廃線跡を探る旅 #007
The trip for abolished railroads #007

 鉄 道 会 社  路 線 名  廃止年月  調 査 区 間  訪問年月
日本国有鉄道 中央本線(愛岐トンネル)
1966/03
定光寺→古虎渓
2015/05
木村鉄道で突発的に行われた愛岐トンネルの廃線跡を探る見学会。定期的に行われている公開行事に参加してきました。 




2015年5月十五夜イベント最終日の日中社長を含めて何人かの
皆さんで行った愛岐トンネル見学ツアーの報告です。

20150508a.JPG私も地域的に不案内な土地だったので
簡単に場所と経緯の説明から行きます。

中央西線定光寺古虎渓の間で
愛知〜岐阜の県境を越えますよね。

明治33年に開通したコノ区間ですが、
昭和41年になって複線電化され、同時
線形の改良真っ直ぐなトンネル
付け替えられました。

…その「旧線区間」幾つかのトンネルが、片道約1.7kmのハイキング
コース
として保存されており、毎年春と秋限定公開されてるんですよ。

だから正しくは「愛岐トンネルという事になります。私はこんな所
旧線が残ってる事も、公開イベントがあることも知りませんでした

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という事で定光寺駅に下車。普段は無人駅ですが、当日は安全対応
のためか、駅員さんが何人か出動してました。

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線路の下をくぐる地下道のコンクリートにある刻印は1967年、まさに
新線が開通した翌年の建築だという事が分かります。

改札(単にカードリーダーがあるだけ)を出ると、目前に大きな川
横たわってました。まだ上流の方の庄内川ですね。

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私より更に先着していた松井さんと合流。現場に出ている保存会の方
から先に説明を聞いておきましょう。

…コノ方、名札に「駅下」とあるので「駅下さん」というお名前かと
思ったら、単に「駅の下での案内を担当する係」という事だそうな。

20150508d.JPG 20150508e.JPG私も社長も当日まで勘違い
してたのですが、定光寺から
古虎渓まで片道で歩いて抜け
れる
のではなく
、ココから県境
付近までの約1.7km
折り返して
帰ってくる
コースになるようです。

地図に描くとこんな感じ(左)?
そして更に地図を拡大すると(右)
赤丸で囲んだ部分のようなモノ
が描かれています。コレが恐らく、
トンネルのポータル
出入口
部分の
レンガなどの壁でしょう。

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更に先も整備して、最終的に岐阜県
側まで抜けれるように
したいという
のが、保存会の皆さんの悲願でもある
ようです。

という事で、皆さんと合流出来ました
ので早速トンネル見学に向かいます。
…ソレにしても、歩くのに適したイイ
天気
になりましたね。

そんな感じで、いよいよ公開敷地内に入り散策開始です。

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何やら物々しい注意書きがありますね。確かに公開されてるとは言え、
限られた期間内だけですから、自然の力の作用の方が大きかろう

維持管理に充てられるらしい入場料として、1人100円を支払います。

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当日は好天ですが、然程キツい陽射しでもなく何故に傘が要るのか?
…疑問に思う方もあるかも知れませんがコレは毛虫対策です。

社長も一応は女の子なので(&アイドルとして多少のキャラ作りか?)、
「虫がダメなのぉー」という事で雨傘を持参。我々も勧められました。

…確かに其処彼処から毛虫がぶら下がってますね。
と、トンネル内という事で、何名かの方が懐中電灯を持参してました。

20150509h.JPGコース内で公開されているトンネル
全部で4箇所、当然にレールは撤去
されいてます
…全てが単線で非電化サイズですね。

トンネル内でフラッシュを使うと、画面
の右のような光
が写りがちなんですぇ。
空気中の水滴や埃反射するのが、
心霊ヲタに言わせると「オーブだ!」
一々面倒な事になるケースが多い。

私は元々、心霊ネタも大好きなもんで(霊感とかナシ、単にネタとして
好きなだけ。)、以前はよく心霊サイトのオフ会で、色んな所へ行きました。

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…と、廃線跡なので、調査の過程で色んな鉄道の遺品が発見される
らしいです。一角にマトメて展示されてました

