れさんたちは、お迎えの車(普通の乗用車が数台)
に分乗してドコかへ行ってしまいました。
災害から復旧した区間という事で、待合室には激励の寄せ書きやら
工事の記録を撮った画像などが展示してあります。
一番、被害が大きかったのが因原駅近くの井原川の橋脚でしょうか?
一本だけ新しいコンクリート製に
見えるやつが、新たに作り直された
橋脚だと思われますが、川の中央部
じゃないのが意外と言うかスゴイ勢い
の水流だったんでしょう。
「災い転じて福と為す」というか護岸
工事もバッチリのように見えます。
駅員さんは不在ですがスタンプバカの対応の
ためか、既に押したやつが用意されてました。
…最近ホントに「言わないと出してくれない」
駅が増えたと言うか、サービスが悪いんじゃ
なくて「スタンプ本体を盗んで行くバカ」
が増えたかららしいんですよね。
私はあんまり興味ナイので構いませんが
嘆かわしいお話ですよ。
さて、一通りの取材を終えましたので
私もお昼休みにしましょう。
…気温は30度以上ありますな。
この辺りも盆地なんでしょう。
晴れてはいますが、風が少なくて蒸し暑い
お天気です。
気分的には「ココで半分」ですが、結構来て
ますね。…ホントに偉大なローカル線です。
ココで約2時間の空きがあるので、駅の外へ出て少し散策してみます。
日に5往復しか走らない路線なのに、立派な駅舎ですね。
…ってもすげえ暑いので、あんまり体力は使いたくありません。
取り敢えず、駅前にあった地図で飲食店を探してみました。
広島風のお好み焼き屋さんがあったので、ココにしましょう。
…車で帰る必要があるのでビールが飲めないのがツラいですが、
野菜が多くて美味しかったです。
では乗り鉄を再開。
■石見川本1343---江津1449
普通426D 米ハタ キハ120×1両
いよいよ災害復旧箇所を通過する
という事なのか、前方を監視する係の
人が同乗してます。関係者の皆さん
の努力で、我々は快適に乗り鉄が
出来るという事、ホントに感謝せねば
なりません。
先程、展示の写真で見た鉄橋の新しく造り直された橋脚がコレですね。
やがて三次からずっと寄り添うように流れてきた江の川も、下流に近く
なって川幅が大きくなりました。
そんな感じで終点の江津に到着。私もめでたくJR西日本を完乗と
なりました。 …帰りはもう適当に特急を使いますが一応、行路紹介。
■江津1452---出雲市1700 普通330D 米トウ キハ47×2両
■出雲市1717---新見1923 特急やくも28号 米トウ381系×4両
…今のうちに腹ごしらえという事で、ようやく今回最初にして最後の駅弁。
出雲そばがメインなのね。
蕎麦の弁当は長万部にもありますが一般的には珍しいケースかな。
という事で全通から50年足らずで廃止された、三江線の記録でした。
当時はまだ駅ノートに関する知識も少なく「まさか(まだ)廃止される事も
ナイだろう」という思いで、単なる乗り潰しの1本としてしか見てません
でしたが、何とか「あるうちに乗れた」私にはレアケースの乗り鉄でした。
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