そもそも枕木ってのは、防腐剤処理が完璧に為されてますから、
地中に数十年間埋まってても朽ちる事なく健在なようです。…花壇など
に再利用される
ケースも多いから、公園とかで目にしますよね。

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廃レールを再利用した落石防止柵もありました。1911年か、大正年間?
レールに製造年の刻印があるので、ソノ歴史が分かるのです。

コノ辺は、歩王さん得意分野かも知れませんね。
ホームの上屋などの柱に使われている廃レールを、異常に興奮しつつ
紹介されてる記事を、楽しく拝見しておりますが。

愛岐トンネル跡地は鉄道廃線跡とは言え、一般の人にも楽しめるように
コース内には簡単なオモチャとかベンチなどの施設も用意されてました。

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左右のヒモを交互に引っ張ると、キャラクターが登っていくアレとか。
そして景色のイイ所で少し休憩となりました。

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各ポイントには、鉄道に因んで「○○駅」という名前が付いています。
…勿論、現役時代には存在しない架空のモノですが。

この「水車前」コースの中間地点ぐらいでしょうか?人間の歩行速度は
単に直線の道路を歩けば時速4kmですが、ケモノ道だし色々と見ながら
なので、カナリゆっくり進んでます。まぁそんなもんだ。

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誰かが「カモシカが居る!」って言うので見たら…確かに居ました
何だか犬っぽいけど。こう言う「遊び心」は大好きです。

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「定光寺の少女ゆうこ」?…折角ですが語呂が悪いです
そして幸せの鐘的なモノもありましたが、鳴らすの忘れたでしょ?

20150510i.JPG背後から謎のエンジン音がしたので
見てみると、スタッフの方が四輪バギー
でリヤカーを牽引して
荷物を運んで
きました。

…確かにココは自動車だと軽でも無理
だし、適材適所の乗り物です。免許的
には小型特殊ですが、公道じゃなさそう
だしナンバーも無かったような?
私も一度乗ってみたいんですがねぇ。

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そして奥には、トンネルを模した
馬蹄形の構造物が。…売店のようです。

お弁当や飲み物を扱ってまして、殆ど
売り切れてましたが
生ビールは
残ってるんですか?

帰りに寄りますので、是非ともソノ時に
お願いします!

という事で、色々と見ながら歩いてるうちに、見学コースの最後の地点
にして最も長い
6号トンネルに到着しました。

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しかし時間切れのため中には入れて貰えず、ココで折り返しとなりました。
でも一応、主催者さんに色々と解説をして頂きました

より強い圧力に耐え得るように壁の厚さ(レンガの枚数)が他と違うのと
地面に埋まった部分も円形に作られています

長さが333mですか、コース内では最も長いんですね。そしてパンフレット
によると、未公開部分には600mの7号トンネルも控えてます。

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そして近くには、新聞記事などでも紹介された「自転車を漕ぐと進む動輪」
があるのですが、コレも時間切れで終了

どうやら全てを一気に終らすのでなく、残り時間を計算しつつ段々と
見学範囲を縮めていくシステムのようです。

みんなで漕いだ回転数距離に換算して表示してあるのですが、
名古屋を出てまだ金山にも達してナイのか。これからの展開が期待
出来ますね。

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廃線跡を外れると更に健脚者向きのコースなどもありますが、今回は
割愛。元来た道を戻る事にしましょう。

…ってか、さっきの売店に寄ったら、私らの大人数を見越したのか、
生ビールが大量に(カップに注がれて)用意されていました

でも社長も要らないって言うし、買ったのは私と北森さんだけ
普段なら「悪い事をしたなー」って思うんですが、最終日の閉店間際
でしょ?恐らく、関係者の方が打ち上げに飲んじゃうような気がします。
だから余らしても仕方ナイもんだし)…まぁいいか。

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そんな感じで定光寺駅まで戻り、駅周辺でお土産などを少し見て電車で
大曽根方面へ向かいます。

時刻表(出版物の)に記載が無かったのですが、期間中は快速が臨時
停車する
ので意外と本数が多く早く帰れました。

という事で突発企画のトンネルハイキング、普段は見れない所だし
木村鉄道的にもあまりナイ行事だったので、凄く楽しかったです



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